著者
中森 泰三 一澤 圭 田村 浩志
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.43-82, 2014-11-14 (Released:2017-07-20)

日本産ミズトビムシ科およびムラサキトビムシ科の種を同定するための形質を示した.ミズトビムシ科は1属1種からなる.ムラサキトビムシ科の9属42種については図解検索表を示した.識別の指標となる主な形質は,小眼の数触角後器および副爪の有無,跳躍器端節の形,毛序である.各種の形態学的特徴をまとめた.
著者
古野 勝久 須摩 靖彦 新島 溪子
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.15-42, 2014-11-14 (Released:2017-07-20)

日本産シロトビムシ科の4亜目14属31種1亜種について,同定に必要な形質について説明するとともに,検索図と形質識別表を示し,種類別の特徴を解説した.識別のための主な形質は体色の有無,体形,跳躍器またはその痕跡の形態,触角第3節感器とPAOの形態および擬小眼の配置などである.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.1-6, 2009-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
9

クマエンマダニ(新称)Eupelops kumaensis sp.n.を熊本県あさぎり町から採集し記載した.翼状突起をつなぐ後体部前縁の突出部が三つ山型であること,肛側毛が2対のみであること,鋏角に2本の長いTragardh's organsをもつこと,そして第IV脚の脛節には感覚毛が存在しないことにより,他の同属種と区別できる.
著者
バイアルトグトホ バダムドルジ 青木 淳一
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.9-12, 2002-02-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
5

山梨県八ヶ岳の亜高山帯針葉樹林中の岩に生じたコケからササラダニ類の1新種が発見され,カネコッヤタマゴダニLiacarus kanekoi sp. n. と命名し,記載した.本種は,桁間毛が短いこと,胴背毛p1が長いこと,縦桁遊離棘の間にある中央突起が幅狭いことなどによって同属の他種から区別される.
著者
丸山 一郎 島野 智之
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.1-8, 2014-08-29 (Released:2017-07-20)

新潟県からSymbioribates属の1新種を採集し,Symbioribates yukiguni sp. nov.(ユキグニフタカタダニ)と命名し記載した.本属はこれまで,熱帯地域及び亜熱帯地域から記録されたが,本種は温帯域から発見された.ユキグニフタカタダニは,Symbioribates papuensis Aoki, 1966及びSymbioribates aokii Karasawa & Behan-Pelletier, 2007に似ているものの,雌雄ともに体長・体幅が両種よりも大きいこと,また,雄は背孔A_3が近接しているが,融合しておらずh_1は背孔の外に位置していること,雌は胴感毛が後体部前縁には完全には覆われておらず,背孔Aa,A_1が他の種に比べて大きく,さらに吻毛(ro)と桁毛(le)が長いことから容易に区別される.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.1-4, 2009-03-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
11

ヒゴミツセンロダニ(新称)Triautogneta higoensis gen.n.,sp.n.を熊本県あさぎり町から採集し記載した.ミツセンロダニ属(新称)には日本産既知種のうち,マサヒトセンロダニA.masahitoi Aoki,1963を新たに編入した.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.17-22, 2001-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
13

アカエゾマツは樺太南端に北限を,そして岩手県早池峰山に南限を持って自生する樹種である.その自生南限地で2000年に土壌動物の調査をする機会を得た.ササラダニ類については,ウズタカダニ科の一新種を採集したので,Platyliodes montanus sspec. nov.(新称ミヤマヒラタウズタカダニ)として記載した.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.11-16, 2004-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
3

愛媛県今治市在のサギソウ自生地として知られる蛇池で採集したヌバタマダニ属(新称)の一新種Tegeocranellus nubatamae spec. nov. ヌバタマササラダニ(新称)を記載した.名称の由来(山本章夫著,1979年,恒和出版'萬葉古今動植正名'P.90)にある様に,沼から採集したこのササラダニは黒っぽく,まるく,そして艶々として見える.
著者
中村 好男
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.15-16, 2001-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
7

岩手県川井村の早池峰山のアカエゾマツ林から採集されたヒメミミズ科Enchytraeidaeに属する1新種について,ハヤチネヒメミミズ(新称)Cognettia hayachinensis sp.nov.と命名し,記載した.本種はCognettia cognettiに似ているが,肥大剛毛がC. cognettiでは1剛毛束に2本あるのに対し,本種では1本であることから,区別される.
著者
田中 真悟 一澤 圭
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.17-20, 2002 (Released:2017-07-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

利尻島および稚内市より,アオフサトビムシ属の1新種が見出され,リシリアオフサトビムシ(新称)Morulodes rishirianus sp.nov.と命名し記載した.本種は,主爪に明瞭な内歯を持ち,腿節の長毛の先端が平たくなっていることにより,同属の他種と区別される.なお,これは本属のアジア地域における初記録である.
著者
平内 好子 青木 淳一
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.17-23, 2003-02-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
11

富山県大山町有峰のシラカンバ林とカラマツ林の落葉落枝層からアミメオニダニ科,アミメオニダニ属の1新種が発見されたので,Nothrus undulatus sp.nov.(アリミネアミメオニダニ)と命名し,記載した.本種は,体が大きいこと,後体部の後方側面が波打ち,後端が突き出ていること,背毛c_1とc_2の長さの差が大きくないことなどによって同属の他種から区別される.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.1-11, 2012-02-29 (Released:2017-07-20)
参考文献数
21

2007年9月8日に宮崎県椎葉村鶴富屋敷周辺の庭の腐葉土から,次に挙げる2種類の新種を採集し,ここに記載した:ツルトミイチモンジダニ(新称)Eremulus tsurutomiensis sp. nov.;ナスカブトダニ(新称)Oribatella nasuorum sp. nov.前者の大きな特徴は後体部前方の肥厚部分の形であり,また後者のそれは吻先と4対の背孔の形である.
著者
坂寄 廣
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.1-7, 2002-02-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
9

