- 著者
-
谷川 明男
- 出版者
- Arachnological Society of Japan
- 雑誌
- Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.1, pp.11-85, 1992 (Released:2007-03-29)
- 参考文献数
- 74
- 被引用文献数
-
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ゴミグモ属のクモ類は日本から15種が記録されていたが, 筆者は, 日本各地から得られた多数の標本を検討した結果, 22種の生息を確認した. 従来, 日本でシマゴミグモと呼ばれ, C. insulana (COSTA, 1834) に同定されてきたものには, 2種が混同されていたことが判明した. この2種をヨーロッパ産の C. insulana の標本と照合した結果, いずれも別種であった. 一方, 原記載以来採集記録がなかった C. confusa BÖSENBERG et STRAND, 1906のタイプ標本を検討した結果, いままでシマゴミグモとされてきた2種のうち1種はこれに同定できた. もう1種は新種として記載した. また, ハマゴミグモについては, 従来, C. camelodes (THORELL, 1878) に同定されてきたが, タイプ標本との照合により, 別種であることが判明し, 新種として記載した. さらに, C. atrata BÖSENBERG et STRAND, 1906カラスゴミグモ, C. argenteoalba BÖSENBERG et STRAND, 1906ギンメッキゴミグモ, C. ginnaga YAGINUMA, 1959ギンナガゴミグモのそれぞれに混同されていたと思われる近似の別種など8種を新種として記載した. 一方, S. SAITO (1939) によって青森県から記録された C. conica (PALLAS, 1772) コゴミグモについては, S. SAITO (1939) が同定した標本の保管場所が不明で検討できないことと, 今回検討した多くの標本の中にそれと同定できるものが全く見いだせなかったことから, 本論では扱わなかった.本論で扱った22種の種名は次のとおりである. C. octotuberculata KARSCH, 1878 ゴミグモ, C. laticauda BÖSENBERG et STRAND, 1906キジロゴミグモ, C. monticola BÖSENBERG et STRAND, 1906ヤマゴミグモ, C. angusta sp. nov. ヤセゴミグモ (新称), C. onoi sp. nov. オノゴミグモ (新称), C. omonaga sp. nov. シマゴミグモ, C. confusa BÖSENBERG et STRAND, 1906ミナミノシマゴミグモ (新称), C. japonica BÖSENBERG et STRAND, 1906ヤマトゴミグモ, C. norihisai sp. nov. オガサワラゴミグモ (新称), C. atrata BÖSENBERG et STRAND, 1906カラスゴミグモ, C. hamulata sp. nov. カギヅメカラスゴミグモ (新称), C. maritima sp. nov. ハマゴミグモ, C. psylla (THORELL, 1892) ヒメマルゴミグモ, C. mulmeinensis (THORELL, 1887) トゲゴミグモ, C. vallata KEYSERLING, 1886 マルゴミグモ, C. sachikoae sp. nov. ミツカドゴミグモ (新称), C. alba sp. nov. シロゴミグモ (新称), C. argenteoalba BÖSENBERG et STRAND, 1906 ギンメッキゴミグモ, C. okumae sp. nov. オオクマギンメッキゴミグモ (新称), C. ginnaga YAGINUMA, 1959ギンナガゴミグモ, C. kumadai sp. nov. クマダギンナガゴミグモ (新称), C. sedeculata BÖSENBERG et STRAND, 1906ヨツデゴミグモ.