著者
三浦 悠哉 福田 浩至 大曽根 匡
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.1-17, 2021

近年,FacebookやTwitterなどのSNSや,「食べログ」などといったクチコミサイトの普及に伴い,クチコミの影響力は非常に大きくなってきた.ネガティブなクチコミは「ネット炎上」という事象をもたらし,企業や個人に悪影響を与えている.一方で,ポジティブなクチコミが拡散することで,売上の増加や知名度の向上など,関連する企業や個人に好影響を与える事例も増えている.このような状況において,ネガティブな話題とポジティブな話題の拡散では,拡散期間や拡散規模に違いがあるのではないかと考えた.そこで,本研究では,多くの市民が利用している回転寿司業界を対象に,Twitter上のクチコミを収集し,拡散期間や拡散規模を測定できるトレンド方式を用いて,ネガティブな話題とポジティブな話題における拡散傾向を分析した.
著者
谷合 大 奥野 祥二 内田 智史
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第13回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.a12, 2017 (Released:2019-07-17)

一人の読者の理解力には波があり、一冊の書籍の内容に対しても、その読者が理解し易い部分や理解し難い部分がある事が考えられる。そこで、読者が必要性に合わせ文章の難易度を各節毎に選択し変更できる、新たな形態の電子書籍を我々は提案している。これは、書籍を小分けにし、難易度分けする事で、少しでも書籍の難易度の波を、読者の理解度の波に対して近付けようという試みである。 しかし、この書籍の執筆には、難易度選択のユーザインタフェース設計や小分けした文章の管理等、通常の書籍の執筆よりも大きな負担が、執筆者に生じると予想される。そこで、我々はこの難易度が変化する電子書籍の執筆補助の為の専用エディタの開発を行っており、そのエディタに必要な機能について検証している。
著者
松平 和也
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2, pp.7-4, 2006

今情報システム部門は役割を見失っている。発足以来電算課から情報システム部門へとすくすく育ったが経営環境の急変に付いて行けずに旧来の機能を墨守しているに過ぎない。戦略情報システム子会社ともてはやされて分社したら、数年を経ず電算メーカに売却されてしまったなどという例もある。コストカット対象部門になって久しい。情報の語源は敵情報知からきたという。この語源が示唆することは、この部門の本質的機能は経営者に敵、即ち競争相手および潜在的競合の情報を報告知らせることではなかったか。軍組織ではこの役割は情報参謀と言っていた。CIOはこの参謀達の主任である。本論文ではダブルキャストのCIO制と配下の参謀組織を文字通りSTAFFとして再編成して持つ新しい役割機能を提案するものである。
著者
伊藤 重光
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌 (ISSN:18842135)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.10-19, 2016 (Released:2016-08-03)

情報システム学会のキーワードでもある「人間中心の情報システム 」。情報システムが進歩し、社会の隅々まで浸透する時代となり、技術中心ではなく人間中心の情報システムが求められて来ていることを感じるが、何が人間中心であり、何が人間中心でないのかが判りにくい。システムエンジニアとしてコンサルタントとして、そして経営者として長い間情報システムに携わってきた経験をもとに、人間中心の情報システムにはどんな要件が必要なのかを考えてみた。社会の仕組みそのものを情報システムとして捉える必要が出てきている環境変化の中で、人間中心の情報システムを増やすことに少しでも貢献できれば幸いである。なおこの論文は2015年の情報システム学会第11回全国大会・研究発表大会で発表した論文“人間中心の情報システムの判断基準”[1]を基本とし、事後の評価となりがちな判断基準を要件に改め、さらに事例研究を追加して解説としたものである。
著者
伊藤 重隆
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第8回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.c1-2, 2012 (Released:2020-05-25)

情報システムは現在,多方面に情報技術発展の恩恵もあり配置され活用されている。企業情報システム,公共情報シス テム,産業用機器制御情報システム,電化製品組込情報システム、自動車に組み込まれている制御情報システム,通信 サービス支援情報サービス等,また,最近、著しく利用者が多くなっているインターネット・サービスもこの事例であ る。これらの情報システムが作られる時には,その時点のある目的を持って作成されている。過去に作成された情報 システムについて人間活動の視点から見直し情報システムのあり方を検討する。
著者
川村 丈志
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集 第13回全国大会・研究発表大会論文集 (ISSN:24339318)
巻号頁・発行日
pp.d14, 2017 (Released:2019-07-17)

基礎情報学[1]に於けるHACS/心的システムは, 心理学・精神医学・AI開発領野に適応することで, 哲学に於いて は永遠に破棄されたかにみえても今なお我々/社会とアプリオリに住まい続ける<思考機械/客観世界:二元論> モデルを蕩揺し, さらに<身体行為/環世界:意識の自然[2]>モデルへと, その礎の学際的・実践的転回が可能で あろう.と同時に各学域から共有可能な理論的・事例的接続の磁場も不可欠である. 本研究者は大黒岳彦の「世界身体」[3], 及びフリードリヒ・キットラーの「書き込みのシステム」[4]を, 前者は <身体行為/環世界:基盤>, 後者は<観察者/記述者:機序>, 各概念の触媒としてそこに措定する. さらに意識の萌芽と変遷を学際的に遡り, 別の仕方で, 再プロッティングすることで, 弁証法的に作業仮説が検 証され鍵概念が解像度を高めてレンダリングされる.これらを「新実在論」の磁場[5]で覚醒させることで, 諸概念 は自ずと共鳴し, 訴求力ある<こころ2.0>パラダイムは創発されるであろう.本発表はその概要の素描である.
著者
長谷川 大 安彦 智史 小林 裕 佐久田 博司
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-12, 2015

本論文では,情報伝達効果の高いデジタルサイネージデザインの検討を目的として,自律移動型デジタルサイネージの移動方略における生物らしさが情報伝達効果に及ぼす影響を検証する.実験システムとして,12星座占いによる「今日の運勢」を提示する移動型デジタルサイネージを構築し,生物らしい移動方略として人を追従する動作を実装した.本デジタルサイネージを,生物らしい動作を行う条件(生物条件),機械的な繰り返し動作を行う条件(単調条件),および動作を行わない条件(固定条件)の3条件で比較実験を行った結果,生物条件では固定条件より利用者数が増加する傾向があり,また,生物条件では単調・固定条件と比較して,運勢占いの結果と実際の今日の運勢が一致していたと回答する利用者の割合に増加がみられた.