出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.592, pp.49-54, 2004-01

2004年の現代,HDD(ハードディスク装置)を内蔵したハイブリッドレコーダに録画した番組を見るには,十字型コントローラの複雑な操作が不可欠だ。一方2054年を描いた映画「マイノリティ・リポート」の中で,トム・クルーズ演じる主人公は身振り手振りのジェスチャーで映像を思いのままに再生する。50年も先の話かと思っていたら,家電業界では映画そのままの技術の研究が進んでいた。
著者
遠藤 健治
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.593, pp.128-131, 2004-02

日本企業の冠がついた中国の現地企業に日本企業の社員は安心感を覚える。その親会社である日本企業と同等の高い信頼性を期待できると思うからだ。ところが,そうした思い込みが間違いのもと。多くの日系企業は現地採用の従業員を抱え,商習慣もその国のままだ。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.573, pp.47-53, 2002-06

国土交通省は2002年4月5日,乗用車の安全性能に関する評価試験の結果である「平成13年度自動車アセスメント」を公表した。 今年度,衝突試験の対象となったのは7社26車種。そのうち,日産自動車のスポーツセダン「スカイライン」とトヨタ自動車の高級セダン「ウィンダム」,ミニバン「イプサム」が運転席,助手席ともに最高評価の六つ星を獲得した(図1)。
著者
多喜 義彦
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.581, pp.114-117, 2003-02

「鉄製の熱交換器」というとんでもない製品がある(図1)。「熱交換器といえば銅かアルミでしょ」という工学の常識からは大きく懸け離れている。意外なことにこれが受けた。制御盤を冷やす熱交換器の分野でシェアを急速に伸ばしている。 作ったのは私の顧問先,仮にM工業さんとしておこう。もともとは自動車のブレーキ配管を作るメーカーだ。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.584, pp.21-24, 2003-05

「うーん高過ぎる。とても買えない」。こうつぶやきながら出てくる人たち。鉄腕アトムの誕生日である2003年4月7日を目前に開催したパーソナルロボットの展示会「ROBODEX2003」会場での光景だ(図1,2)。いや,否定的な意味ではない。前回の「ROBODEX2002」まで,人間の手伝いができる水準のロボットは非売品,見るものであって買うものではなかった。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.583, pp.142-144, 2003-04

私のところにもいろいろと話を持ち込んでくる人がいる。特に「すごいんですよ」って言われて行くと,すごかったことがない。ご本人がすごい,あるいはその周辺がすごいと思っているときに限って,行ってみると何か「そんなこと知らなかったんですか。常識でしょう」なんて話が結構ある。私はがっかりして帰ってくる。
著者
荻原 博之 富岡 恒憲
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.581, pp.67-89, 2003-02

このところなぜか,女性が深く関与した商品のヒットが目に付く。パナソニックコミュニケーションズのファクス「WiLL FAX」,三菱自動車工業のスモールカー「コルト」,NECのカメラ付き携帯電話機「N504iS」…。すべて生活という視点から発想した新たなコンセプトで,消費者の評価を勝ち得た商品だ。その発想に,女性スタッフが大きな力を発揮した。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.580, pp.50-54, 2003-01

「だっこちゃん」「リカちゃん」「チョロQ」など人気玩具を世に送り出したタカラ(図1)。 1999年度には赤字に転落したものの,その後は右肩上がりで業績を回復させてきた。2001年度,連結で売上高660億円,純利益59億円と過去最高益を達成。2002年度には,さらにその上を行く売上高800億円を見込んでいる(図2)。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.572, pp.15-19, 2002-05

日本発,世界で唯一のパーソナルロボット展「ROBODEX2002」が2002年3月末に開催された。約1年半ぶりの第2回。集客数6万6264,報道陣数1000以上。大盛況のうちに幕を閉じた。華やかなデザインをまとったロボットが目を引き,新しい2足歩行ロボットも登場した。だが,今回の展示会の「主役」は,ソニーの人間形ロボット「SDR-4X」。人気も技術も他を圧倒していた。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.588, pp.115-119, 2003-09

「どうしてもパフォーマンスロッドは付けなきゃならん。お前だって分かるじゃろ」 シャシー開発の小田昌司は,パッケージ開発の任田功に迫った。パフォーマンスロッドとは車体後端部の左右のサイドメンバを結合する補強材である。 「そうは言うけど,今最優先でやらんといかんのは燃費ですよ。そのために,こっちは1gでも軽くしようと努力してるんです。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.583, pp.131-135, 2003-04

