著者
長谷川 拓 成田 譲二 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.390, pp.161-166, 2009-01-15

無線通信における情報量的安全性に基づく鍵共有方法として,エスパアンテナを用いた秘密鍵共有方式が提案されている.本稿では,秘匿条件付相互情報量Imacを高めるための方法として,指向性セット候補用意法及び雑音環境により使用する指向性セットを切り替える適応選択法を提案する.鍵長を16bitとする計算機シミュレーションの結果,無作為に指向性セットを選んだ場合の平均と比較して以下を確認した.(1)指向性セット候補用意法によりImac=0.5となる送信電力を5.7dB低く抑えられる.(2)指向性セット適応選択法により同じく7.1dB低く抑えられる.
著者
松本 信幸 井田 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.3, pp.31-36, 2008-04-10
被引用文献数
5

フレーム内処理の再構成型超解像方式を,エッジ部に加えてテクスチャ部や平坦部でも高画質化させる.従来のフレーム内再構成超解像方式は,輝度変化が被写体の輪郭に沿って連続する性質である自己合同性に着目し,エッジ部分において高い鮮鋭感が得られる高解像度化を行う.今回,まず,入力画像をエッジ部/テクスチャ部/平坦部に分割する.続いて,エッジ部では入力画像と自己合同性から生成した条件,テクスチャ部では入力画像から生成した条件を満たすように,フィルタ方式で拡大した画像を修正することで高解像度化する.従来のエッジ部分での鮮鋭感向上に加えて,テクスチャ部分での明瞭感の向上や,平坦部でのノイズの増幅を抑えることができ,17名の被験者による3次畳み込み内挿法との一対比較で約60[%]の採択率を得た.
著者
北澤 仁志 李 竹 藪田 顕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.3, pp.49-54, 2008-04-10

各部分の対応が分かるような正確な移動物体の抽出と追跡は,行動の解析などのために重要である.本研究では,時空間中でのブロックの排他的対応に基づく移動物体の抽出と追跡手法を提案する.現在のフレームと前フレームの全ブロック間の類似度をコストとして,ブロック間の排他的マッチングを"部分的割当問題"として解き,ブロック間の対応を求める.また,複数フレームを同時に扱うことでオクルージョンがあっても正確な追跡が継続できることを示す.
著者
干場 圭太郎 川村 新 飯國 洋二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.64, pp.31-36, 2007-05-17
被引用文献数
4

自動採譜システムを実現するためには,音高推定技術が不可欠である.音高推定技術とは,楽音の基本周波数を推定する技術のことである.従来の研究では,楽音データを周波数領域に変換してから,基本周波数を求めることが多い.しかし,楽音の平均律音階の隣り合う音高の基本周波数比は2^<1/(12)>であり,その周波数配置は等間隔にならない.そのためFFTなど等間隔の周波数成分を求める手法では,多重音の求めたい音高の基本周波数を直接求めることができず,周波数補正などの処理が必要とされる.また,この方式では,演算量の観点から音高推定のリアルタイム実現は困難である.これに対して本論文では,ノッチフィルタを利用した時間領域の音高推定法を提案する.提案法では,少ない演算量で基本周波数を求めることができ,音高推定のリアルタイム実現に適している.