長崎県琴海町の森林の落葉土壌層よりツチカニムシ科の2新種が発見されたので,それぞれMundochthonius kiyoshii sp. nov. (イシイカブトツチカニムシ,新称),Allochthonius kinkaiensis sp. nov. (キンカイツチカニムシ,新称)と命名して記載した.前者は,M.japonicusおよびM.minusculusに似るが,腹部背板の毛序式が4-6-6-6-6-6である点でM.japonicusと異なり,2眼あることや触手腿節の長さと幅の比が3.27-3.55である点などでM.minusculusと異なる.後者ほA.tamuraiに似るが,頭胸部の毛序式が10-4-6-2-4,26であること,鋏顎台に7毛が生えていることや触手腿節の長さと幅の比が雄で4.13-4.36,雌で4.03-4.28である点で異なる.
著者
藤川 徳子 冨永 浩
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.9-14, 2014-08-29 (Released:2017-07-20)

熊本県球磨地方で2001年より取り組まれてきた無農薬、無化学肥料、無耕起、二重被覆という土壌圏活用型農地から新種アサギリクモスケダニEremobelba asagiriensis sp.nov.を採集し記載した.桁が長く後方で収斂し、先端から生ずる桁毛の間隔は桁間毛の間隔より狭い、さらに後体部前方部分に存在する横に帯状に伸びる肥厚模様や、基節板毛1b,3a,3b,3c,4aは分岐毛であることなどは特異的であり同属の他種から区別される.
著者
大久保 憲秀
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.1-5, 2002 (Released:2017-07-20)
参考文献数
9

故岸田久吉によってイブリダニと呼ばれていた種には学名Iburidania bipectinataが与えられていたが,これは属名,種名共に不適格名であるので,名古屋市から採集された標本を元に新種として記載し,Epilohmannoides kishidaiと命名した.本イブリダニ属(和名改称)は他に4種が知られており,日本にはヒメイブリダニE. esulcatusも産する.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.1-5, 2014-11-14 (Released:2017-07-20)

鹿児島県知覧町の車道脇の落ち葉よりチランイカダニモドキTokunocepheus chiranensis sp. nov.を採集し記載した.イカダニモドキ科の二番目の種である.既知種イカダニモドキとの違いは,左右の第一脚庇の幅が体幅を越えること,桁状の肥厚部がみられること,体表にひび割れ状の模様がみられること,前体部や腹部の毛が長いこと,脚毛式の違いなどに見られる.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.13-23, 2002-02-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1

岩手県早池峰山アカエゾマツ自生南限地から,コプネダニ属(新称)ミヤマコブネダニ(新称)Cymbaeremaeus silva spec. nov. とキバダニEupterotegaeus armatus AOKI, 1969を,そして白神山地世界遺産地域のブナ林と最上川源流地の開地からヤマシタスッポンダニ Scapheremaeus yamashitai AOKI, 1970を採集したので,新種記載と再記載を行った.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.1-4, 2005-12-21 (Released:2017-07-20)
参考文献数
14

2004年12月に, 高知県春野町にある四国霊場88寺34番札所種間寺境内にあるソテツやスギの根際や鐘楼の石垣周辺の落葉, 腐植そして土壌などを採取した.抽出したササラダ二の中からScapheremaeus tosaensis sp. nov.トサスッポンダニ(新称)を発見し記載した.黒い胴感毛, 突出することのない肩部分, 後体部の周縁部内前部中央の大きく角型の明斑, 後体部後端部の大きな凹み, そしてはめ込み状の形をした脚毛の存在などにより他の同属種から区別できる.同属の既知85種には樹冠部分や1,000m以上の高地や絶壁の蘚苔, 地衣類など, また鳥巣などから発見された場合が多かった.しかし当新種は太平洋の波打ち際から遠くはない海抜約10mほどの土壌表面から採集した事は興味深い.
著者
藤川 徳子
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1-8, 2003-02-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
1

青森県から,Nanhermannia angulata sp. nov.,カドツキノワダニ(新称)とN. triangula FUJIKAWA,1990,トガリツキノワダニが,また岩手県からN. hiemalis sp. nov.,シモヨツキノワダニ(新称)とN. bifurcata FUJIKAWA,1990,エイツキノワダニが,そして両地からN. vernus sp. nov.,サツキツキノワダニ(新称)の5種類を採集し記載した.これらの5種類は一見すると非常によく似ている.しかし,エイツキノワダニとトガリツキノワダニは先端の二分した吻毛によって他の3種類から簡単に見分けることができ,そして前体節部後縁の突起物列の形と胴感盃毛の枝毛のつきかたによって両者を区別できる.他の3種類のうちカドツキノワダニは胴感盃毛の枝毛のつきかたや後体部表面の凹状構造が角型で体は小さいので,他の2種類と見分けられる.残りの2種類は,基節板毛4bと4aの長さの比,生殖門板毛の長さと生殖門板の幅との比,及び第一脚膝節のdとσの長さの比の違いによって区別することができる.
著者
田村 浩志
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.11-14, 2001-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
5

奥羽山脈焼石岳から得られたムラサキトビムシ属フクロムラサキトビ亜属の一新種をHypogastrura (Cerotophysella)ateruii sp. nov.と命名し記載した.この新種は頭部のgenal and occipital areasとTh.II-Abd.IIIの背部に鋸歯のある短い棘状毛を有することで同亜属の他種と容易に区別される.