著者
永田 勝太郎 島田 雅司 長谷川 拓也 真木 修一 秦 忠世 大槻 千佳
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.1151-1156, 2010-12-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
12

酸化バランス防御系は,生体調節機構の1つと考えられる.そのゆがみは生活習慣病の発症に関与する.疼痛性疾患である,慢性腰痛,線維筋痛症,関節リウマチ患者について,酸化ストレス(d-ROM test),抗酸化力(BAP test),潜在的抗酸化能(修正BAP/d-ROM比:修正比)をFRAS4(Free Radical Analytical System 4)により,測定した.健常者群に比し,線維筋痛症の酸化ストレス,修正比は悪化していたが,関節リウマチほどではなかった.酸化バランス防御系の是正のため,抗酸化剤である還元型coenzyme Q10を3ヵ月間投与した.その結果,疼痛VASの改善,酸化バランス防御系の改善がみられた.線維筋痛症の診断・治療に酸化バランス防御系の評価は重要であると考えられた.
著者
永田 勝太郎 島田 雅司 長谷川 拓也 真木 修一 秦 忠世 大槻 千佳
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.1151-1156, 2010
参考文献数
12
被引用文献数
1

酸化バランス防御系は,生体調節機構の1つと考えられる.そのゆがみは生活習慣病の発症に関与する.疼痛性疾患である,慢性腰痛,線維筋痛症,関節リウマチ患者について,酸化ストレス(d-ROM test),抗酸化力(BAP test),潜在的抗酸化能(修正BAP/d-ROM比:修正比)をFRAS4(Free Radical Analytical System 4)により,測定した.健常者群に比し,線維筋痛症の酸化ストレス,修正比は悪化していたが,関節リウマチほどではなかった.酸化バランス防御系の是正のため,抗酸化剤である還元型coenzyme Q10を3ヵ月間投与した.その結果,疼痛VASの改善,酸化バランス防御系の改善がみられた.線維筋痛症の診断・治療に酸化バランス防御系の評価は重要であると考えられた.
著者
永田 勝太郎 長谷川 拓也 喜山 克彦 青山 幸生 広門 靖正 大槻 千佳
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.238-244, 2007 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

