著者
新井 紀子 影浦 峡 菅原 真悟 松崎 拓也 犬塚 美輪 尾崎 幸謙 登藤 直弥 藤田 彬
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度の研究推進計画に基づき以下のことを実行した。① 読解力の認知プロセスモデルの精緻化、及び読解力を構成する要素スキルを再検討し、係り受け解析・照応解決・同義文判定・推論・イメージ同定・具体例同定(辞書)・具体例同定(理数)の7タイプの領域のスキルを選定した。4万5千人の受検者を対象として推計したそれぞれの問題タイプの能力値の相関係数は0.4から0.7であり、それぞれ関連した読解力の異なる要素を測ることに成功しているといえる。また、個々のタイプ内の一貫性は0.4から0.6程度であり(0.3以上の場合は妥当)、一貫性がある作問ができているといえる。②申請通り問題を作問し、そのうち約半数の千問については難易度b値の推計を終了し、CATで出題できる準備が完了した。加えて、本申請時に予定していた通り、本テストを社会実装するための一般社団法人「教育のための科学研究所」を発足させ、本科研費において考案した問題の仕様書に基づき、社団においてボランティアを求め追加の作問を実施させた。③②に基づき、CAT版で読解力の能力値をより精度高く推定するためのシステムを考案し、社団法人「教育のための科学研究所」と連携して、社会実装の道筋をつけた。④全国で189の機関において本調査を実施し、4万5千人が受検した。特に、機関として受検した48の高校の読解能力値の平均と学校のいわゆる入試偏差値との相関係数が、すべての読解力要素において、相関係数0.8を上回ったことから、本テストで測る読解力は総合的学力と極めて強い関係があることが示された。本研究成果は認知心理学のトップ会議であるCogSci2017で採択・発表されるとともに、日本教育心理学会の特別セッションとして成果を公開した。また、多数のメディアに取り上げられ、招待講演を受けた。
著者
岩根 秀直 松崎 拓也 穴井 宏和 新井 紀子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

数式処理は浮動小数点計算を用いる数値計算とは異なり 計算機上で誤差の生じない代数計算を実現する. 数式処理により入試数学問題を正確に解くことが実現できる. 本稿では, 入試問題の解法のための数式処理手法の紹介と 言語処理との接合における定式化や計算量などの課題について述べる.
著者
松崎 拓也 横野 光 宮尾 祐介 川添 愛 狩野 芳伸 加納 隼人 佐藤 理史 東中 竜一郎 杉山 弘晃 磯崎 秀樹 菊井 玄一郎 堂坂 浩二 平 博順 南 泰浩 新井 紀子
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.119-159, 2016-01-25 (Released:2016-04-25)
参考文献数
35

「ロボットは東大に入れるか」は,大学入試試験問題を計算機で解くという挑戦を通じ,言語処理を含む AI 諸技術の再統合と,知的情報処理の新たな課題の発見を目指すプロジェクトである.知的能力の測定を第一目的として設計された入試問題は,AI 技術の恰好のベンチマークであるとともに,人間の受験者と機械のエラー傾向を直接比較することが可能である.本稿では,大手予備校主催のセンター試験形式模試を主たる評価データとして,各科目の解答システムのエラーを分析し,高得点へ向けた今後の課題を明らかにするとともに,分野としての言語処理全体における現在の課題を探る.
著者
畑林 一太郎 新井 紀子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.511-515, 2011-12-01
参考文献数
4

学校教育法施行規則等の省令改正を背景に,研究機関毎での研究者総覧構築のニーズが高まっている。研究者向けサイエンス基盤サービスResearchmapには,外部システムに対してデータ提供する機能が用意されている。この機能を利用することで,各研究機関は機関毎の研究者総覧を低コストかつ,短期間で公開することが可能になった。また,研究者は自身の研究活動における情報を高品質でかつ,長期間にわたって安定的に公開することが可能になった。本論文では,同機能を使った研究機関の研究者総覧をクラウド上に構築した際のメリットを提示する。
著者
菅原 真悟 鷲林 潤壱 新井 紀子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.135-146, 2012

