著者
安彦 智史 長谷川 大 プタシンスキ ミハウ 中村 健二 佐久田 博司
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌 (ISSN:18842135)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.41-58, 2018 (Released:2019-06-04)

プライベートチャットアプリケーションのID 交換を目的とした掲示板 (ID 交換掲示板 において違法・有害な情報を含む書き込みが増加傾向にある. ID 交換掲示板では,多様な隠語表現を用いたやり取りが行われており意図的に崩された日本語が多く含まれるため,従来の手法では有害性評価を行うことが困難である.そこで本研究では,ID交換掲示板における隠語表現を分類し,特に表層的な表記揺れが生じる環境下でも有害性判定を行える手法を検討する.
著者
安彦 智史 加藤 諒 北川 悦司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.535-543, 2020-03-15

近年のインターネット社会では,SNS(Social Networking Service)の利用による薬物売買や児童ポルノ,自殺幇助といった様々なサイバー犯罪が問題視されている.特に薬物売買は,インターネットの匿名性を利用した売買手法について潜在化や巧妙化が進行しており,平成29年では薬物利用による検挙人員の約半数は青少年であった.そのため,厚生労働省では,警察庁と連携し,有害情報をフィルタリングするシステムの導入を促進しているが,検挙人員の低下にはつながっていない.さらに公開型のSNSを中心に,薬物売買を示唆するアカウントが頻繁に作成されているため,個別に対応するだけでは根本的な解決につなげることは難しいという課題がある.そこで,本研究では,特に重要度が高いとされるマイクロブログを対象に,機械学習を用いて薬物売買を行うユーザの自動抽出を試みる.さらに,ユーザ間の関係から,薬物売買に興味があるコミュニティを包括的に把握可能なシステムを開発する.実証実験の結果,薬物売買に関連するユーザを高精度に抽出し,ユーザの有害判定やネットワークの可視化を実現できることを証明した.
著者
兜森 仁志 安彦 智史 長谷川 大 佐久田 博司
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.931-932, 2015-03-17

近年,オンライン講座やe-leaningシステムを利活用した講義などPCを利活用した教育手法が増加している.これらの教育手法を用いた講義は,従来における教員との対面型講義と異なり,受講者がPCと向かい合うため,授業に集中しているか把握しづらいという問題がある. そこで,本研究では集中力と関係が深いとされる瞬きに着目し,ノートPCに付属している低解像度カメラ画像から瞳孔座標の変化量を用いることにより,瞬目数を計測するシステムを提案する.さらに,本システムにより,e-learningシステムを利用中の学習者の瞬きを検出し,集中度との関連を調査する.
著者
長谷川 大 安彦 智史 小林 裕 佐久田 博司
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-12, 2015

本論文では,情報伝達効果の高いデジタルサイネージデザインの検討を目的として,自律移動型デジタルサイネージの移動方略における生物らしさが情報伝達効果に及ぼす影響を検証する.実験システムとして,12星座占いによる「今日の運勢」を提示する移動型デジタルサイネージを構築し,生物らしい移動方略として人を追従する動作を実装した.本デジタルサイネージを,生物らしい動作を行う条件(生物条件),機械的な繰り返し動作を行う条件(単調条件),および動作を行わない条件(固定条件)の3条件で比較実験を行った結果,生物条件では固定条件より利用者数が増加する傾向があり,また,生物条件では単調・固定条件と比較して,運勢占いの結果と実際の今日の運勢が一致していたと回答する利用者の割合に増加がみられた.
著者
安彦 智史 池辺 正典 丸山 広 長谷川 大
雑誌
情報教育シンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.103-108, 2015-08-10

近年の高等教育においては,e-Learning システムは一般的な学習方法の1つとして認識されつつあり,授業等での活 用件数も増加し,広く普及している.そして,e-Learning システムでは,受講者の学習状況を把握するために,教材 の学習回数や閲覧時間等の情報を蓄積する機能が実装されているものが多い.しかし,これらの機能のみでは,受講 者の学習実態を詳細に把握することは困難であり,受講者のより多くの種類の情報を蓄積することが求められてい る.このため,本研究では,e-Learning システムの受講者の学習状況を詳細に把握するための情報を取得することを 目的とする.具体的には,一般的なパソコンに容易に設置が可能な Web カメラを用いて,e-Learning システムの受講 者の顔画像を取得し,画像処理による目領域の特定から視線検出行う.そして,視線情報から教材学習時の注視点を 取得・蓄積することで,学習態度を把握するための方式を検討する.