ObjectiveSeventeen patients with FMS were treated with balneo-Morita therapy, which combines the balneotherapy with Morita therapy. After one year of treatment, patients with favorable outcome were compared with those with poor outcome.Subjects and methodsThe mean treatment period was 4.3 weeks. The outcome after one year of treatment was assessed. Patients who were able to return to work without a relapse of FMS were classified into the responsive group (13 cases, 74.6% in all), and those who showed a relapse or were not able to return to work were classified into the unresponsive group (4 cases, 23.5%). The cases of these two groups were compared in terms of biological (physical), psychological, social and existential status induvidually.ResultsThere was no significant difference in sex or age distribution between the two groups. In terms of disease entity, FMS can be classified into psychosomatic type (hyperadaptation type) and neurotic type (possible presence of psychosocial-existential problems which are difficult to resolve such as great trauma, or the conditions ranging from neurosis to psychosis). Cases of neurotic type were prevailing in the unresponsive group. Patients were assessed to find out in which of the particular features of biological, psychological, social and existential aspects the notable problems proper to each patient lie.The number of patients having psychological problems was higher in the unresponsive group, with a significant difference. In one case of the unresponsive group, the condition changed into ME/CFS (myalgic encephalopathy/chronic fatigue syndrome).DiscussionIn the treatment of these patients, the somatic approaches or physical therapy such as pharmacological therapy or simple balneotherapy, should be given more importance for cases of the psychosomatic type. However, psychological therapy should be added to this treatment for cases of neurotic type. The efficacy of the balneo-Morita therapy was compared between the groups as classified by the type of the disease. The therapy was effective in 91.6% of the cases of psychosomatic type, while the efficacy rate was 40.0% for cases of neurotic type. During the period of the balneo-Morita therapy, a tendency of dependency on therapists may appear in patients. Although involution may be allowed transiently for the purpose of introducing catharsis, autonomy should be enhanced eventually. Yuatari (balneo-phenomenon, or balneo-intoxication) is a phenomenon, that develops in psychosomatic confusion resulting from sudden release from tension after the start of balneotherapy. This phenomenon is regarded as catharsis, from which patients are encouraged to establish a new self. Through this therapeutic experience, the therapists lead the patients from involution to autonomy without being so instructed, finally to cause a change in the way of living. In cases of psychosomatic type, this conversion was relatively easily achieved, but in cases of neurotic type such conversion was difficult. It is considered that difficulty in such conversion is attributable to psychological factors of patients (strength of self, severity of trauma, presence or absence of meaning, autonomy).
著者
近藤 まなみ 長谷川 拓 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1N103, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,AIの分野で人狼ゲームが注目を集めている.人狼ゲームはコミュニケーションゲームの一種であり,不完全情報ゲームに分類される.人狼ゲームには未知の情報があるため,このゲームを攻略する戦略の一つとして,未知の情報を予測に基づいて判断することが挙げられる.人狼ゲームにおいてプレイヤが知ることができる情報は限られており、その中には虚偽が存在する可能性がある.本論文では限られた情報を学習することで不確実な情報下での予測を試みるため,人狼ゲームの持つ時系列性を考慮し,LSTMを用いた.また,得られた予測モデルを用いてゲーム分析をした.
著者
田中 直美 牛膓 昌利 牛膓 真美 坂本 あづさ 稲田 美帆 河原 俊 長谷川 拓馬 持田 美香
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】車いす座位姿勢の評価・シーティングを行う際,骨盤を起こし,水平,前後傾中間位とし,その上に胸郭・頸部・頭部が位置すると考えられている。しかし超高齢者は座位保持能力の低下により,骨盤を起こした姿勢では重力に抗することができず,頭部にかかる重力ストレスにより頭部が前下方へ落ちこみ,臀部が前方へ滑りだす姿勢を取ることが多い。骨盤を起こした姿勢が本当に安定した座位姿勢となっているのか疑問に感じる。そこで,シーティングの新しい考え方である,骨盤の後傾をゆるしもたれることで身体の物体的な安定を図る,脳性麻痺児・者を中心とした理論及び技法のキャスパー・アプローチ(以下,CASPER)に基づき,車いすシーティングを実施し,超高齢者への有効性を検討した一症例について報告する。【方法】普通型車いすでの一般的な座位姿勢(以下,非介入)と三角クッションを使用しCASPERを実施した座位姿勢(以下,介入)の二者間で開始座位姿勢,座位保持可能時間(バイタル変動をアンダーソンの基準に基づき終了),姿勢変化の3項目を比較した。対象は98歳認知症女性。コミュニケーション困難。介入当初BIは0点。【結果】開始座位姿勢:非介入;胸郭と仙骨が背もたれと接触し,頭頸部は右前下方へ傾く。介入;胸郭下部,坐骨がクッションと接し胸郭,頭部は一直線上に位置する。座位保持可能時間:非介入;平均3分53秒。介入;平均13分41秒。姿勢変化:非介入;頭頸部は右前下方へ倒れるまたは左情報へ伸展。右回旋は可能だが,左回旋は正中を超えなかった。約3分経過後から頭頸部の右屈曲が強まる。声かけに対して発声により反応するが,検者と視線を合わすことはなかった。介入;頭頸部が自由に全方向へ可動し,正中に戻ることも可能。全方向からの声かけに対して検者と視線を合わせ,言葉で返答することが可能。【結論】非介入で垂直に設定された骨盤は後方へ倒れようと不安定で,背もたれが上部胸郭と仙骨の倒れを固定する。上方の頭頸部は重力により前下方へ落ち込む。そのため臀部を前方へずらすことで頭頸部の落ち込みを回避していると考えられる。この座位姿勢では頭頸部の落ち込み回避のために筋力が必要であり,頸部回旋の自由度を減少させると考える。介入では,骨盤を後傾位に設定するが,坐骨を座面に設置した三角クッションに乗せることで臀部の前方への滑りを固定した。また,後方へ倒れる胸郭の重みを背もたれに設置した三角クッションで受けることで胸郭から下方が安定し,上方の頭頸部の支持性が向上したと考えられる。そのため,座位保持に必要な筋力が減少し,楽に座ることができた。また,声かけなどの刺激に対して,多様な反応を示すことができたと考える。今後,対象者数を増大,評価項目を検討し,高齢者に対する座位保持理論を系統化していきたい。
著者
長谷川 拓 成田 譲二 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.61, pp.13-18, 2008-05-22
被引用文献数
5

