著者
斎藤 寛子 松本 時子
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's Junior College
巻号頁・発行日
vol.43, pp.83-90, 2008-01-01

本研究では、ボン・デ・ケージョに使われるタピオカスターチの代替として、薄力粉、中力粉、強力粉、上新粉、白玉粉、片栗粉、コーンスターチを用い、調整を試み、その形状及び嗜好性について検討を行なつた。結果は以下の通りである。(1)外観は、白玉粉・片栗粉のパンの表面に亀裂が生じ、断面の気泡が多かった。(2)膨化率には、大きな差がみられ、白玉粉と片栗粉のパンは大きく膨らんだ。コーンスターチのパンは生地が形状を維持しないために高さがなく幅が広くなった。(3)水分含有量は、中力粉のパンが一番多く、白玉粉・コーンスターチのパンが少なかった。(4)白玉粉のパンはタピオカスターチのパンに外観は似ているが、抵抗応力については有意な差が見られた。(5)官能検査の結果、総合評価において、白玉粉と強力粉のパンが好まれたが、片栗粉と薄力粉のパンは好まれなかった。以上の結果より、白玉粉が最も適し、上新粉と片栗粉は不適当と思われる。
著者
小池 隆太
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's Junior College
巻号頁・発行日
vol.48, pp.63-70, 2012-12-26

キーワード:メディア・フレーム, 語り, 解釈項
著者
松井 真人
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's Junior College
巻号頁・発行日
vol.45, pp.65-73, 2009-12-25

Abstract This paper investigates the semantic extension of the words related with "right" and "left" in English and Japanese. It also examines the physical and cultural bases of the extension. In both languages, while the words related with "right" have the meanings "normal" and "superior," those related with "left" have the meanings "abnormal" and "inferior." I argue that those non-spatial meanings were derived on the basis of the functional superiority of the human right hand over the left and the dualistic view of the world that divides realities into sacred and secular things. In some Japanese expressions this semantic contrast of "right" and "left" is reversed. I argue that this reversal stems from the superiority of "left" found at certain periods in Chinese and Japanese history. キーワード : 右、左、意味拡張、身体性、文化
著者
松井 真人
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's College of Yamagata Prefecture
巻号頁・発行日
no.37, pp.19-30, 2002-12-27

Abstract : This paper deals with the problem of universality and cultural variation in metaphor. I will discuss this problem focusing on dog-related metaphorical expressions found in English and Japanese. The dog metaphor plays an important role in making sense of people, objects and events in both English-speaking and Japanese cultures. It is true English shares several dog-related metaphorical meanings with Japanese, but there are also some semantic differences in the dog-related metaphorical expressions in the two languages. It will be demonstrated that these similarities and differences are closely related to the ways people have interacted with dogs in Western and Japanese cultures. Keywords : metaphor, dogs, universality, cultural variation
著者
白井 雅人
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
no.37, pp.71-84, 2002-12

要旨 : アンディ・ウォーホルとのコラボレーションの中で、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、音楽の演奏とマルチスクリーンによる映画の投影、同時に行われるパフォーマンスなど、あらゆる身体感覚を刺激する総合的体験としてのマルチメディア・ショーを行った。またその音楽は、おもにそのメンバーの中でクラシック畑出身であり、とりわけアヴァンギャルドな部分を担っていたといわれるジョン・ケイルの影響により、「ドローン」と「音の壁」という二重の形式を担うものであった。そのショーでは、音楽と映像は強調された反復と持続の感覚を身体に与えるものであり、ミニマリズムの対極にある、一種のカオスを観客に提供していたと考えられる。マルチメディア・ショーの原点といえるその活動の持つ意味を、その身体性を中心に、歴史、メディア、音楽などの側面から検証する。 キーワード : マルチメディア・ショー、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、アンディ・ウォーホル、ジョン・ケイル
著者
岩原 真代
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
no.46, pp.17-27, 2010-12

要旨:「楼の上」巻では、仲忠の京極邸再興といぬ宮への秘琴伝授、そして二院行幸が行われる。庭園には「唐傘の柄さしたるやう」な滝と、嵯峨院ゆかりの桜や子の日の老松があり、院の共感体として京極邸の歴史をもの語る。いぬ宮関連の儀礼歌には、「姫松」の喩が繰り返され、百日の祝いは嵯峨院大后の六十賀と同じ正月乙子の日に当たる。賢く長命な大后の造型は、嵯峨院同様、秘琴伝授を見定める視点人物であり、いぬ宮の一将来像としてある。また、物語には大樹の下に「円居」する君臣和楽の情景が繰り返し語られる。京極邸の庭園造詣も、大滝、楼閣、大樹群を縦軸に、枝を大きく張る樹形を横軸にとる立体構造をなし、これは、いぬ宮成長後、京極邸に展開するであろう君臣関係の理想型を具現化、予祝したものと考えられる。また、仲忠の二院への忠勤ぶりは、公式行事化した京極邸再興と秘琴伝授が脅威性を孕むことを示している。 キーワード:京極邸庭園, 子の日の松, いぬ宮造型, 嵯峨院, 嵯峨院大后造型
著者
亀ヶ谷 雅彦
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's College of Yamagata Prefecture
巻号頁・発行日
no.36, pp.71-86, 2001-12-28

