著者
山田 則子 田渕 三保子
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.115-120, 2002-12-27
被引用文献数
1

ウコギの生理活性がカット野菜の栄養成分の変化に及ぼす影響を明らかにするために、カット処理によるキャベツおよびキュウリのビタミンC含量の変動を調べ、ウコギ抽出液の浸積処理が千切りキャベツのビタミンC含量に及ぼす影響を検討した。(1) 野菜のカット処理はビタミンC量を減少させたが、その減少率は野菜の種類により異なり、キャベツでは約20%、キュウリは50%以上であった。また、カット後の冷蔵保存5日目のビタミンC量の減少はキャベツでは約20%であったが、キュウリのビタミンCはほとんど残存していなかった。(2) ウコギ抽出液に30分浸積した千切りキャベツのビタミンC含量の減少はほとんど認められなかった。しかし各溶液浸積によるビタミンC含量の減少は、食塩水10%、蒸留水20%、次亜塩素酸ナトリウム溶液27%、クエン酸溶液48%、酢酸溶液69%であった。(3) 浸積処理後の千切りキャベツの冷蔵保存3日目のビタミンC含量はウコギ抽出液、食塩水、蒸留水、次亜塩素酸ナトリウム溶液処理ではいずれも未処理の場合と同様に約10%の減少を示したが、クエン酸溶液と酢酸溶液処理では約60%大きく低下した。以上の結果から、ウコギ抽出液はカット野菜のビタミンC含量の保持に有用であることが示唆された。
著者
山本 淳
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.101-121, 2007-01-31

近世期京都の戯作『井中水』には、九州侍・奥州侍が登場するが、その会話部に見られる俚言について、当世最大級の全国方言書『物類称呼』の記述に照らして検討した。その結果、『物類称呼』採録語からの転載がかなり認められた。正しく援用した例の外に、無批判に受け容れたために現地での実態にそぐわないもの、勝手な解釈を用いたために『物類称呼』の記述に逆らう例のあることが判明した。また、両人物の描き分けについては雑駁であり、両方言が同一人物の会話部に入り交じっている実態が明確になった。しかし一方で、『物類称呼』採録語ではない俚言もしくはその記述に相違する語形も存し、しかもそれが今日的な九州方言・東北方言に連続することも明らかになった。
著者
北山 長貴 馬場 景子
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

平成23年度に必修科目化された小学校外国語活動の教材は次年度に『Hi, friends!』となった。本研究は新教材『Hi, friedns! 1, 2 』の語彙と表現の分析を行った。特別支援教育、特に視覚障害児童には音声教材の整備充実が急務である。本研究では平成26年に「小学校外国語活動5年生用、Hi, friends! 準拠音声ペン教材 Hello English 1」、平成28年に「小学校外国語活動6年生用、Hi, friends! 2 準拠音声ペン教材 Hello English 2」を作成した。工学機器と触図教材を活用した補助教材の使用により晴眼者と同等の教育情報が保障される。
著者
北山 長貴 馬場 景子
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は視覚障害を持つ小学生が英語を学ぶための副教材として二次元ドットコードを利用した音声ペンによる学習支援のための教材作りをした。初年度は盲学校において小学部の英語の授業参観を行い必要な教材の支援方法を探し、教材を作成した。2年度目ではその結果をシンポジウムで紹介した。本研究の3年度目となる平成25年度には、これまで使用されていた小学校英語のテキスト『英語ノート』が『Hi,friends!』に改訂された。その内容が異なり現場では戸惑があった。そこで最終年度は2冊の教科書の内容比較を行った。今後、音声ペン利用の教材作成には教材変更に対応できるよう入力情報の汎用性が必要であることがわかった。
著者
清宮 剛
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.十一-二十, 1992-12-28
著者
亀ヶ谷 雅彦 カメガヤ マサヒコ Kamegaya Masahiko
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
no.44, pp.35-46, 2008-12

本論文では、山形県における白バラ会運動の展開について概観した。新聞記事などから同運動の初期段階をまとめると、若者の投票率低下と青年団体の変遷の中で、新有権者政治学習講座修了者の組織化という一種の同窓会的な手法を用いて、その時代の潮流に見合った形で新たな青年層の組織化を狙ったものが、山形県における白バラ会運動の始まりであったと言える。
著者
亀ヶ谷 雅彦
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.85-93, 2002-12-27

本論文では、選挙世論調査の法的規制はどのような国で行われる傾向があるかについて、社会経済要因や政治制度といったマクロ的な視点から分析した。統計データを性差、社会の高度化・都市化、報道の自由、政治制度という4つの要因に分けてクラスカル=ウォリス検定およびχ^2検定を行った結果、規制のある国には、a) 男性人口の割合が有意に少ない、b) 第二次産業従事者の割合が有意に多い、c) 自然人口の増加率が有意に少ない、d) 15-64歳人口の割合が有意に多い、e) 複数政党選挙で秘密投票する権利を尊重する度合いが有意に大きい、といった傾向があった。さらに有意差のあった変数間でロジスティック重回帰分析を行ったところ、法的規制の有無に最も影響が大きい要因は複数政党選挙で秘密選挙をする権利の尊重度であることがわかった。