無線通信におけるセキュリティ技術として,エスパアンテナを用いた秘密鍵共有方式が提案されている.本稿では,雑音耐性・盗聴耐性を同時に評価するための指標であるImacを定式化し,Imacの高くなるリアクタンスセットを探索する.計算機シミュレーションの結果,無作為にリアクタンスを選んだ場合の平均と比較してImacが約30%高くなるリアクタンスセットを発見した.さらに,従来方式の片側端末のみ7素子エスパアンテナを用いた方式と,提案する両端末に3素子エスパアンテナを用いた方式との性能比較を行った.従来方式では盗聴局が正規局の1/4波長(約3cm)内に近づいた際にImacが急激に低下するが,本提案方式では盗聴局が正規局に近づいてもImacが低下しないことを確認した.
著者
長谷川 拓男 小川 匡市 市原 恒平 青木 寛明 又井 一雄 吉田 和彦 矢永 勝彦
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.648-653, 2017 (Released:2018-08-30)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

症例は57歳男性.下痢,発熱,腹痛を主訴に入院となった.急性腸炎の診断で保存的治療を行ったが,第5病日に腹膜炎症状が出現し緊急開腹手術を行った.開腹所見では盲腸から横行結腸まで浮腫状で著明に拡張し腸管壁は脆弱化しており,結腸亜全摘術+回腸人工肛門造設術を行った.術後は敗血症性ショックによる急性循環不全,呼吸不全に陥り人工呼吸器に装着し集中治療室で治療を行った.術後3日目に糞便の顕微鏡検査でアメーバ性大腸炎と診断され,メトロニダゾールの投与を開始した.その後,全身状態は急激に改善し,術後49日目に軽快退院した.アメーバ性腸炎は近年日本においても増加傾向である.診断に難渋する下痢,腹痛症例に対し本疾患を念頭におき診療を行うことが重要であると考えられた.
著者
執行 秀彌 大原 貴裕 岩山 忠輝 舟田 晃 長谷川 拓也 神﨑 秀明 安斉 俊久
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.187-190, 2015 (Released:2016-02-15)
参考文献数
14

症例は70歳, 女性. 主訴は意識消失. 大動脈弁閉鎖不全症, 感染性心内膜炎に対してBentall手術 (Prima Plus 21mm, Intergrad 20mm), 右室形成術を施行した. 術後完全房室ブロックと低心機能を認め心臓再同期療法ペースメーカー (Medtronic Consulta CRT-P C3TR01) を留置した. 3カ月に及ぶ長期入院を要した. 退院後, 立位にて調理中に突然の意識消失をきたし, 精査のために入院. 心電図では失神をきたすような不整脈を認めず, 心筋逸脱酵素上昇等異常所見を認めなかった. 経胸壁心エコー図では, 局所壁運動異常や大動脈弁置換弁の異常所見を認めなかった. 頭部単純CT, 脳波検査でも異常所見は認めなかった. 神経調節性失神を疑いヘッドアップチルト試験を施行. ニトロール負荷にて急激な血圧低下, 失神症状を認めた. カルベジロールのα1遮断作用が失神の誘因となった可能性を考慮し, カルベジロールからビソプロロールへ変更した. 変更後ヘッドアップチルト試験を再施行したが, 血圧低下, 失神症状を認めなかった. 以降症状再発なく経過している. 低心機能例に対してβ遮断薬を投与する際には神経調節性失神の副作用も考慮に入れて薬剤選択する必要があると考えられた.
著者
長谷川 拓 西田 京介 加来 宗一郎 富田 準二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4Rin145, 2020 (Released:2020-06-19)

近年 BERT をはじめとする transformer 型の事前学習モデルの出現により,様々な自然言語処理タスクにおいて目覚ましい研究成果があげられている.情報検索の分野においても,事前学習モデルを利用した検索技術により従来技術を大きく上回る精度で検索が可能となってきた.また,大量の文書から関連文書を高速高精度に検索することを目的として,ニューラルネットワークでスパースな潜在表現を獲得しこれを潜在単語とみなすことにより,転置インデックスを利用した高速検索を実現する試みもなされてきた.しかし,従来手法では学習時にスパース性を明示的に評価していなかったため,出力が限られた部分空間に偏ってしまい,転置インデックスをうまく活用できず高速に検索ができない可能性があるという問題があった.本研究では,事前学習モデルを利用したニューラルネットワークを用いて文脈を考慮可能にするとともに,このモデルで得られる潜在表現が部分空間に偏りにくい学習方法を提案する.数値実験により提案手法で得られる潜在表現から作成された転置インデックスを用いて,高速な検索が可能であること示す.
著者
永田 勝太郎 長谷川 拓也 岡野 寛 大槻 千住 広門 靖正 青山 幸生
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.479-486, 2004
参考文献数
15

