著者
小松 和暉 宮路 祐一 上原 秀幸
出版者
IEEE
雑誌
IEEE Transactions on Wireless Communications = IEEE Transactions on Wireless Communications (ISSN:15361276)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.3768-3780, 2018-06
被引用文献数
26

This paper presents a basis function selection technique of a frequency-domain Hammerstein digital selfinterference canceller for in-band full-duplex communications. The power spectral density (PSD) of the nonlinear selfinterference signal is theoretically analyzed in detail, and a nonlinear self-interference PSD estimation method is developed. The proposed selection technique decides on the basis functions necessary for cancellation and relaxes the computational cost of the frequency-domain Hammerstein canceller based on the estimated PSD of the self-interference of each basis function. Furthermore, the convergence performance of the canceller is improved by the proposed selection technique. Simulation results are then presented, showing that the proposed technique can achieve similar cancellation performance compared with the original frequency-domain Hammerstein canceller and a time-domain nonlinear canceller. Additionally, it is shown that the proposed technique improves the computational cost and the convergence performance of the original frequency-domain Hammerstein canceller.
著者
伊藤 大雄 藤井 愼二 上原 秀幸 横山 光雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.194, pp.17-24, 1999-07-21
参考文献数
17
被引用文献数
4

詰め将棋の盤面をn×nにし、王将以外の駒を0(n)個の用意した、一般化詰め将棋問題の計算複雑さについて論じる。詰め将棋には見た目や詰め方などに面白みを出すため、駒の初期配置に工夫をしたり、正解の詰め手順に美しい趣向が隠されている様な、趣向詰めというものがある。本稿では、飛車と角を使用しない「小駒図式」、初期配置に成り駒が無い「成り駒無し」、王将が初期配置で居た場所に戻って詰む「還元玉」、王将が中央のマスで詰む「都詰め」の4つの趣向を同時に満たすものに限定しても一般化詰め将棋問題がNP困難であることを証明する。
著者
小松 和暉 宮路 祐一 上原 秀幸
出版者
IEEE
雑誌
IEEE Wireless Communications and Networking Conference (WCNC), San Francisco, CA, 2017 = IEEE Wireless Communications and Networking Conference (WCNC), San Francisco, CA, 2017 (ISSN:15582612)
巻号頁・発行日
pp.1-6, 2017
被引用文献数
12

In-band full-duplex communications have been spotlighted because they can double the spectral efficiency of the current wireless communication systems. However, it is necessary to mitigate the self-interference (SI). Currently, several time-domain and frequency-domain SI cancellers have been proposed. Timedomain SI cancellers are based on the parallel Hammerstein (PH) model, and they have good flexibility with high computational cost. In contrast, frequency-domain SI cancellers can achieve high cancellation performance with low computational cost but they have less flexibility than time-domain PH based SI cancellers. In this paper, we propose a frequency-domain SI canceller based on the PH model. The proposed scheme estimates the frequency response of the SI channel and regenerates SI signals by the overlap-save method. Therefore, the computational complexity of the proposed scheme is less than time-domain PH based SI canceller. The performance of the proposed scheme is assessed by equivalent baseband signal simulations of a fullduplex transceiver. As a result, the proposed scheme achieves high SI cancellation as the time-domain PH based SI canceller with low computational cost. In addition, the convergence performance of the proposed scheme is faster than the time-domain scheme.
著者
長谷川 拓 成田 譲二 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.61, pp.13-18, 2008-05-22
被引用文献数
5

無線通信におけるセキュリティ技術として,エスパアンテナを用いた秘密鍵共有方式が提案されている.本稿では,雑音耐性・盗聴耐性を同時に評価するための指標であるImacを定式化し,Imacの高くなるリアクタンスセットを探索する.計算機シミュレーションの結果,無作為にリアクタンスを選んだ場合の平均と比較してImacが約30%高くなるリアクタンスセットを発見した.さらに,従来方式の片側端末のみ7素子エスパアンテナを用いた方式と,提案する両端末に3素子エスパアンテナを用いた方式との性能比較を行った.従来方式では盗聴局が正規局の1/4波長(約3cm)内に近づいた際にImacが急激に低下するが,本提案方式では盗聴局が正規局に近づいてもImacが低下しないことを確認した.
著者
高 博昭 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.131, pp.1-6, 2009-07-09

