著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。
著者
南 亮一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.291-297, 2014

2009年および2012年に行われた大規模な著作権法改正のうち,特に図書館の諸活動や学術情報の流通の観点から意義があると思われる,(1)国立国会図書館の所蔵資料の電子化およびその活用(著作権法第31条第2項および第3項の追加),(2)視覚障害者サービス関係(著作権法第37条第3項の改正),(3)インターネット上での著作物等の活用の円滑化関係(権利者不明の場合の利用の円滑化を含め8項目),(4)著作物等の軽微な利用の許容関係(著作権法第30条の2および第30条の3の新設),(5)公文書管理法に基づく著作物等の利用関係(著作権法第42条の3の新設)を取り上げ,改正の経緯や内容について,解説した。
著者
南 亮一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.291-297, 2014

2009年および2012年に行われた大規模な著作権法改正のうち,特に図書館の諸活動や学術情報の流通の観点から意義があると思われる,(1)国立国会図書館の所蔵資料の電子化およびその活用(著作権法第31条第2項および第3項の追加),(2)視覚障害者サービス関係(著作権法第37条第3項の改正),(3)インターネット上での著作物等の活用の円滑化関係(権利者不明の場合の利用の円滑化を含め8項目),(4)著作物等の軽微な利用の許容関係(著作権法第30条の2および第30条の3の新設),(5)公文書管理法に基づく著作物等の利用関係(著作権法第42条の3の新設)を取り上げ,改正の経緯や内容について,解説した。
著者
福島 俊一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.436-445, 2003
被引用文献数
6 2 3

本稿は「Webサーチエンジンの基本技術と最新動向」と題した2部構成論文の後編である。前編ではWebサーチエンジンの背後にある基本的な情報検索技術を解説した。この後編ではWebサーチエンジン技術にかかわる5つの新しい話題を解説する。Googleで一躍有名になったリンク解析の改良・高度化が第1の話題,規模を追求してきた汎用Webサーチエンジンに対する目的特化やユーザ適応/状況適応という発展方向が第2・第3の話題,情報提供側の意図を反映した情報提示手法が第4の話題,サーチエンジン最適化(SEO)というコンサルテーション手法に着目したサーチエンジンスパムの問題が第5の話題である。
著者
最上谷 誠
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.243-250, 2014

リコーイメージング株式会社では,他社特許の評価を技術者と知財担当者が協力して行うのに効率的な特許評価システムの構築を行い,運用することになった。これは,特許調査ツールを利用することにより,管理も含めて互いの進捗状況が見えるシステムである。本稿では,システムの概要と運用面での注意点について報告する。併せて本システムの重要項目の1つである,独自キーワード付与からパテントマップへの応用など,データ活用事例についても報告する。
著者
最上谷 誠
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.243-250, 2014

リコーイメージング株式会社では,他社特許の評価を技術者と知財担当者が協力して行うのに効率的な特許評価システムの構築を行い,運用することになった。これは,特許調査ツールを利用することにより,管理も含めて互いの進捗状況が見えるシステムである。本稿では,システムの概要と運用面での注意点について報告する。併せて本システムの重要項目の1つである,独自キーワード付与からパテントマップへの応用など,データ活用事例についても報告する。
著者
大木 洵人
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.234-242, 2014
被引用文献数
2

本稿では,情報技術を駆使した聴覚障がい者向けサービスを紹介する。日本の聴覚障がい者が直面している社会課題を取り上げ,その解決に情報技術がどのように役立つのかを著者が代表を務めるシュアールグループの事例を中心に説明する。(1)聴覚障がい者や手話に対する理解の低さ,(2)聴覚障がい者と聴者における機会提供の格差,(3)聴覚障がい者に向けたサービスの限界などの社会的背景から,(1)手話通訳者の不足,(2)手話から引く辞典の欠如,(3)手話による娯楽の不足といった社会的課題に直面している。これらの課題を解決するために,シュアールでは,(1)遠隔手話通訳,(2)手話キーボード,(3)手話ガイドアプリ,(4)手話ポッドキャストの4つのサービスを提供している。これらすべてのサービスは近年の情報技術の発展がなければ生まれなかったものであり,まさに情報技術が社会課題の解決に寄与する実例である。
著者
樋口 万季
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.223-233, 2014

2011年11月に開館した千代田区立日比谷図書文化館のねらいと方針をまず提示し,前身の日比谷図書館の歴史と,東京都から千代田区への移管の背景を概観する。次に現在の実践について,特に図書部門の企画サービス活動を中心に,その内容と企画主旨を紹介する。当館は,前身の日比谷図書館を基盤に,ミュージアムやカレッジを組み入れた複合施設として「知の拠点」を目指し,新しい都市型図書館像を具体化しようとしている。さらに指定管理者として民間のノウハウを活用し,積極的な事業展開により区の負担を抑制し,既存の図書館のイメージにとらわれない新しい文化施設を目指している。最後に,21世紀の都市型図書館を考える1つのきっかけとして,当館の成果と今後の課題・展望を提示する。
著者
新井 紀子 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.533-544, 2011

科学技術振興機構が提供してきた研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)と,情報・システム研究機構が提供してきたResearchmapは2011年11月をもって正式統合を果たし,ReaD&Researchmapとして新たなサービスを開始した。本稿では,研究資源・研究情報が各時代のニーズおよび技術の下でどのように収集・利活用されてきたかを概観するとともに,研究資源が発生時点からデジタルであるようなボーンデジタル時代に学術研究情報のエコシステム(循環型情報活用基盤)を今後いかに確立すべきかについて述べる。