著者
後藤 典子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.42-49, 2015 (Released:2017-08-26)
参考文献数
10

本稿は,地方の医療・介護現場で患者や介護施設利用者が使用する方言発話を聞いて,外国人がどう理解するかを調査し,理解の特徴を明らかにしようとするものである。山形の方言発話で,方言が使用されやすく緊急度の高い「痛み」や「排泄」に関わるものを取り上げた。結果,外国人と日本人の方言理解には大きな差が見られた。外国人は大まかな意味のみを理解し,不理解となる特徴は,共通語が予想されにくい形,オノマトペ,日常生活であまり使用されない語彙,方言の語彙や表現だった。日本人には理解されていた身体部位や排泄に関わる語彙に不理解が多く注意を要することなどがわかった。
著者
後藤 典子 熊坂 聡 三瓶 典子 澤 恩嬉 齋藤 美穂 山上 龍子
出版者
山形短期大学
雑誌
山形短期大学紀要 (ISSN:13477366)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.13-26, 2010-03

はじめに インドネシア・フィリピンとの経済連携協定(EPA)による看護師・介護士を目指す外国人の来日で、看護・介護分野と日本語教育との連携の必要性が認識され始め、介護のための日本語の教科書や補助教材が作成されてきている。本学には、日本の大学に進学するための日本語を学ぶ留学生別科と介護士を養成する人間福祉学科があり、人間福祉学科では今年度から留学生も受け入れることになった。しかし、山形で外国人介護士の教育を行う場合、上記のような教材を利用しても、特に地域語を話す介護保険施設利用者(以下利用者)との会話などは簡単ではないと予想されることから、両学科の教員が連携して、介護のための地域語教材を開発することになった。実際には外国人介護士に対してどのような日本語が話されることになるのかを調査するために、まず利用者と留学生の実際の会話を録音し、その録音資料を基に、どのような方言が使用され、それらは外国人にどのように聞こえ、どのように理解されているかをみることにした。
著者
後藤 典子
出版者
日本サイトメトリー学会
雑誌
サイトメトリーリサーチ (ISSN:09166920)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.17-22, 2023-04-17 (Released:2023-04-17)
参考文献数
16

Breast cancer incidence has increased significantly worldwide, and in Japan, one out of every nine women may experience this disease during their lifetime. Despite recent advances in diagnostic and therapeutic strategies, some patients experience relapse several years after treatment and have a poor prognosis. Therefore, it is essential to develop effective treatment strategies to prevent relapse. Recent evidence suggests that subpopulations of cancer stem cells are highly resistant to chemotherapy and radiotherapy, allowing them to survive after treatment. These cancer stem cells were fi rst discovered in breast cancer in 2003. Scientists around the world have made efforts to elucidate the molecular mechanisms of these cells, and it is now believed that they survive in a “cancer stem cell niche” in the tumor microenvironment, among other cells such as cancer-associated fibroblasts and immune cells, by interacting with multiple cytokines and growth factors. Recent cutting-edge single-cell technologies have allowed for the elucidation of the molecular mechanisms of these therapy-resistant cancer stem cells. These efforts in basic science may pave the way for the development of effective treatment strategies to target these cells and prevent relapse, ultimately leading to a signifi cant improvement in the prognosis of breast cancer patients.
著者
山本 篤志 後藤 典子 神吉 晴久 堀川 達弥 錦織 千佳子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.546-550, 2009

