著者
増田 達男
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.45, pp.339-342, 2002-06-23

金沢における伝統的茶屋街のひとつである主計町の歴史地区指定に向けて行った調査結果である。平面型はほぼ一列三段の空間構成であり、一階は前から店の間、茶の間、奥の間が並んでいる。客座敷は二階であり前部と後部に設けられ、中の間で踊りが演じられた。正面意匠装置として最も古いものは繊細なキムスコであり、しかも弁殻が塗られている。白木のものは大正初期の残存建物に認められる。明治以降、ガラスの普及につれて粗格子が採用されるようになった。2階正面を代表する意匠装置は雨戸であるが、古い形式はほとんど残っていない。