専門医により予後不良と診断された末期がん患者28例に対し,補剤を投与し,実存分析的なアプローチを加え,全人的医療を試みた.その効果について,レトロスペクティブに検討した.評価は,主観的にはQOL調査票を用いてQOLを評価し,客観的には尿17-KS-S(以下,S),17-OHCS(以下,OH),S/OH比を用いた.補剤である十全大補湯,紅参末,コエンザイムQ10を用い,さらに実存分析を基盤とした心理療法を行った.その結果,延命効果(6カ月未満から平均18カ月へ)とQOLの改善(特に食欲と疼痛)が認められ,低下していたS,S/OH比が上昇した.さらに,6例が実存的転換を示した.転換群と非転換群の身体・心理・社会・実存的条件を比較した.トータルQOL,食欲,高S,至高体験,意味への気つきが転換群で優れていた.また,死の様態では転換群に尊厳死が多かった.
著者
田中 直美 牛膓 昌利 牛膓 真美 坂本 あづさ 稲田 美帆 河原 俊 長谷川 拓馬 持田 美香
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0836, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】車いす座位姿勢の評価・シーティングを行う際,骨盤を起こし,水平,前後傾中間位とし,その上に胸郭・頸部・頭部が位置すると考えられている。しかし超高齢者は座位保持能力の低下により,骨盤を起こした姿勢では重力に抗することができず,頭部にかかる重力ストレスにより頭部が前下方へ落ちこみ,臀部が前方へ滑りだす姿勢を取ることが多い。骨盤を起こした姿勢が本当に安定した座位姿勢となっているのか疑問に感じる。そこで,シーティングの新しい考え方である,骨盤の後傾をゆるしもたれることで身体の物体的な安定を図る,脳性麻痺児・者を中心とした理論及び技法のキャスパー・アプローチ(以下,CASPER)に基づき,車いすシーティングを実施し,超高齢者への有効性を検討した一症例について報告する。【方法】普通型車いすでの一般的な座位姿勢(以下,非介入)と三角クッションを使用しCASPERを実施した座位姿勢(以下,介入)の二者間で開始座位姿勢,座位保持可能時間(バイタル変動をアンダーソンの基準に基づき終了),姿勢変化の3項目を比較した。対象は98歳認知症女性。コミュニケーション困難。介入当初BIは0点。【結果】開始座位姿勢:非介入;胸郭と仙骨が背もたれと接触し,頭頸部は右前下方へ傾く。介入;胸郭下部,坐骨がクッションと接し胸郭,頭部は一直線上に位置する。座位保持可能時間:非介入;平均3分53秒。介入;平均13分41秒。姿勢変化:非介入;頭頸部は右前下方へ倒れるまたは左情報へ伸展。右回旋は可能だが,左回旋は正中を超えなかった。約3分経過後から頭頸部の右屈曲が強まる。声かけに対して発声により反応するが,検者と視線を合わすことはなかった。介入;頭頸部が自由に全方向へ可動し,正中に戻ることも可能。全方向からの声かけに対して検者と視線を合わせ,言葉で返答することが可能。【結論】非介入で垂直に設定された骨盤は後方へ倒れようと不安定で,背もたれが上部胸郭と仙骨の倒れを固定する。上方の頭頸部は重力により前下方へ落ち込む。そのため臀部を前方へずらすことで頭頸部の落ち込みを回避していると考えられる。この座位姿勢では頭頸部の落ち込み回避のために筋力が必要であり,頸部回旋の自由度を減少させると考える。介入では,骨盤を後傾位に設定するが,坐骨を座面に設置した三角クッションに乗せることで臀部の前方への滑りを固定した。また,後方へ倒れる胸郭の重みを背もたれに設置した三角クッションで受けることで胸郭から下方が安定し,上方の頭頸部の支持性が向上したと考えられる。そのため,座位保持に必要な筋力が減少し,楽に座ることができた。また,声かけなどの刺激に対して,多様な反応を示すことができたと考える。今後,対象者数を増大,評価項目を検討し,高齢者に対する座位保持理論を系統化していきたい。
著者
近藤 まなみ 長谷川 拓 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

