著者
山中 将 猪狩 源宗 井上 克己
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.70, no.692, pp.1182-1189, 2004-04-25
参考文献数
17
被引用文献数
9

The crossed axle traction drive developed by the authors is applied to a new mechanism of CVT. The input and output shafts with conical disks are parallel and a idler shaft having conical rollers at both ends is placed perpendicular to the input/output shafts. This idler shaft transmits torque from the input shaft to the output shaft and its movement produces the speed variation by changing the contact point between the input/output disk and the idler roller. The purposes of this study are to propose the new CVT mechanism, to develop a prototype to confirm the CVT to work and to evaluate the transmission efficiency. The design procedure of disk and roller are shown by geometrical analysis and the method to apply contact force by using a loading cam is examined. The influence of a spin caused by changing the contact point and torque loss of bearings to the. transmission efficiency are evaluated. The range of speed changing ratio of the prototype is 0.5 to 2. The efficiency of 75% was obtained in case of input torque 10 Nm at uniform speed.
著者
井上 克己 山中 将 増山 知也 成田 幸仁
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

歯車の損傷は大きい経済的損失をもたらし,人命に直接関わる事故に繋がる恐れがある.したがって,そのリスクマネージメントは極めて重要である.一方で,エネルギー消費の低減やリデュース設計のため,歯車装置には小型軽量化と長期信頼性の確保という,相反する要求が科せられている.これに応えるために,使用状態における歯車の損傷確率を評価し,信頼性を考慮した寿命を推定することが不可欠である.本研究は,平成16年度から3ヵ年にわたり,浸炭歯車へのリスクマネージメントの適用を目指して以下の項目を実施した.1.材料中の介在物分布から寿命を推定するシミュレーション法の開発2.歯車試験に基づくシミュレーション法の妥当性の確認3.損傷確率を考慮して浸炭歯車の伝達荷重と寿命を評価し保証する方法の確立.最終年度である今年度は,浸炭歯車のピッチング強度を推定する方法の確立を目的とした研究を行った.歯面の損傷事例に関するこれまでの報告を精査し,面圧強度を律するクライテリオンとして,材料中の介在物に加わるせん断応力とモードIIの応力拡大係数の2種類を導入した.また,かみ合いによる歯面上の負荷点の移動に基づいて歯の応力分布を計算する有限要素プログラムを発展させ,ピッチング強度とピッチング発生位置をシミュレートするためのプログラムを開発した.このプログラムを用いてピッチング強度シミュレーションを行い,クライテリオンとしてせん断応力が適することを明らかにした.シミュレーションの結果,これまでの損傷事例報告に近いピッチング強度が得られた.この成果は近く学会発表する予定である.
著者
山中 将 前田 英喜 井上 克己 張 新月
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.73, no.734, pp.2805-2810, 2007-10-25 (Released:2011-08-16)
参考文献数
11

This paper deals with the radiated noise of strain wave gearing, which is a kind of K-H-V type planetary gears having features of lightweight and high reduction ratio. The vibration of Flex Spline (F/S), which is the element of strain wave gearing and has a thin circular cup, is considered as a main factor of the noise. The magnitude of sound power is expected to become large in proportion to the square of the amplitude of displacement of F/S in the radial direction theoretically. The displacements of 3 kinds of models are calculated using FEM. The vibration of F/S and the sound power are measured using the F/S fixed type experiment apparatus. It is confirmed that the relation between the vibration of F/S and the sound power are agreed well to the theory and the vibration of the F/S causes the radiated noise mainly. Moreover, the radiated noise with changing a rotary speed, a loaded torque and an assembly error are measured and examined. The influence of rotary speed and torque is characterized by dependence of the deformation of F/S. The noise become large with the increase of the assembly error, but the amplitude of displacement is not increased. This is analyzed by a resonance between F/S and experiment apparatus.
著者
山中 将 林 亮 伊藤 寿美夫 飯島 大典 井上 克己
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.1243-1244, 2005

開発したA6(はがき)サイズのマイクロ旋盤では,ベッドに厚さ40 mmのむくの鋳物プレートを使用している.ベッド剛性が加工品質に及ぼす影響を調べるために,ベッド厚さを変えた場合の振動特性の評価と直径5 mmの真ちゅうを用いた切削試験を行った.粗さと真円度の測定結果と合わせて,結果について考察する.
著者
成田 幸仁 風間 俊治 山中 将
出版者
室蘭工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

CVTの動力伝達性能向上を目的として,表面粗さ突起の干渉を考慮したレオロジー解析手法により,トラクション油膜のせん断力を高精度に算出する手法を開発した.また,すべりの分担率を考慮することで,動力を無駄なく伝達できる,動力伝達経路の新設計方法を確立した.最後に,シャフトドライブCVT試験機に上記設計手法を適用した.この装置を用いて実験を行い,トルク容量と動力伝達効率を測定することで,提案した設計方法の有効性を明らかにした.
著者
黒崎 順二 園田 立信 小野 茂 松山 宏 山中 将弘
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.324-329, 1982-10-28
被引用文献数
4

牛を高温環境で放牧する場合の管理法を究明する一環として,高温時における放牧行動の実態並びに高温時の放牧と呼吸数との関係を調査した。調査には宮崎大学住吉牧場のホルスタイン種の搾乳牛を用い,草地はバヒアグラスの優占草地で,10時30分から16時30分まで放牧し,調査を行なった。主要な調査結果は以下のとおりであった。1.6月下旬,7月および8月には,気温がそれぞれ27.0〜30.5℃,31.5〜35.0℃および29.5〜31.0℃の高温となり,このため牛は牧草地における採食と庇蔭林内における休息とを頻繁に繰り返し,放牧時間内における採食時間の割合が非常に少なくなった。これに対し,6月上旬,9月および10月の気温は,それぞれ24.5〜27.0℃,24.5〜27.0℃および21.0〜26.0℃で,採食と休息との繰り返しはほとんどみられず,また放牧時間の大部分が採食時間で占められるなど,高温時とは著しく異なった行動を示した。2.休息時の呼吸数は高温時期の6月下旬,7月および8月が6月上旬および9月よりも多くなり,10月はそれらよりも少なかった。その高温時には休息時間の経過に伴って呼吸数が著しく少なくなった。また,採食から休息に変るときは呼吸数が増加し,休息から採食に変るときは減少していたが,それらの呼吸数の変異は大きく,一定していなかった。このことは呼吸数自体が採食を阻害していないことを示す例証と考えられた。採食中の呼吸数は,季節的および個体的差異がみられるが,同一季節で同一個体の呼吸数はほぼ一定で大きくは変動しなかった。