センサネットワークでは,ネットワーク全体での消費電力削減が重要な課題の一つである.本研究では,ノードのデータを冗長なく表現するために最低限必要な情報量を表す集約モデルを定義し,それに基づいたセンサノードのスケジューリング法を提案する.そして,このスケジューリング法をCLARISに適用する.スケジューリング法を適応されたCLARISは相関性指標クラスタリングと集約モデルに基づいたノードスケジューリングにより消費電力削減を図る.シミュレーション結果からCLARISは従来方式であるLEACHとCLARAよりも優れた消費電力特性を実現していることを示した.
著者
小松 和暉 宮路 祐一 上原 秀幸
出版者
IEEE
雑誌
IEEE Transactions on Wireless Communications = IEEE Transactions on Wireless Communications (ISSN:15361276)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.4424-4438, 2020-07
被引用文献数
41

This paper presents an iterative estimation and cancellation technique for nonlinear in-band full-duplex transceivers with IQ imbalances and amplifier nonlinearities. The estimation process of the proposed scheme consists of three stages, namely, the channel response estimation, IQ imbalance estimation, and power amplifier and low-noise amplifier (LNA) nonlinearities estimation. For the estimation of the parameters and improvement of the accuracy, distortions are compensated by cancellation or inversion with the latest estimated parameters. On the one hand, the channel response is estimated on the time domain; on the other hand, the IQ imbalance and nonlinearities are estimated on the frequency domain for a more straightforward estimation and superior accuracy. In the cancellation process of the proposed scheme, the received signal is compensated with the estimated parameters of the LNA and receiver IQ imbalance before cancellation because the desired signal is received with a high-power self-interference and is distorted by the radiofrequency receiver impairments. Simulation results show that the proposed technique can achieve higher cancellation performance compared with the Hammerstein canceller when the LNA is saturated by the self-interference. Additionally, the performance of the proposed canceller converges much faster than that of the Hammerstein canceller.
著者
山川 太一 宮路 祐一 上原 秀幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.43, pp.1-5, 2013-05-09

アドホックネットワークは多様な端末によって構成されるため,全方位性アンテナを搭載した端末 (全方位性端末) と,可変指向性アンテナを搭載した端末 (指向性端末) が混在した環境を許容する必要がある.しかし,このような環境における難聴や Head-of-Line(HOL) ブロッキングのような問題は,これまでに報告されていない本研究では,異種アンテナ混在アドホックネットワークにおいて,指向性端末が難聴となることによって全方位性端末で HOL ブロッキング問題が発生することを示す.この問題を解決するため,送信端末は難聴によって CTS パケットが受信できなかったとき,キューの中にある宛先の異なるパケットを先に送信する,日和見的なメディアアクセス制御手法を提案する.難聴は宛先が指向性端末のとぎのみに発生する.そこで,提案手法は宛先端末のアンテナの種類を用いて,他の宛先へのパケットを先に送信するかを決める.計算機シミュレーションから,提案手法は,IEEE 802.11DCF に比べて,スループットが約 28%向上した.Ad-hoc networks have terminals with various antenna capabilities such as omni-directional antenna and directional one. However, in ad-hoc networks with heterogeneous antennas, the Medium Access Control (MAC) layer problems such as deafness and Head-of-Line (HOL) blocking problem are not discussed. In this study, we argue HOL blocking problem due to deafness in ad-hoc networks with heterogeneous antennas. For solving the problem, we propose an opportunistic MAC protocol. In this protocol, if a sender does not receive CTS frame because of deafness, it attempts transmission to other destination. Deafness occurs only if the destination has directional antenna. The proposed MAC protocol uses the antenna type of the destination for determining whether the sender transmits to other destination or not. As a simulation result, the proposed MAC protocol achieves about 28% higher throughput than IEEE 802.11 DCF.
著者
山口 啓 吉田 学 今田 美幸 金 順暎 松尾 真人 上原 秀幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.38, pp.129-134, 2013-05-16

我々は,対人関係におけるコミュニケーション支援に向けて,対人感情や対人認知からなる心理因子(つながり感と呼ぶ)の定量化を目指している.これまで,つながり感の変化に着目したWebアンケートを実施し,ユーザの属性で分類したセグメント毎につながり感予測式(線形重回帰式)を作成してきた.本稿では,Webアンケートデータから作成したつながり感予測式の妥当性を検証するために,遠隔会議システムを使った被験者実験を実施し,被験者のつながり感の予測を行った.検証の結果,5種類のつながり感因子のうちの3種類に対し,つながり感予測式を概ねそのまま活用できる見込みを得たので報告する.
著者
高 博昭 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.378, pp.153-158, 2011-01-13