要約 : 本論文では、まず選挙予測が選挙結果に与える影響、すなわち「アナウンスメント効果」に関して内外の先行研究を概観し、その研究動向の経緯をまとめた。ついでこれらの研究の中で、アナウンスメント効果の捉え方に関して、(1)直接・間接効果の区別、(2)投票動員への影響か、投票選好への影響かの区別、(3)影響方向の違い、という3つの要素が考慮されていることを見い出した。最後に、これらの要素を内包した新しいアナウンスメント効果の概念類型として、4つの投票意図変化(生起・補強・棄権・変更)と3つの選挙情勢内容(優勢・接戦・劣勢)を組み合わせた12の領域からなる下位概念の分析枠組みを提示した。 キーワード : アナウンスメント効果、選挙予測、世論調査、バンドワゴン効果、アンダードック効果
著者
加畑 達夫
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's Junior College
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-12, 2006-02-10

Abstract : Tennyson's last collection of poems, The Death of Oenone, Akber's Dream and Other Poems, was published in 1892 when he died. We can find what Tennyson wished to suggest before his death in this collection. He wanted to believe that the future of mankind would be hopeful; however he could not but see many ugly and dirty realities in his life: wars, violent deeds, religious problems and so on. His optimistic prophesy of mankind in future is not based on certain facts. After all it seems that he died without solving his doubts. Key words : death, future, mankind, doubt
著者
松井 真人
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
no.48, pp.19-30, 2012-12

要旨:英語には未来時を表すための様々な表現手段があり、それぞれの形式の意味には未来時に対する異なる捉え方が含まれている。本稿では特に、begoing to、現在進行形、未来進行形という、進行形(be-ing) を含む未来指示の形式を取り上げ、まず、各々の形式の意味を記述文法的な視点から説明した。さらに、各々の形式と意味が結びついている理由(動機づけ)を認知文法的な視点から考察し、各々の形式の意味は、それらの形式を構成している動詞go、進行形、法助動詞willの意味に動機づけられていることを示した。 キーワード:未来時、認知、begoing to、現在進行形、未来進行形
著者
山本 淳
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's Junior College
巻号頁・発行日
no.38, pp.47-62, 2003-06-30

要旨 : 推量辞「む」の連体形は、他の活用形とははたらきが別であり、仮定や娩曲を表すとされてきたが、枕草子を調査した結果、「む」本来のはたらきである、未確認の事実に対する想像を表すものであることが判り、中古語文法では仮定の用法を認める必要がないことを述べた。また、連体形「む」は相関する文節に推量辞が伴われることが多く、かつまた、「らむ」「けむ」とは異なって命令・希求表現との相関を示しているが、そのことが連体形「む」を必要とする条件にはならず、連体形「む」の取捨が話者の主観に委ねられることを説明した。 キーワード : 連体形「む」の有無、未確認の事実、恣意性、相関する文節、推量表現
著者
山本 淳
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's Junior College
巻号頁・発行日
vol.44, pp.7-23, 2008-12-01

明治30年代に筆写された方言会話集「鹿児嶋言葉わらひの種』(真田宝物館所蔵)に用いられている共通語訳文について、対立する言語事象を中心に検討した。実態としては、東日本的表現が主として用いられながら、西日本方言に通用する言語事象も出現する。また文語的な古体の表現が口頭的表現に交って使われることもあり、この二つの傾向は、明治期の東京語が新たに共通語として全国に広く通用するようになるまでの過渡的様相として捉えられ、鹿児島方言を共通語に翻す便宜として現れた特徴でもあると考えられることを述べた。
著者
渡辺 治雄
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.9-19, 2001-12-28

Die mittelalterliche Konige des Deutschlands hatten keine Hauptstadt wie die moderne Staaten and reisten von Pfalzen zu Pfalzen im ihren Reiche um. Diese Umreise der Konige stellte die Grundstruktur des mittelalterlichen Staates dar, der nicht der Flachenstaat wie der moderne Staat sondern der Personenverbandsstaat ist. Dieser Aufsatz beschreibt den Wert von der Annalen (chronicon) and der Konigsprivilegien (dilomata) als Geschichtsquelle fur das Studium uber die koniglichen Umreise and die sognannte Konigsstraβe. Der Objekt deieses Aufsatzes ist die Heraushebung der Inifiative von der Konige fur die Erhaltung and Verwaltung der Konigsstraβe im hohen Mittelalter, wenn das Lehnswesen uber die ganzen Lander sich verbreitete. Schlusselworter : Reisekonigtum, Pfalz, Konigsstraβe, Annalen, Konigsprivileg, Ronkalische Gesetzgebung