2 0 0 0 OA 脳と硫化水素

著者
木村 英雄
出版者
日本医療ガス学会
雑誌
Medical Gases (ISSN:24346152)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.40-43, 2017 (Released:2019-09-17)
参考文献数
24
著者
澤口 拓磨 武田 聖司 木村 英雄 田中 忠夫
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.36-49, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

It is desirable that the disaster wastes contaminated by radioactive cesium after the severe accident at the Fukushima Nuclear Plant are reused as much as possible in order to minimize the quantity to be disposed of. Ministry of the Environment showed the policy that the wastes containing cesium of higher concentration than the clearance level (100 Bq/kg) were reusable as materials of construction such as subbase course materials of pavements under controlled condition with measures to lower exposure doses. In this study, in order to provide technical information for making a guideline on the use of contaminated concrete materials recycled from disaster wastes as pavement, doses for workers and the public were estimated, and the reusable concentration of radioactive cesium in the wastes was evaluated. It was shown that the external exposure of the public (children) residing near the completed pavement gave the minimum radiocesium concentration in order to comply with the dose criteria. The recycled concrete materials whose average concentration of cesium lower than 2,700 Bq/kg can be used as the subbase course materials of pavements.
著者
杤山 修 高須 亜紀 池田 孝夫 木村 英雄 佐藤 正知 長崎 晋也 中山 真一 新堀 雄一 古屋 廣高 三頭 聰明 山口 徹治
出版者
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
雑誌
原子力バックエンド研究 (ISSN:18847579)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.3-19, 1998-09-01 (Released:2014-10-01)
参考文献数
44
被引用文献数
3 5

放射性廃棄物の地層処分の安全性評価において,現在用いられている核種移行モデルは主として,固体物質による遅延効果を収着分配係数 Kd を用いて評価している. しかしながら,収着はその機構が未だ十分解明されていない現象であるため,移行モデルに Kd を用いるにあたっては,いくつかの注意が必要となる. このような問題は,収着が固体と水の界面あるいはその近傍で起こる不均一系の反応であることと,核種の移行媒体である地質媒体の物理的性質や化学的性質が一様でないことに起因している. 本論文では,収着は固体と水の界面あるいはその近傍で起こる現象であるという理解のもとに,Kd を用いて記述できる収着現象の範囲について考え,さらに原位置での核種移行の評価に対する Kd による記述の妥当性と適用性について考察した.
著者
木村 英雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.139, no.1, pp.6-8, 2012 (Released:2012-01-10)
参考文献数
20
被引用文献数
9 8

卵の腐敗臭を放つ毒ガスとして知られている硫化水素(H2S)が,生体内で作られることが日本でもようやく知られるようになってきた.Cystathionine β-synthase(CBS),cystathionine γ-lyase(CSE),3-mercaptopyruvate surfurtransferase(3MST)の3つの酵素が脳,肝臓,腎臓,血管,膵島などでH2Sを生産する.そして,神経伝達調節,平滑筋弛緩,細胞保護作用,インスリン分泌調節,抗炎症,血管新生など,H2Sは多様な作用を示す.このうち,細胞保護作用は神経細胞を酸化ストレスから保護する働きを皮切りに,心筋を虚血再還流障害から保護することが見つかり,アメリカではH2Sを冠状動脈バイパス手術に適用する第II相効果試験に入るなど,臨床応用への動きが目覚ましい.H2Sがmonoamine oxidase(MAO)を抑制する作用やミクログリアからのサイトカイン放出を抑制する作用を利用し,レボドパ(L-dopa)にH2Sをゆっくりと放出する構造をもつ化合物が開発され,パーキンソン病モデル動物ではL-dopaより優れた結果が出ている.さらに,H2Sが非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による消化管の炎症を抑えることから,新薬の開発が進んでいる.基礎研究においても今年に入ってから,すでに5つのグループからそれぞれ特色の異なったH2S蛍光プローブが報告されている.これによって,H2Sがどのような時に,いかなる刺激によって放出され,消失していくかをリアルタイムで追跡できることが期待される.
著者
武田 聖司 西村 優基 宗像 雅広 澤口 拓磨 木村 英雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
雑誌
原子力バックエンド研究 (ISSN:18847579)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.23-38, 2012 (Released:2013-02-28)
参考文献数
40

