著者
原 妃斗美 賀川 昌明
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学情報教育ジャーナル (ISSN:18823661)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.9-13, 2013-03

本研究では、iPad を用いて撮影した動画に対して、動画編集を主とした動画処理ソフトである Adobe Premiere Pro CS3 を用いた投球時間の分析方法を検討することを目的とした。また、投球時間の測定に動画処理ソフトを用いることが有効であるかどうかも検討した。その結果、動画処理ソフトは、より細かくコマ送り再生が可能となり投球動作中の小さな動きを把握するには適していた。また、投球時間については、ストライク時の投球時間とそうでない時の投球時間に各選手特徴が現れていた。これらの結果から、投球するタイミングやスピードなどボールを投球する際に選手のベストパフォーマンスの状態で一定にすることができるようになれば、投球結果に反映されてくることが推測された。
著者
松浦 直己 橋本 俊顕
出版者
鳴門教育大学高度情報研究教育センター
雑誌
鳴門教育大学情報教育ジャーナル (ISSN:13491016)
巻号頁・発行日
no.4, pp.29-40, 2007-03-30
被引用文献数
1

本研究の目的は女子少年院在院生における,発達的問題性の深刻度,及び逆境的児童期体験の累積度の相互作用を明らかにすることにある。女子少年院において,在院生の発達的特性や逆境的小児期体験が調査され,各要因間の相関が評価された。少年院群は少年院に平成18年7月時点で入院していた少年70名である。調査の一部について,一般の高校生404名を対照群とした。少年院群には,LD,AD/HDスクリーニングテストとACE (Adverse Childhood Experiences)質問紙による調査を行い,対照群には後者のみを実施した。LD,AD/HDスクリーニングテストの結果,少年院群の5割以上に発達的問題性が見出された。ACE質問紙の結果,少年院群における深刻な逆境的児童期体験の割合は対照群を大きく上回ることが明らかとなった。国立情報学研究所『研究紀要公開支援事業』により電子化。
著者
中野 康一
出版者
鳴門教育大学情報基盤センター
雑誌
鳴門教育大学情報教育ジャーナル (ISSN:18823661)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-6, 2015-03

「道徳の時間」に、その特質を満たしながら、情報教育として規範意識を育成する授業の困難さの原因を探るべく、情報モラル教育のカリキュラムにおける規範意識の概念及び、公開教材「"ウチら"のルールとわが家のルール」を、具体的に検討したところ、道徳の特質を踏まえた場合、十分に規範意識の育成が行えないことが明らかになった。『学習指導要領』と『生徒指導提要』では、「規範意識」は「きまりを守る」ものでしかなく、その原因は学校教育法にあった。実社会の規範以上に、ネット社会の規範は完結したものではなく、日々つくられていくものであるから、単に「きまりを守る」という態度では、実社会に適応する以上に、ネット社会への適応は難しい。情報教育において規範意識を育成する際には、きまりをつくる視点が重要である。
著者
三宮 真智子
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学情報教育ジャーナル (ISSN:18823661)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-28, 2009-03

教職大学院に在席する教師を対象とした「コミュニケーション・マネジメント演習」において,説明に対するメタ認知能力を高めるための教材として「不完全な説明」教材を導入した。「不完全な説明」問題に対する現職教師30名の解答を分析した結果,次の2点が明らかになった:1)教師と言えどもこうした説明の不完全さへの気づきは必ずしも十分ではない,2)「不完全な説明」の中でも,必要な情報の欠落や表現の曖昧さ(多義性)に気づくことが困難である。教師が生徒の批判的読解力を伸ばす指導を行うための前提として,説明に対するメタ認知能力を高める効果的な取り組みが教師教育において必要と考えられる。そのためには,「不完全な説明」を教材として用い,説明の不完全さを指摘するといった演習を行うことも1つの方策として考えられる。
著者
谷田 裕之 川上 綾子
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学情報教育ジャーナル (ISSN:13491016)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.29-38, 2006-03-30

Web検索活動を取り入れた調べ学習で見られる課題を克服するために児童間の相互作用に着目し,効果的な検索活動と児童の学びに対してそれが果たす役割をまず検討した。次に,児童間の相互作用を促す手だてを組み入れた総合的な学習の時間の授業設計を行い,その効果を検証した結果,スムーズな検索活動を促す相互作用が活発化し,調べ学習の成果に対してもそれらが有効に働くことが示唆された。また児童ら自身も,自分たちの相互作用がコンピュータ操作の面だけでなくWeb検索の過程にも有用であると認識していることが示された。