児童がサイバー犯罪の加害者となるケースの増加にともない,「情報倫理」や「法の理解や遵守」を習得させるための情報モラル教育の必要性が増している.しかし,著作権のような抽象度が高く日常生活とも関わりが少ない概念を,児童が理解することは難しい.本研究では,このような抽象的な概念を教えるための,効果的・効率的な教授法について分析を行った.情報モラル教育の教授法を(1)教材中心の「教材」型授業,(2)体験中心の「体験」型授業,(3)その両方を行う「両方」型授業の3つに定義・分類し,埼玉県K小学校5・6年生を対象に,3つの教授法による学習効果を比較する実践授業を行った.その結果「両方」型授業は,児童が体験したことを,教材を用いて言語化して理解できるため,抽象的概念を理解させるのに効果的であり,かつ他の教授法と比べて情報化社会に参画しようとする意欲を育む効果があることが示された.
著者
新井 紀子 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.533-544, 2011 (Released:2011-12-01)
参考文献数
18

科学技術振興機構が提供してきた研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)と,情報・システム研究機構が提供してきたResearchmapは2011年11月をもって正式統合を果たし,ReaD&Researchmapとして新たなサービスを開始した。本稿では,研究資源・研究情報が各時代のニーズおよび技術の下でどのように収集・利活用されてきたかを概観するとともに,研究資源が発生時点からデジタルであるようなボーンデジタル時代に学術研究情報のエコシステム(循環型情報活用基盤)を今後いかに確立すべきかについて述べる。
著者
松崎 拓也 岩根 秀直 穴井 宏和 相澤 彰子 新井 紀子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトにおける数学問題への取り組みについて報告する。開発中の解答システムは、問題文の論理表現を接点として、統語・意味理論に基づく言語解析と数式処理システムによる推論とを直接結合したものである。本稿では、システムの概要および実際の試験問題を用いた実験について述べるとともに、さらに多様な解答システムの開発へ向けた基礎資源となる数学問題対訳コーパスについて紹介する。
著者
新井 紀子
出版者
独立行政法人 科学技術振興機構 情報事業本部
巻号頁・発行日
pp.B61, 2003 (Released:2003-11-14)
参考文献数
3

「e-教室」プロジェクトは、新井らが開発を行った「NetCommons」という情報共有ポータルシステムを活用して、研究者·教員らが協力しながら、中高校生とともにインターネット上の学びのコミュニティを創出する試みである。「NetCommons」では、インターネット上で提供されているデジタルコンテンツを、ニーズに応じて、柔軟に活用しながら、テキストと画像を組み合わせて投稿できる掲示板システムを提供している。「e-教室」に参加している学習者は、学習支援者とともにコミュニティを形成しながら、インターネット上の学びの空間を体験する。ここでは、デジタル教材を利用しながらも、既存のシナリオにはとらわれない、自由度の高い総合的な学習を実現している。
著者
新井 紀子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.12-19, 2009

情報・システム研究機構国立情報学研究所では,研究者向けサイエンス2.0基盤サービスResearchmap.jpを公開する。本サービスは研究者に対して,研究ホームページを公開するための領域である「マイポータル」のほか,バーチャルなデスクトップの機能を果たす「マイルーム」,他の研究者と共同研究や委員会活動をするためのコミュニティーを提供する。マイポータルには研究者履歴(Curriculum Vitae)を公開するためのテンプレートのほか,研究ブログ,資料配布用キャビネット,動画配信ツールなどが備えられており,研究者はその中から自分を表現するためのツールを自由にチョイスし,効果的に情報発信を行うことができる。
著者
新井 紀子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.12-19, 2009 (Released:2009-04-01)
参考文献数
8

情報・システム研究機構国立情報学研究所では,研究者向けサイエンス2.0基盤サービスResearchmap.jpを公開する。本サービスは研究者に対して,研究ホームページを公開するための領域である「マイポータル」のほか,バーチャルなデスクトップの機能を果たす「マイルーム」,他の研究者と共同研究や委員会活動をするためのコミュニティーを提供する。マイポータルには研究者履歴(Curriculum Vitae)を公開するためのテンプレートのほか,研究ブログ,資料配布用キャビネット,動画配信ツールなどが備えられており,研究者はその中から自分を表現するためのツールを自由にチョイスし,効果的に情報発信を行うことができる。
著者
粂野 文洋 小濱 裕太 新井 紀子
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.143-145, 2014-08-25

近年の Web サイト構築においては,コスト削減等の効果を狙い,Web に関する様々な機能があらかじめ提供されている Content Management System が利用されるケースが増えている.しかし,非常に多くの CMS が公開されており,その内容も多様であることから,ユーザの要求に合致した効果的な CMS を合理的に選択することは難しい状況となっている.本実践論文では合理的な CMS 選択を支援するためのユーザ・開発企業に共通なソフトウェア特性指標を提案する.本指標は複数の Web サイト構築事例における要求分析を行い,代表的な CMS が持つ品質特性を ISO/IEC25010 の品質特性の項目を参考に整理し,策定したものである.