TRU廃棄物の地層処分の安全評価において,多量のセメント系材料を使用した処分施設から溶出する高アルカリ性地下水がバリア機能へ影響を及ぼす可能性があることがとくに懸念されている.そこで,セメント系材料から溶出する高アルカリ性地下水の母岩への影響を,地下水流動場において地球化学と物質移行の連成解析でシミュレートし,TRU廃棄物の地層処分における高アルカリ性領域の拡がりに,二次鉱物の生成の有無がどのように影響するかを検討した.また,母岩の水理特性の影響の解析も実施した. ゼオライトの沈殿に関して,1) 実験での観察により沈殿する可能性がとくに高いと考えられるanalcimeとphillipsite(2種類)のみを考慮した場合や,2) それ以外で沈殿する可能性のある13種類のゼオライト(clinoptilolite(2種類),heulandite,laumontite,mordenite,erionite(2種類),chabazite(2種類),epistilbite,yugawaralite,stilbite,scolecite)も含めた計16種類のゼオライトを考慮した場合では,高アルカリ性領域の拡がりや二次鉱物の沈殿量に関してほぼ同様の結果が得られ,高アルカリ性領域(pH>11)は40 m程度までしか拡がらず,当該領域で0.1Vol.%以上の二次鉱物が沈殿し,いずれのケースでも主にゼオライトとしてはanalcimeとphillipsite,ゼオライト以外としてはsepioliteの沈殿が支配的であった.一方,3) それらのゼオライトの沈殿を考慮しない場合には,二次鉱物の生成量はゼオライトを考慮した場合に比べて少なく,高アルカリ性領域が広範囲に拡がる計算結果となった.このことから,二次鉱物としてゼオライトが生成するか否かが高アルカリ成分の拡がりや二次鉱物の沈殿量に影響することがわかった.また,地下水流速の影響をみるために10倍速い流速を設定した場合では,もとの流速を設定したケースより広範囲に高アルカリ成分が拡がることが示された.これは高アルカリ成分を中和する化学反応が,母岩に含まれる鉱物の溶解反応速度によって制限されているためと考えられた.
著者
内村 圭一 木村 英雄 脇山 慎也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.546-553, 1998-04-25
被引用文献数
29

本研究では, 車両前方の走行環境の認識機能を含めた運転支援システム開発の一環として, 昼間の道路情景カラー画像から規制標識などの円形の道路標識を抽出および認識する手法を提案する.カラー画像における円形道路標識がもつ二つの特徴である.外形が円形, 使用色は赤, 青, 白の3種類, を道路情景カラー画像内から同時に探索するためにクラスタリングを遺伝的アルゴリズムに組み込んだ手法を提案する.また, カラー画像から抽出した領域に対する円形道路標識の認識には, 木構造によって大分類した後に最小逐次検定を用いる.実際の道路情景カラー画像を用いた実験を行い, カラー画像からの複数道路標識の同時抽出および認識が可能であるなど, 提案手法の有効性を確認した.
著者
酒井 隆太郎 宗像 雅広 木村 英雄
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.311-329, 2009 (Released:2012-02-01)
参考文献数
27
被引用文献数
1

広域地下水流動に関する評価手法確立のための調査の一環として、千葉県養老川流域の小流域において、河川流量および観測点付近の河川水、湧水、井戸水の水質、水素・酸素同位体比等の分析を行った。水文学的検討により、地下水流動特性と地質・地質構造との関係を把握し、地化学的検討から、流出域の地下水の起源や流動経路を推定を試みた。この結果、高透水性を持つ砂岩優勢互層(大福山を含む高標高部)で涵養された地下水の大部分は、地層の走向の方向に流動した後、Ca-HCO3(SO4)型地下水として下流域において流出するが、一部は深部まで流動し、Na-HCO3型地下水と混合した後に、低透水性の砂泥互層の亀裂等を通じて下流域において流出する可能性が推定された。