センサネットワークでは,センサノードの消費電力削減が重要な研究課題のひとつである.省電力化を実現するひとつのアプローチとして,クラスタリングや送信データサイズを削減するデータ集約が挙げられる.しかし,既存研究では具体的な集約のアルゴリズムについては未考慮,計算能力に制限のあるセンサノードでは実現が困難,完全集約を想定しているなどの問題点が挙げられる.本稿では様々な実環境のデータに対し情報理論的解析を施し,センサノードの増加に伴うエントロピー増加率とノード数の関係を示す集約モデルの導出を行う.これにより,集約として情報源符号化を想定したときの集約効果についての定式化を行う.次に集約モデルに基づくクラスタリングを想定した間欠送信手法を提案する.これは各クラスタ内の集約モデルとノード数の関係から,しきい値に基づきクラスタメンバのデータ送信を確率的に行うことで送信回数を削減し,省電力化を図る手法である.間欠送信手法を既存クラスタリング手法であるLEACHやCLARAに適用した場合についてシミュレーションを行った結果,間欠送信なしの場合と比較してLEACHの場合で最大59%,CLARAの場合で最大29%の送信回数削減を実現した.
著者
橋本 典征 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.131, pp.13-18, 2009-07-09
被引用文献数
2 1

無線センサネットワークにおけるMAC層では消費電力削減のために効率的にスリープを行うプロトコルが提案されている.その中でも非同期型MACプロトコルはアクティブ状態の同期を必要としないため,同期型に比べてスケーラビリティは優れており,近年盛んに研究が行われている.しかし一方で,スリープの同期を取らないことから,宛先ノードがアクティブ状態に遷移するまでプリアンブルを送信し続けなければならない.それにより,遅延時間および消費電力が増加するという問題を抱えている.そこで本稿では,通信手順の中にアクティブ状態に遷移するまでの時間情報を付加することによって非同期状態から擬似的にリッスン状態のタイミングの同期を取る擬似同期MACプロトコルを提案する.これにより,送信ノードは宛先ノードがアクティブ状態に遷移するときに送信開始できる.実機実験により,提案方式はX-MACに比べ,デューティサイクルを約76%,遅延時間を約44%削減できることを示す.
著者
上原 秀幸
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

圃場で観測した土壌水分データの空間相関特性に基づき、センサノードをクラスタリングし、ノード間の協調制御で低消費電力を図るセンサネットワークプロトコルを開発した。具体的には、(1) 観測データの空間相関分布特性に基づくクラスタリング・アルゴリズム、(2) ノード間協調によるON-OFFスケジューリング制御、(3) 環境の変化に対応してクラスタを再構築するアルゴリズム、(4) 省電力化に加え転送遅延とスケーラビリティを改善する疑似同期MACプロトコルを開発した。
著者
ヘッティアーラッチ ランガ 横山 光雄 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.394, pp.25-30, 2009-01-15

著者らはこれまでに,DS-CDMA通信方式用の干渉除去システムを提案し、シングルパスフェージング通信路での特性評価を行ってきた.この方式ではPN系列のCycle-and-Add特性に基づいて他局からの干渉信号を除去する新しいアルゴリズムを提案している.また,送信機側で電力制御方式を採用せず遠近問題が解決されていることも確認している.本稿では,マルチパスレイリーフェージング環境下での特性評価を行う.また,マルチパス環境で問題となるシンボル間干渉(ISI)の影響を抑制するためにガードインターバル(GI)挿入方式を導入しシステムの性能改善を目的とする.提案技術の適用分野として,緩やかなフェージング変動を受ける無線LAN,衛星通信,無線センサーネットワークなどの通信回線の実現に貢献できることが考えられる.
著者
長谷川 拓 成田 譲二 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.391, pp.161-166, 2009-01-15

無線通信における情報量的安全性に基づく鍵共有方法として,エスパアンテナを用いた秘密鍵共有方式が提案されている.本稿では,秘匿条件付相互情報量Imacを高めるための方法として,指向性セット候補用意法及び雑音環境により使用する指向性セットを切り替える適応選択法を提案する.鍵長を16bitとする計算機シミュレーションの結果,無作為に指向性セットを選んだ場合の平均と比較して以下を確認した.(1)指向性セット候補用意法によりImac=0.5となる送信電力を5.7dB低く抑えられる.(2)指向性セット適応選択法により同じく7.1dB低く抑えられる.
著者
長谷川 拓 成田 譲二 上原 秀幸 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.390, pp.161-166, 2009-01-15

無線通信における情報量的安全性に基づく鍵共有方法として,エスパアンテナを用いた秘密鍵共有方式が提案されている.本稿では,秘匿条件付相互情報量Imacを高めるための方法として,指向性セット候補用意法及び雑音環境により使用する指向性セットを切り替える適応選択法を提案する.鍵長を16bitとする計算機シミュレーションの結果,無作為に指向性セットを選んだ場合の平均と比較して以下を確認した.(1)指向性セット候補用意法によりImac=0.5となる送信電力を5.7dB低く抑えられる.(2)指向性セット適応選択法により同じく7.1dB低く抑えられる.