著者
田中 幸一
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.91-101, 1992 (Released:2007-03-29)
参考文献数
34
被引用文献数
6 5

名古屋市におけるクサグモの生活史を調査した. クサグモは年1世代であった. 1齢幼体は3月下旬から4月上旬に卵嚢から出現し, 成体になるまでに6回の脱皮を行った. 雌雄は同時期に成体になり, 産卵は8月中下旬にみられた. ほとんどの網は, ヒサカキ, ネズミモチ, ツゲなど硬く小さい葉が密生した木に造られた. 雌当たり産卵数は, 雌の体サイズ, 特に産卵直前の体重と正の相関があった. クモの体サイズと産卵数を2つの生息地すなわち開けた場所と雑木林の間で比較した. 開けた場所の成体のサイズおよび産卵数は, 雑木林の個体に比べて有意に小さかった. これは, 開けた場所の生息地では餌供給が制限されているためであると考えられた.
著者
田中 幸一 浜崎 健児 松本 公吉 鎌田 輝志
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.189-199, 2013-10-05 (Released:2018-09-21)

鯉淵学園農業栄養専門学校構内(茨城県水戸市)において2004年に,水生生物の生息地を提供することを目的として,水路および池から成る面積1,500m^2のビオトープが造成された.このビオトープの生物の生息地としての機能を評価するため,2006〜2011年に,トンボ目成虫および水面・水中の水生昆虫(コウチュウ目およびカメムシ目,トンボ目幼虫)の調査を行った.トンボ目成虫は合計9科31種,水面・水中の水生昆虫は少なくとも41種が確認され,本ビオトープが水生昆虫の生息地として好適な環境であると考えられた.トンボ目成虫,水面・水中の水生昆虫の種数は,2007年までは増加したが,2008年には減少した.この減少の原因として,池や水路の底に泥が堆積し水生昆虫にとっての生息環境が悪化したことが考えられたため,浚渫を行った.浚渫後には,トンボ目成虫および水生昆虫の種数は回復した.これらの結果から,ビオトープ造成後の水生昆虫種数の変化とその要因およびビオトープの管理について考察した.
著者
田中 幸一 山下 裕一 高地 俊郎 平野 忠 白日 高歩
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.2196-2199, 2000-08-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
27
被引用文献数
3 3

自験例は, 60歳,女性. 1996年8月30日左腰背部膨隆を主訴として当院を受診した.左腰背部に大きさ8×7cmの柔らかく圧痛のない腫瘤を認めた.腹部超音波, CTおよびMRI検査により上腰ヘルニアと診断した.手術所見では,直径2.5cmの腹横筋腱膜の断裂がヘルニア門となっており腎周囲の後腹膜脂肪の脱出を認めた.術式は周囲組織が脆弱であったため,ヘルニア門を閉鎖した後Marlex Mesh®を縫着して補強した. 1999年現在まで再発をみとめていない. 上腰ヘルニアを臨床において経験することは稀であり,本邦では自験例を含めて37例の報告がある.その診断は理学的所見から容易であったが,超音波, CT, MRI検査がヘルニアの内容,周囲との関係を知るうえで有用であった.発見された時点で症例に応じた外科的修復を行うことを原則としてよい.
著者
竹本 卓 竹中 康晴 皆川 勉 小泉 友弘 牛島 康之 柳田 直昭 小原 靖生 田中 幸一 藤田 康彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.366, pp.1-6, 2004-10-15

3.5Mpolygon/secの3DCGエンジン、15fps@QVGAのMPEG4 codecエンジン、最大2MpixelのJPEGエンジン、カメラI/F、SDカードI/F、LCD I/F、および20MbitのDRAMをIchipに集積した携帯機器向けメディアプロセッサT4Gの開発について述べる。3DCGエンジンは東芝のコンフィギュアラブルプロセッサMePを応用することにより実現されている。DRAMを内蔵したことにより、3Dエンジンとメモリ間のバンド幅は2Gbyte/secに達する。このチップでは、0.13um CMOS DRAM混載プロセスを使用し、20Mtransistorのロジックと20MbitのDRAMを集積した。3DCG処理時の最大消費電力は170mWである。
著者
竹本 卓 竹中 康晴 皆川 勉 小泉 友弘 牛島 康之 柳田 直昭 小原 靖生 田中 幸一 藤田 康彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.102, pp.75-80, 2004-10-22
被引用文献数
2

3.5Mpolygon/secの3DCGエンジン、15fps@QVGAのMPEG4 codecエンジン、最大2MpixelのJPEGエンジン、カメラI/F、SDカードI/F、LCD I/F、および20MbitのDRAMを1chipに集積した携帯機器向けメディアプロセッサT4Gの開発について述べる。3DCGエンジンは東芝のコンフィギュアラブルプロセッサMePを応用することにより実現されている。DRAMを内蔵したことにより、3Dエンジンとメモリ間のバンド幅は2GByte/secに達する。このチップでは、0.13um CMOS DRAM混載プロセスを使用し、20Mtransistorのロジックと20MbitのDRAMを集積した。3DCG処理時の最大消費電力は170mWである。A media processor named T4G is described. T4G integrates 3.5M polygon/sec 3D Graphic engine, 15fps@QVGA MPEG4 engine, 2M pixel JPEG engine and 20Mbit DRAM into a single chip. It also provides several peripheral interfaces such as Camera I/F and LCDC. The 3D graphics engine was designed based on a Toshiba's configurable processor MeP (Media embedded Processor). Using eDRAM, the bandwidth between the 3D engine and the frame buffer reaches 2GByte/sec. This chip is fabricated using 0.13um CMOS technology and consumes maximum 170mW during 3D graphics operation.