田所朝雄,24歳。造船所に勤務する技術者である。今日は東洋工業の入社試験日。そういえば,部下の強引な誘いに,ついつい首を縦に振ってしまったような記憶が…。それが今日か。 その後社名をマツダに変えることになる東洋工業は,当時3輪自動車の生産を中心とする小さな自動車メーカーにすぎなかった。
著者
丹治 和男
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.591, pp.51-58, 2003-12

中国の自動車市場は急激な成長を見せ,今や世界中の自動車関連企業の注目を集めている。2002年には商用車と乗用車を合わせた年間販売台数が米国,日本,ドイツに次いで世界4位に躍進するなど,ここしばらくその勢いは止まりそうにない。実は,こうした新車販売の拡大に伴い,一つの市場が大きく立ち上がろうとしている。
著者
岡村 暁生
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.586, pp.51-56, 2003-07

1990年代後半,欧米ではテレマティクスが自動車メーカーの重要な戦略の一つになった。将来の自動車会社の屋台骨を支えるビジネスになるという期待が広がった(図1)。米国では1996年に米Ford社がRESCU*1 のサービスを開始した。次いで1997年には米GM社,DaimlerChrysler社,ドイツBMW社が相次いでサービスを開始し,テレマティクスの競争が始まった。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.585, pp.49-55, 2003-06

2003年4月25日の金曜日,同社の株はストップ安を記録。前日に3720円だった株価は,500円安の3220円に落ちた。週が明けた28日の月曜日,同社の株は再度ストップ安に陥り,株価は2720円を付ける。わずか2日(2営業日)で,ソニーの株は1000円もの価値を失ったわけだ。 さらに,問題は周囲へと波及していく。ソニーは日本では数少ない「勝ち組」と称される優良メーカーだ。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.571, pp.129-133, 2002-04

販売店に向けた新型車の内覧会は,大盛況のうちに幕を閉じる。フィットの開発を指揮する松本宜之たちは,その興奮を抱きつつ夜の街に飛び出していった。 だが,その好評ぶりはいささか度が過ぎていたのかもしれない。松本たちの志気を鼓舞したばかりでなく,意外な人までも動かしてしまったのだから。内覧会に参加していた吉野浩行社長その人である。 これはイケる。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.589, pp.45-52, 2003-10

「これまでの『プリウス』は,同クラスの車に比べて価格が高いことや,走りの面で劣ることに対して,『ハイブリッド車だから—』という言い訳が付きまとった。こんどのプリウスはこうした言い訳なしに,普通の消費者に選んでもらえるクルマにしたかった」(記者発表会場の説明員)。 新型プリウス(図1)に懸けるトヨタ自動車の思いを,この言葉が象徴している。
著者
遠藤 健治
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.587, pp.117-120, 2003-08

中国の常識は日本の非常識。この言葉がピッタリなのが,中国の商習慣だ。「本物だよ」と言われて買ったテレビはニセモノ。それに文句を言うと,開き直って本物との差額を要求される。売り手がそうなら,買い手も負けてない。自社工場で不良が出れば,すべて部品メーカーのせいにする。時間稼ぎに逃げ回り,揚げ句の果てに代金を踏み倒す。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.591, pp.81-85, 2003-12

家庭用燃料電池コージェネレーションには現在20社近いメーカーが参入している。2010年に40万台,1800億円というのは確かに巨大な市場だが,20社で分け合うとすればそれほど大きな規模ではない。お互いに似たような製品を作れば,価格のたたき合い,そして過当競争になることは目に見えている。誰も利益を出せないという家電の典型的パターンである。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.570, pp.82-86, 2002-03

指紋認証には大きな弱点がある。それを採られる人が感じる抵抗感だ。人は逮捕されれば指紋を採られる。前科者の証だ。それと同じことをするのは何となくイヤ。指紋は生活していればベタベタ残るものだから,どこで照合されるか分からない。 自分の携帯電話,パソコンといった"閉じた"システムなら問題はない。指紋データは手元の機器から出ていかないからだ。
著者
松浦 晋也
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル (ISSN:13486314)
巻号頁・発行日
no.592, pp.122-125, 2004-01

2003年11月29日午後1時33分,宇宙航空研究開発機構(JAXA)はH-Aロケット6号機を鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げた(図1)。ロケット先端に搭載されていたのは情報収集衛星(IGS)の第2弾。IGSは,光を使って地表を監視する光学衛星(IGS-O)とレーダを使って夜間の監視もできるレーダ衛星(IGS-R)が1組となっている。