著者
松尾 匡
出版者
久留米大学
雑誌
産業経済研究 (ISSN:03897044)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.521-567, 2008-03

産業連関表を用いたコンベンションの経済波及効果の推計には,公共建設の経済波及効果推計などとは異なる固有の困難がある。「買い物」の支出を,商業マージン部分と原価部分に案分して,それぞれ商業部門と当該製造業部門への最終需要としなければならないこと,最終需要を移輸入の含まれるものとそうでないものに分けなければならないことなどである。本稿では,筆者がこれまで行った久留米地域での七つの事例をとりあげ,福岡県産業連関表の34部門表を用いて,経済波及効果推計の手順を詳述する。
著者
大西 良 辻丸 秀策 大岡 由佳 鋤田 みすず 福山 裕夫
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.67-75, 2006-03
被引用文献数
1

本研究の目的は,精神保健福祉現場実習における学生の自己イメージ構造とその変化,さらに自己イメージ形成に影響を与える要因を明らかにすることであった.結果は以下の通りである.実習前の自己イメージとして「社交性」「魅力的」「繊細さ」の3因子が抽出され,実習後では「自主性」「誠実性」「積極性」の3因子が得られた.実習後の3因子は先行研究の精神科医療従事者の自己イメージと酷似しており,学生が実習を経験することで精神科医療従事者の自己理解へと接近していることが明らかとなった.また,ボランティア経験と実習前の「社交性」因子,実習後の「自主性」「誠実性」因子との間で有意な関連性がみられ,ボランティア経験の有無が自己イメージの形成要因になっていることが明らかになった.さらに,教員や友人のサポートが,「自主性」の形成の肯定的要因になっている一方で,有害ストレスが自己イメージの形成の否定的要因であることが明らかとなった.