著者
河合 秀樹
出版者
室蘭工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

固液混相流や固気混相流における最適な攪拌・混合法を見つけることは, 化学装置やバイオリアクタ, あるいは鉄鋼炉の設計等において重要な指針を与える. 本研究では攪拌混合が比較的緩やかなTaylor vortex flow(TVF)に注目し, 微生物などの増殖率の増加効果や濾過装置への応用を視野に入れた流れの解析に主眼をおいた. TVFは単純な装置であり, 乱流へも段階的に遷移する(スペクトル遷移)ため, カオス混合など, せん断力に弱い微生物や細胞の効果的な混合法の開発に大きく発展すると思われるが, 未解明な点も多い.本研究では, アスペクト比が小さく(Γ=3), 上下境界端効果を有するTVFを用いて, その固液混合特性を可視化法, 並びに超音波流速分布計測法を用いて解析した. この結果, 渦モードによってカオス混合への遷移状況が大きく異なり, 渦自身が自励振動する場合や, 渦と渦の界面が振動する場合など, そのメカニズムが大きく異なることが明らかになった.また, このTVF装置を利用した光合成微生物増殖用バイオリアクタを試作し, 培養実験を行った. 光合成微生物が強いせん断流れによって破壊された場合の定量的な検出法を開発し, これを用いてTVFの効果を調べたところ, Re=30,000までの速い流れでも微生物は破壊されることなく順調に増殖した. ただし, Re>60,000では細胞破壊が検出される場合が観察され, 不安定な挙動を示した.
著者
眞境名 達哉
出版者
室蘭工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

平成18年度も主に住宅地における除雪行為とコミュニティ形成との関連に着目し研究を行っている。具体的には札幌市と室蘭市において、除雪車による除雪の実態を道路の等級などの視点において把握を行った。また室蘭市母恋地区においては、狭隘街路における除雪の実態、特に私有地が連担し利用が図られている路地での除雪の実態について観察を行った。そこでは、必ずしもコミュニティ形成の要因は把握できないまでも、除雪行為がなんらか社会心理学的に近所間の心理的な紐帯に寄与している可能性が得られた。また集合住宅など住居集合の型による除雪の違いについても、室蘭市を対象に観察調査を行った(集合住宅4つ、住宅地2カ所)。ここでは集合住宅と戸建て住宅地での除雪方法の違いを調査している。集合住宅地における、ルールと規範については公共系の集合住宅と民間系集合住宅では若干異なることも類推された。これらと平行して、居住地の基本構成要素である寒冷地住宅の文献調査も行った。ここでは東北以北の住宅に焦点を絞り、伝統的な寒冷地住宅のあり方をイヌイットなどの北方狩猟系住宅なども視野に入れ横断的にまとめた。また北海道における高断熱高気密住宅の最新技術あるいは関連法規などまとめを行った。以上の考察結果は現時点ではまとまっていない。今後は室蘭市における集合住宅を対象に補足的な調査を行い、寒冷地における高密居住のあり方について提言的なまとめを行っていく。
著者
成田 幸仁 風間 俊治 山中 将
出版者
室蘭工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

CVTの動力伝達性能向上を目的として,表面粗さ突起の干渉を考慮したレオロジー解析手法により,トラクション油膜のせん断力を高精度に算出する手法を開発した.また,すべりの分担率を考慮することで,動力を無駄なく伝達できる,動力伝達経路の新設計方法を確立した.最後に,シャフトドライブCVT試験機に上記設計手法を適用した.この装置を用いて実験を行い,トルク容量と動力伝達効率を測定することで,提案した設計方法の有効性を明らかにした.
著者
倉重 龍一郎 棚田 一郎
出版者
室蘭工業大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

我々は、平成4年度から3年間にわたり、「動的メディアの援用による階層学習系CAIシステムの開発」と云うテーマで取り組んで来た。ここに、その研究成果を報告する。1.学習者は自然な感覚で個別学習授業が受けられる。学習者は、通常のテレビと同様の動画方式で、録音された教師の肉声を聴きながら自然な感覚で授業を受けられる。2.学習者は自分の学力に合った学習レベルを選択することが可能である。分からない箇所を、学習者がメニューから指示するだけで、本CAIシステムが自動的に多数の動的メディアの中から特定のメディアを選択して頭出しを行う。これにより、本システムは、学習者へ速やかに学習に必要な映像及び音声を提供する。3.学習する技術レベルをはっきり認識させる授業システムである。英会話に例えると、ナチュラルスピードに相当する授業(これをナチュラル技術レベルと呼ぶ)を学習者が受講することにより、現在の自分のレベルが分かり、努力すべき目標をはっきりと認識することが出来る。4.動的メディアの教材が容易に製作・更新できる。覆っている前画面をリビールすることにより、その下にかきこまれていた文章や数式が次第に現れてくるリビール法によって、容易に綺麗な動的教材を製作・更新することが出来る。
著者
丸山 博 亀田 正人
出版者
室蘭工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

渡島半島地域と厚沢部町の住民を対象として、それぞれヒグマに対する意識と行動に関するアンケートとインタビュー調査を行った。その結果、北海道のヒグマ保護管理計画の問題点を指摘するとともに、住民の間にヒグマに関する予防対策を行う余地があることを明らかにした。また、ヒグマの出没や捕獲のデータの分析と現地調査、農林業政策の検証などを通して、厚沢部町固有の予防対策の必要性と可能性を見出した。
著者
蔵本 信比古
出版者
室蘭工業大学
雑誌
室蘭工業大学紀要 (ISSN:13442708)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.43-49, 2005-11-30

This study is aimed to investigate the states of "Hikikomori" (social withdrawal) in its three periods : a)earliest one year which had started "Hikikomori", c)recent one year and b)other years which is between both period. 32 families were asked concerning their own sons or daughters of "Hikikomori" by open-ended questions, and answered 345 items on the states of "Hikikomori". 78 positive items were sorted out from these 345 items , and there were 55 positive items in c)recent one year. It suggested that some recovering processes could be found from the current state of "Hikikomori". Communication programs to recover from the states of "Hikikomori" are discussed.投稿論文
著者
蓮井 洋志
出版者
室蘭工業大学
雑誌
室蘭工業大学紀要 (ISSN:13442708)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.167-174, 2000-11-30

I have studied the tf.idf method as the automatic extraction of abstract in order to assist in retrieving the document database. I defined sentence importance as the sum of the word importance of tf.idf value, and the system extracted the several sentences which are the most important. In this paper, I propose the extended tf.idf method in order to get more comprehending abstract. It is the method which adds three ideas to the tf.idf method, the case weight, the eliminataion of demonstrative words and the conjunctions, and the decision of the region for the extraction. Result of the experiment shows that the abstract of the extended method is more comprehensible than one of the tf.idf method.投稿論文