著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 小林 正義 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.7, no.11, pp.187-188, 1988-03-31

砥粒の種類、粒度、および結合度を変えた各種のビトリファイドホィールを試作し、一定重で研削する天秤型の装置を用いてホイールの回転数24, 000rpmで1時間の連続乾式研削を行い、通法により鋳造した13%Cr-Ni合金に対する研削性能とその持続性を調べた。Ni合金の研削にアルミナホィールは不向きであるが、カーボランダムホィールの場合、ある程度の損耗は度外視して比較的大きな力で研削するならば、かなり良好な性能を発揮するホィールを得ることができた。この場合、被削材にホィールを単に押しつけるのではなく、被削材とホィールの間に相対的な動き(被削材の送り)を与えることが重要である。
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 佐々木 俊道 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, pp.79-80, 1985-04-01

Ni-CrやCo-Crなどの非貴金属系合金の研削の困難さは以前からよく知られている。とくに、鋳造用Ni-Cr合金が保険に採用されたことから、この種の合金の研削能率の向上を急ぎはかる必要にせまられている。よって本研究は、難削性合金の研削に適した工具とその研削条件を検討することを目的とする。今回はまず、研削能率を評価するために試作した試験装置について述べるとともに、市販のビトリファイド系アルミナホィール2種とCBN電着ホィールについて試験した結果を報告する。
著者
長山 克也 橋本 弘一 矢部 慶昭 山中 一郎
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.7, no.11, pp.107-108, 1988-03-31

硬質レジン前装冠の臨床応用に際し, リテンションビーズなどの機械的維持装置を付与しないで金属とレジンを接着させることにより, 歯質削除量の減少, 辺縁部の良好な封鎖性, 色調表現の容易さなどを得ることを目的として種々の金属表面処理を行い検討を加えた結果についてはすでに第5, 6回の本学会で報告した^<1, 2)>。今回は新しいレジン前装システムによる金属とレジンとの接着強度について, 種々の試験法を用いてその接着強度を測定し, またサーマルサイクル試験による接着強度の減少傾向について実験を行い, 接着界面の観察を行った結果, 従来の接着システムより良好な結果が得られ, 剪断試験によるNi-Cr合金とセボンドMKVの接着強度は16.4Mpa, Ag-Pd合金とは13.2Mpaの接着強度が得られた。
著者
寺岡 文雄 北原 一慶 木村 博
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.12, no.21, pp.244-245, 1993-03-15

レーザ変位計を用いた非接触法により、臨床に近い状態での模型材の凝結膨張を測定し、凝結膨張率と模型材の寸法精度との関係について検討した。ニューフジロック、インディックダイストーン、ニュープラストーン、モデルマティリアルの凝結膨張率は、それぞれ0.09%、0.10%、0.29%、0.76%であり、各メーカーの値よりも大きくなったが、こらは非接触法による測定法を用いたためだと思われる。
著者
山田 敏元 大桃 スワニ・マスミ ペレイラ パトリシア 猪越 重久 田上 順次
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.15, no.27, pp.170-171, 1996-03-28

リン酸を歯面処理剤として用いるレジンボンディングシステムとセルフエッチングプライマーを歯面処理剤として用いるレジンボンディングシステムのエナメル質-レジンの接合界面のSEM観察を詳細に行ったところ、リン酸を用いるものでは、エナメル質の脱灰が大きく、表層下約20μmに亘ってエナメル小柱中のハイドロキシアパタイト結晶が著しく溶解され、疎な構造を示していた。一方、セルフエッチングプライマーを用いたものでは、エナメル質の脱灰の程度は弱く、アパタイト結晶の溶解も低かった。
著者
今井 弘一 竹田 眞人 北坂 弘行 中村 正明
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.14, no.25, pp.32-33, 1995-03-31
被引用文献数
1

粘膜モデルによる細胞回復度試験法を開発する目的で、粉末状の接着性モノマー4種ならびに液状のMMAとTEGDMAについて、2種の市販モデルを用いて細胞回復させた.また7種の溶媒に各モノマーを溶解させた従来の細胞回復度試験も行った.その結果、市販モデルを用いた方法による細胞回復度試験は可能で、試験したモノマーの細胞回復度を得ることができた.一方、溶媒を用いた従来の細胞回復度試験では変動の大きい細胞回復度であり、培養液に難溶性もしくは不溶性の細胞毒性試験について検討を要することがわかった.
著者
梅村 長生
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.15, no.28, 1996-09-05