近年,AIの分野で人狼ゲームが注目を集めている.人狼ゲームはコミュニケーションゲームの一種であり,不完全情報ゲームに分類される.人狼ゲームには未知の情報があるため,このゲームを攻略する戦略の一つとして,未知の情報を予測に基づいて判断することが挙げられる.人狼ゲームにおいてプレイヤが知ることができる情報は限られており、その中には虚偽が存在する可能性がある.本論文では限られた情報を学習することで不確実な情報下での予測を試みるため,人狼ゲームの持つ時系列性を考慮し,LSTMを用いた.また,得られた予測モデルを用いてゲーム分析をした.
著者
長谷川 拓也
出版者
筑波大学人文社会科学研究科 国際地域研究専攻
雑誌
筑波大学地域研究 = Area studies Tsukuba (ISSN:09121412)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-19, 2018-03-31

This article explores to what extent anti-corruption campaigns have leverage over local governments in Indonesia by examining the case of anti-corruption campaign in Padang, West Sumatra. This campaign galvanized across the country at one time when it succeeded to persuade prosecutors to investigate provincial local legislators on the suspicion of violation of government decree by adding various kinds of perquisites for them in the annual budget. The campaign became everyday topics of local people with the coverage of national and local newspapers. However in the long process of judicial trial up to the Supreme Court, all of the local legislators were acquitted. This article highlights various barriers this anti-corruption movement had faced: negative campaigns orchestrated by a radical religious group leader, collusive relationship between local politicians and newspapers, pressure from national parliament on the judgement of the court. But it also highlights the resiliency of civic movement in this province. Next-generation of anti-corruption activists have already emerged to pursue the same career path of the first-generation activists after democratization.
著者
長谷川 拓也 小路 淳
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.574-579, 2017 (Released:2017-08-07)
参考文献数
21
被引用文献数
4

シロウオの遡上実態と産卵場の環境特性を広島県三津大川において調査した。2016年の漁期は2月下旬~4月下旬であり,漁獲量は大潮の時期に多く小潮の時期に少ない傾向を示した。卵塊分布密度が最高となった地点は,河口から約350 m上流側であった。その地点の塩分は,小潮期には終日ほぼ0であったが,大潮期の満潮時には約25に上昇した。既往知見に比べて高い塩分にさらされる場所においても本種の産卵が確認され,一定期間は淡水及び汽水にさらされる環境であることが産卵場の形成要因として重要である可能性が示唆された。
著者
茂木 耕作 米山 邦夫 勝俣 昌己 安藤 健太朗 長谷川 拓也
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

Drastic deepening of the barrier layer off the western coast of Sumatra(4°S, 102°E, 800 m depth) due to the MJO passage observed duringDecember 2015 is investigated. The Research Vessel Mirai observationcaptured the drastic increase of isothermal depth from 20 m to 100 mfor only 4 days due to the westerly burst (5-9 m/s) associated withthe MJO. While, the mixed layer was deepened from 10 m to 40 m becauseof the strong stratification of the salinity in the ocean surfacelayer. As a result, the barrier layer depth was deepened from 10 m to80 m. This drastic deepening of the barrier layer was associated withthe increase of turbulent energy dissipation rate. Because the currentspeed in the surface layer off the western coast of Sumatra was veryslower (less than 20 cm/s) than that over the open ocean (more than 50cm/s), the vertical mixing due to the westerly burst could be a mainfactor for the barrier layer deepening.
著者
篠原 寿彦 水谷 央 下野 聡 長谷川 拓男 高橋 宣胖 西井 寛 落合 和彦 遠藤 泰彦 酒田 昭彦
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.277-281, 2001-03-01
被引用文献数
4

症例は50歳の女性.平成11年1月頃より月経周期の度に腹痛と腹満感を感じていた.月経が終了すると腹痛も改善していたため放置していたが, 平成12年2月再び著明な腹痛が出現し来院した.腸閉塞の診断にてイレウス管を挿入して保存的にも軽快するも小腸造影にて回腸末端付近に狭窄を認めたため開腹手術を行った.手術所見では, 回腸末端より10cmの所に全周性の潰瘍瘢痕様の絞扼と子宮底部に20mm大の筋腫と右卵巣にチョコレート嚢胞を認め回腸部分切除術および子宮全摘術, 両側付属器摘出術を行った.病理組織診断にて右卵巣に内膜症を認め, また回腸の絞扼部には粘膜下層から漿膜にわたって同様の内膜症病変が多発していたため, 異所性子宮内膜症による回腸絞扼と診断した.回腸子宮内膜症による腸閉塞の1症例を経験したので本邦報告35例を加え文献的考察を行った.