著者
西村 文夫 岡崎 邦夫 河野 陽一 小森 一大 野本 直
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.449-454, 1986-07-25
被引用文献数
8

人歯エナメル質と象牙質から小型の円柱状試片を切り出して圧縮試験とマイクロビッカース硬さ試験を行い, 試片の高さ/直径比, 試験速度(応力増加率, 歪増加率), 硬さなどと圧縮特性(比例限, 耐力, 破断強さ, 弾性係数, 縮み)との相関性を検討し, 次のような結論を得た.1.試験片の高さ/直径比はエナメル質や象牙質の圧縮特性に全く影響を与えない.2.試験速度(応力増加率, 歪増加率)は部分的に圧縮特性に影響を与える.3.エナメル質の硬さと圧縮特性との間には強い相関がある.4.象牙質の硬さと耐力との間には正の相関がある.
著者
宮川 行男 赫多 清 川嶋 明
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.9, no.15, pp.59-60, 1990-03-15

熱処理により金属組織の状態が大きく変化することが明らかになっている市販の代表的なlow-gold casting alloyを用いて、熱処理条件および腐食溶液の違いが鏡面状に研磨した合金表面の変色・曇りに及ぼす影響について定量的に調べた。その結果、1.0%NaCl溶液浸漬による変色・曇りは0.1%Na_2S溶液浸漬に比較して非常に少ないこと、また、熱処理条件の違いが変色・曇りに及ぼす影響は有意ではないことが示された。
著者
松家 茂樹 松家 洋子 山本 泰 山根 正次
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.210-219, 332, 1984-12-25
被引用文献数
10 38

酢酸,乳酸,クエン酸および塩酸中におけるグラスアイオノマーセメントの侵食過程を化学分析,SEM観察および赤外吸光分析により検討した。各酸の陰イオンとAl又はCaとの錯体の安定度定数が大きい程あるいは,酸溶液のpHが低い程,Al,Ca,Na,SiおよびFの溶出量が多くなった。SEM観察により,0.01Mクエン酸および塩酸中ではセメントマトリックスが溶解することが分かった。0.01Mクエン酸および塩酸中では,セメント浸漬後に白色沈殿が生成した。その沈殿は,水和ケイ酸質ゲルであることがIRスペクトルによりわかった。