21世紀は高度情報社会と言われ、コンピュータネットワークが世界を覆い、急速な変化の時代である。医療界にあっては1970年から始まったMEを中心とする第2次医療技術革新の時代を経て現在は生命科学の革新による第3次技術革新の時代に入っている。こう言った変化の波は、医療のあり方を大きく変えようとしている。その大きな変化は、ネットワーク医療が拡大するのに伴い、情報の共有による医療の質の評価の時代が到来しつつある。医療情報の特殊性を考慮に入れても、高度情報社会の進展は、歯科医学教育をはじめとして歯科医療の新たなワク組の構築とシステム化を推進すると予測される。現在、医療、保健、福祉、または健康の各分野において情報ネットワーク網の整備が各地で図られている。厚生省は、平成6年に厚生省情報化推進本部を、平成7年には医療技術情報推進室を設置し、本格的な情報化推進対策を開始している。情報化に伴う課題については「医療保健福祉サービスの情報化に関する懇談会」の報告書で、システム等での標準化、関連制度の点検費用負担と公約助成、個人情報の保護、情報の活用の促進、研究開発体制の整備充実の6つを挙げている。それに基づいて「情報化実施指針」を策定し、具体的な情報化対策を平成7年より実施に移している。情報ネットワークの分野では、国立病院情報ネットワーク、福祉・保健総合情報ネットワーク、医療情報電子検索システム、健康情報ネットワーク(情報ハイウェイ)が推進されている。医療保健の分野では、電子カルテの開発、レントゲン画像等電子保存の共通規格、介護カードの研究、医療保険証のICカード化の実験等がある。こういった情報化対策は、G7、G11における保険医療情報に関する標準化の動きと呼応して、国際的な情報化実現に向けて着々と準備されている。情報化は、医療機関の機能分担が進む中で、より一層の医療の効率化を図られると予測される。また、情報化は、情報の開示を含め医療の質と患者サービスの向上を国民から求められることになる。従って、我々歯科医師は、インフォームド・コンセントの実践による患者への治療内容の十分な説明が大切である。また、歯科医療の分野にあってもコスト意識を持ち、システムの効率化を図らねばならない。このことを理工学分野の視点からみるならば治療に用いる歯科材料の性質や品質管理等の情報を歯科医師がアクセスできるようなシステム作りを行う必要がある。また、新材料の臨床応用へのデータ集積のためのネットワークを作り、新技術を患者ニーズに合わせ早急に普及させるシステムを作るべきである。
著者
宮原 征人
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.12, no.22, pp.104-105, 1993-08-20

今回、紹介するユニット スペースラインフィール21は、人間の持つ固有感覚に基づき開発されたもので、開発コンセプトは、(1)Top Level Patient Relation Ship (2)Top Level SKill For Treatment (3)Top Level Infection Controlである。その結果、最もシンプルで容易な診療行為を行える新ユニットを開発したので紹介する。
著者
菊井 徹哉 島野 偉礎轄 岡崎 美穂 泉 俊郎 長山 克也
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.14, no.25, pp.110-111, 1995-03-31

試作光重合型硬質レジンの物性ついて、市販の光重合型硬質レジンを対照とし比較検討した。圧縮強さは、6時間37度程度に加温すると圧縮強さが向上し、抗折強さでは、初期値においても試作硬質レジンが上回っていた。接着強さおよび耐久性は、対照に比べやや劣っていたがズズ電析を行わなくても対照に近い値がえられ、技工操作を一段階省略できる可能性が示唆された。また、サーマルサイクルによる接着強さの低下は少なく、一般的に前歯部咀嚼による咬合力を考えると、十分臨床応用が可能であると考えられる。
著者
安斎 碕 吉橋 和江 成川 雅史 廣瀬 英晴 石川 陽一 赤司 幸勇 西山 實
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.13, no.24, pp.120-121, 1994-09-05

ホスファゼンオリゴマー(ポリホスファゼンリニアーモノマー)の合成と合成したオリゴマーをシクロホスファゼンモノマーに配合し, 光重合した場合の重合体の性質について検討した.合成したオリゴマーの分子量は, 6500および8000であった.オリゴマー2種を10〜30wt%シクロホスファゼンモノマー[4PN(TF)_2(EMA)_6]に配合して, 光重合した場合, 機械的性質が良好であった配合量は, いずれも20wt%であった.
著者
宮川 行男 赫多 清 川嶋 明
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械. Special issue, 日本歯科理工学会学術講演会講演集 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.9, no.15, pp.59-60, 1990-03-15

熱処理により金属組織の状態が大きく変化することが明らかになっている市販の代表的なlow-gold casting alloyを用いて、熱処理条件および腐食溶液の違いが鏡面状に研磨した合金表面の変色・曇りに及ぼす影響について定量的に調べた。その結果、1.0%NaCl溶液浸漬による変色・曇りは0.1%Na_2S溶液浸漬に比較して非常に少ないこと、また、熱処理条件の違いが変色・曇りに及ぼす影響は有意ではないことが示された。