著者
桜井 淳
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.569, pp.105-108, 2002-02

事故が起きたのは,中部電力浜岡原子力発電所1号機(沸騰水型,出力54万kW)の非常用炉心冷却系の高圧注入系(HPCI)と呼ぶところ。詳しくは後述するが,非常時に炉心を冷やす安全システムの一部である。これがきちんと作動するかどうかを見極める「作動確認試験」の真っ最中に,蒸気が通る配管の一部が破断した。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.581, pp.49-53, 2003-02

マツダのスポーツカー「RX-8」。日産自動車の「フェアレディZ」が「すべて人間のために」を出発点に開発したのに対し,「すべてロータリーエンジンを生かすために」が原点だ。そのため,高回転型のエンジン,操縦性至上のサスペンションなど,気持ちが良いほど「過激」な設計思想が見える。バランスよりも一点突破。「4ドア」にだまされてはいけない—結構すごい。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.585, pp.46-48, 2003-06

「日産の再建は現実のものとなった。3年前,当社は凋ちょう落らくに歯止めがかかっていなかった。それが今では,グローバル競争にカムバックを果たしただけでなく,ペースメーカーの役割も果たしている」──。 2003年4月23日,2002年度(2003年3月期)の連結決算発表の席上,日産自動車社長兼CEOのCarlos Ghosn氏は,威風堂々と同社の復活と成長ぶりを説明した。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.572, pp.51-56, 2002-05

「パンクは時間も場所も選ばずに襲う。でも,パンクしても一定の距離を走れるタイヤ『ランフラットタイヤ』を履いていれば,夜間だろうが豪雨だろうが,はたまたクルマがビュンビュン走る危険な高速道路だろうが,タイヤ交換の作業は一切なくなる」。 こんな具合に,ランフラットタイヤのメリットはとかくドライバー向けに強調される。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.569, pp.70-74, 2002-02

逆風にめげず,家庭用ゲーム機が元気だ。中でも成長株は,一昨年登場し市場規模を急拡大する,体を動かして遊ぶ「体感アクションゲーム」。人気の秘密は「プレイステーション2」や「ゲームキューブ」にはない「分かりやすさ」と「価格の手ごろさ」,さらには体感という新しい「楽しさ」を提供したことだ。
著者
沢 俊行
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.586, pp.128-131, 2003-07

2001年5月6日午後5時過ぎ。山梨県にある遊園地「富士急ハイランド」で突然,悲鳴が夕闇を切り裂いた。悲鳴の先は「フライングコースターバードメン」。2人ずつ腹ばいになってゴンドラに乗車し,全長440m強のコースを鳥のように駆け抜けるアトラクションだ。上にある軌道から前後2点でつり下げた,ゴンドラの一つの前部が落下。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.569, pp.57-62, 2002-02

「銀メダルは堅い。ひょっとしたら金メダルも」と期待されるのは,スキーモーグルの上村愛子選手だ(図1)。2000〜2001年ワールドカップは堂々の総合2位。そんな彼女の最大の武器は「世界でも3本の指に入る」といわれる高度なテクニックだ。
著者
遠藤 健治
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.591, pp.114-117, 2003-12

中国の企業は売り込みに熱心だ。問題なのは,そのために事実をねじ曲げてしまうケースがあること。名刺交換しただけの日本企業から技術指導を受けていることにしてしまったり,一緒に写真を撮っただけなのに技術提携していることになったり…。ところが,これほど売り込みには熱心なのに,おカネを払った途端に態度が豹変,アフターサービスを頼んでも知らん顔ということも。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.586, pp.136-139, 2003-07

そうした中,マニアの声に耳を傾けることによって生まれたヒット製品を見ていただこう。 2002年暮れの発売以来,フル生産を続けている模型のヘリコプターがある。ヒロボーが開発した「X.B.Rラマ」(図1)。コードをつないだまま室内で飛ばす電動ヘリだ。 ヒットの秘密は同軸反転式のロータ。何しろ操作が楽だ。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.589, pp.59-66, 2003-10

2003年9月13日から21日まで一般公開された第60回フランクフルト国際モーターショー(正式名称は60th International Motor Show Passenger cars 2003)。2002年3月,2003年3月のジュネーブモーターショーや,2002年9月のパリモーターショーと比べて様変わりしたのが,ミニバンが主役の座を降りたことだ。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.569, pp.45-50, 2002-02

