著者
宇田川 光弘 木村 建一
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.265, pp.125-132, 1978-03-30
被引用文献数
3

1) 多数室の室温, 除去熱量の計算に壁体の熱伝導を含んだ形で室についての熱平衡式よりなる連立方程式を室温あるいは除去熱量を未知数として解く方法を用いた。この方法では収束計算は不要であり, 室数の次元の連立方程式を解けばよい。また, 熱伝導, 室温変動の計算には後退差分を用いたので計算途中に部材の熱的性質や計算時間間隔の変更が可能であり, 応答係数を用いる方法に比べより広い条件についてのシミュレーションを行なうことができる。2) 室温の計算に必要な連立方程式は対象室数の次元であるため冷暖房システムと室とを組み合わせたシミュレーションにも適用しやすい。この場合, あらかじめ自然室温を計算しておき, 自然室温と除去熱量との関係を用いれば室についての方程式を簡単することができ, シミュレーションの実行上便利である。3) 室温, 除去熱量と外乱との関係をそれぞれの外乱別に表現したが, これを用いて気象条件の室内に及ぼす影響を建築全体について定量的に把握することができる。4) 屋根10cm, 外壁5cmの外断熱を施し, 2重ガラスとしたタウンハウス中間住戸について断熱戸のある場合とない場合の暖房の状態をシミュレートした。断熱戸のない場合でも晴天日は夜間においても南室は暖房が不要であり, 北室でも約500kcal/hの暖房を行なえば室温20℃の設定を保つことができた。また, 断熱戸は負荷を60%程度に減少させ, 室温を0.5〜1.5℃高める効果があることが示された。5) 室内相互ふく射は連立方程式には含まれていないが, 計算精度を高めるためには考慮する必要がある。相互ふく射の扱いは壁体での熱平衡式に線型化したふく射の項を入れれば可能であるが, 各壁面の温度が相互に関連するため室数のみの方程式とするのは困難であり, 方程式が建築全体の壁の総数+室数の次元となる。このため実用的には何らかの簡略化を行なう必要がある。6) 計算時間間隔はここでは1時間としたが, 時間間隔と計算精度との関係を明らかにし, 計算目的, 精度に応じ適切な計算時間間隔を選定する必要があろう。
著者
宮脇 勝 鈴木 将光 増田 公一
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
総合論文誌 (ISSN:13476548)
巻号頁・発行日
no.3, pp.28-29, 2005-02-20

「みなとみらい21事業」は、横浜のウォーターフロントにおける新しい都心づくりである。1965年に当時の飛田市長が発表した六大事業のうち、都心部強化事業の中核的プロジェクトとして位置づけられ、その後1983年から事業展開がされてきた。みなとみらい21は、中央地区、新港地区、横浜駅東口地区の3地区から成っている。上地利用推進と機能的な都市交通アクセスの整備のために、2004年に地下鉄みなとみらい線が開通された。
著者
石井 桂 熊井 安義
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.50, no.618, pp.1117-1124, 1936-10-20
著者
立川 正夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.159, pp.17-24, 89, 1969-05-30
被引用文献数
1

屋上に壁面を組上げ, Re数が10^6台において風圧の測定を行なった。結果は次のように要約出来る。1)水平断面周囲の風圧分布は, 負圧の値はやや小さいが, 迎え角の増大にともなうその変化は, 今までの結果と一致する。上端付近の側面負圧は下より大となることがある。2)台風時の測定で, 突風時において風上面に変動量の大きな正圧を記録した。風上面の風圧は各点間の相関も高く, 構造体に作用する変動風力を考える場合, 背面の負圧に比べてはるかに重要である。3)風上壁面上の風圧変動を, 小さな平板上のそれと比較すると, 高い周波数成分が明らかに少なく, 風上面の風圧変動が, 構造体自身の影響を受けていると思われる結果を得た。4)頂部の一隅にはった平板上で, 迎え角が45°付近のとき, 円錐状渦の発生が認められ, 縁に沿って-3.0をこえる高い負圧の, 間歇的な発生が記録された。
著者
泉 洋輔 三浦 賢治
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.23, pp.91-96, 2006-06-20
被引用文献数
1

In soil-structure interaction problem, dynamic impedance function and foundation input motion (FIM) is fundamental physical properties. We carried out an axisymmetric finite element method (AX-FEM) analysis to verify the accuracy of FIM between "Response and Limit Strength Calculation (RLSC)" and AX-FEM. The acceleration response spectrum (ARS) obtained by RLSC almost envelops those obtained by AX-FEM in the range of the whole periods. Therefore, it can be said that the evaluation of the embedding effect in RLSC is conservative, particularly in a short period range. Also, it is observed that the spectrum at the foundation bed of the free field computed by SHAKE is similar to FIM, but the former response is underestimated in specific period ranges. Furthermore, it is shown that presentation of the numerical tables of transfer function of FIM is useful in practical design through comparison ARS of multi-layered soil model with that of equivalent two-layered soil model by RLSC.
著者
潮見 昭信 櫻井 康宏 増田 達男
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.47, pp.320-323, 2004-07-17

金沢市の中心市街地における近年の戸建建替住宅について、主として駐車スペースとファサードの特徴および平面構成との関係を明らかにしたものである。用いた資料は、採取平面を中心にファサード撮影写真および採取立面図である。結果として駐車スペースの必要性から、建物は総2階建てで、ファサードはデザイン性の乏しいものになり、建物側面にもゆとりはなく、平入の単純な屋根形態を余儀なくされる。また1階プランでは座敷が前部に配置され、その他の居室はせいぜいLDKである関係などが明らかとなった。