71歳,女性。左顔面の有棘細胞癌に対して全摘術を施行した。術後,抗生剤としてセフタジジム(モダシン®)およびクリンダマイシン(ダラシン®)を投与したところ,投与後4日目に背部に無症候性の紅斑が出現した。8日目には全身に拡大し,間擦部には小膿疱が集簇してみられた。同時に38℃台の熱発と著明な乏尿を認め,血液検査では白血球とCRP,BUN,クレアチニン値の上昇を認めた。抗生剤をメロペネム(メロペン®)に変更後3日で熱発と乏尿は改善し,約10日で皮疹は検査所見とともに改善した。DLSTはモダシン®とダラシン®とも陽性であり,パッチテストはダラシン®で陽性であったことから,モダシン®およびダラシン®による急性汎発性発疹性膿疱症(acute generalized exanthenmatous pusutulosis:AGEP)および急性腎障害と診断した。
著者
山本 篤志 後藤 典子 神吉 晴久 堀川 達弥 錦織 千佳子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.546-550, 2009

71歳,女性。左顔面の有棘細胞癌に対して全摘術を施行した。術後,抗生剤としてセフタジジム(モダシン®)およびクリンダマイシン(ダラシン®)を投与したところ,投与後4日目に背部に無症候性の紅斑が出現した。8日目には全身に拡大し,間擦部には小膿疱が集簇してみられた。同時に38℃台の熱発と著明な乏尿を認め,血液検査では白血球とCRP,BUN,クレアチニン値の上昇を認めた。抗生剤をメロペネム(メロペン®)に変更後3日で熱発と乏尿は改善し,約10日で皮疹は検査所見とともに改善した。DLSTはモダシン®とダラシン®とも陽性であり,パッチテストはダラシン®で陽性であったことから,モダシン®およびダラシン®による急性汎発性発疹性膿疱症(acute generalized exanthenmatous pusutulosis:AGEP)および急性腎障害と診断した。
著者
後藤 典子
出版者
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
雑誌
人間文化創成科学論叢 (ISSN:13448013)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.69-77, 2010

由于历史原因,沦陷期的南京国民政府所举办的一系列经济文化政策与中日合作公司的研究并没有彻底研究。"中华电影股份有限公司(1939年创立)"与"中华电影联合股份有限公司(1943年创立)"是在沦陷期的上海创立的所谓"国策电影公司"。它们接受汪精卫国民政府的指导, 从事中国的中南部地区的电影制造、发行和上映的业务。本文将从以下三方面加以论述:(1)当时的社会情况;(2)电影产业政策;(3)文化政策(包括华北和上海的电影检查制度)。
著者
後藤 典子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.42-49, 2015

<p> 本稿は,地方の医療・介護現場で患者や介護施設利用者が使用する方言発話を聞いて,外国人がどう理解するかを調査し,理解の特徴を明らかにしようとするものである。山形の方言発話で,方言が使用されやすく緊急度の高い「痛み」や「排泄」に関わるものを取り上げた。結果,外国人と日本人の方言理解には大きな差が見られた。外国人は大まかな意味のみを理解し,不理解となる特徴は,共通語が予想されにくい形,オノマトペ,日常生活であまり使用されない語彙,方言の語彙や表現だった。日本人には理解されていた身体部位や排泄に関わる語彙に不理解が多く注意を要することなどがわかった。</p>
著者
関口 正之 山崎 正夫 後藤 典子 等々力 節子 萩原 昌司
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 = Food irradiation, Japan (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.14-23, 2007-09-30
被引用文献数
3 1

熱ルミネッセンス(TL)法による照射食品の検知は、欧州でハーブやスパイス、バレイショなどを対象に試験室間共同試験が実施され、分析法としての妥当性が確認されている。TL法は1996年に欧州規格EN1788となり、2001年に改訂され現在に至っている。本研究では、海外旅行者がトルコの空港で購入したスパイス(12種類)を試料として、TL測定を行った。TL比の算出にあたっては、当所で使用している70〜400℃の積算温度範囲の他に、EN1788が推奨するTLD-100素子で設定した積算温度範囲、およびDolomiteから試作した素子で設定した積算温度範囲も採用した。それぞれの積算温度範囲から算出した積算発光量のTL比に与える影響を調べた。TLD-100とSaffronについては、2つの研究機関で発光ピーク温度やTL比を測定し比較した。