東芝と松下電器産業が,水面下で繰り広げた先陣争い。それをタッチの差で制し「国内初」の称号を手にしたのは東芝だった—。 それは,炭化水素であるイソブタン(CH(CH3)3)を冷媒に使うノンフロン冷蔵庫の発売日を巡めぐる競争だ。ハイドロフルオロカーボン(HFC-134a)といった現行の代替フロンと比べて,イソブタンは地球温暖化係数が0.23〜0.38%と極めて低い。
著者
莫 邦富
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.593, pp.63-68, 2004-02
被引用文献数
1

2003年12月上旬に,その事件は起きた。事の起こりは,同じ年の 11月下旬に,中国の19の雑誌と11の新聞に掲載された広告である。トヨタ自動車の4輪駆動車「覇道」(日本名「プラド」)と「陸地巡洋艦」(同「ランドクルーザー」)の中国での発売を知らせるその広告の内容は,次のようなものだった。 プラドの走る風景の中に,中華街の獅子舞でおなじみの,獅子が描かれている。
著者
多喜 義彦
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.580, pp.140-142, 2003-01

光る携帯ストラップの開発では,ある部品の値段を1ケタ上げることを提案する。(本誌) 私が開発支援した商品に,「ウルトラマン」やら森永チョコボールの「キョロちゃん」やら,キャラクターがピカッと光る携帯ストラップ(図2)がある。これが,およそ2年間で累計900万個,160億円を売り上げる大ヒットとなった。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.573, pp.107-111, 2002-06

1998年2月21日,東京・浜松町のNASDA本社コントロールルームには,NASDA幹部の面々がずらりと顔をそろえていた。彼らの視線の先にあるのはテレビモニタの画面。そこには,雨の種子島宇宙センターに凛りんと立つH-ロケット5号機が大きく映し出されている。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.578, pp.129-133, 2002-11

1996年,銀座の日産自動車での開発役員会議の席だった。水野和敏は,役員からの容赦ない「口撃」にさらされていた。 そういえば,同じようなことがあったっけ。数年前の記憶がよみがえる。あのときと,何も変わらない。いや,セリフは全く逆だったけど。 それは,水野が市販車部門からレース部門に異動したてのころだった。「ちょっとピット裏のトイレまで来い」。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.580, pp.129-133, 2003-01

新車を出せば必ず受ける質問だ。「6気筒」もそのうちの一つ。だから,ある程度は予期していた。それにしても,今回は多過ぎる。赤い4気筒車を展示するたびに同じ質問の繰り返しなのだ。 「6気筒はいつから?」「6気筒の出力は?」「6気筒のターボは?」。 湯川はZマニアの思いを嫌というほど知らされた。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.579, pp.109-113, 2002-12

会議室での戦いに敗れた日産自動車の水野和敏は,怒りをバネに次なる作戦を考えた。現物を作って,役員を乗せてしまおう。現場に出て現物に触れて現実的に行動する—という「三現主義」を地で行こうというわけだ。 それも秘密裏に作り上げ,突然乗せてしまおうというゲリラ作戦である。大組織を議論だけで動かそうとしてもムリ。やってみせるしかない。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.581, pp.103-107, 2003-02

「昔,デカラケは初心者用だといってるやつがいた。スイートスポットの狭いラケットを使いこなしてこそ上達するというんだ。そいつらはスイートスポットに当てただけで力を使い果たしてしまう。そうでなければ当てただけで満足してしまう。見ろ,今になってみればプロだってみんなデカラケだ」 水野はデカラケのような感触の乗り味を理想にしていた。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.582, pp.105-109, 2003-03

栃木の加藤博義たちにダメを出された設計陣。もはや落ち込んでいる暇すらない。厚木に帰るや,すぐさま設計の見直しに着手する。 車体の床回りを担当する越川誉章もその一人。「あそこがダメなのか」。彼には,思い当たる部品が幾つかあった。その設計を変更するなら,それこそ一刻の猶予もない。何しろ,発売は半年後なのだから。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.568, pp.49-54, 2002-01

持てるものはそれを磨き,持たざるものは強者と組み,成長市場でのシェア拡大を目指す。 「とにかくすごい競争。でも一番怖いのは松下さん」。多くのデジタルカメラメーカーが,そう漏らす。 「怖い」理由は,二つある。一つは,家電の雄と呼ばれる松下電器産業が本気で同分野に再参入してきたこと。