著者
佐伯 史子 萩原 康雄 奈良 貴史 安達 登 米田 穣 鈴木 敏彦 澤田 純明 角田 恒雄 増山 琴香 尾嵜 大真 大森 貴之
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.124, no.1, pp.1-17, 2016
被引用文献数
2

岩手県大船渡市野々前貝塚から出土した縄文時代晩期の熟年男性1体(1号),胎児ないし新生児1体(2号),壮年後半から熟年前半の女性1体(3号),熟年女性1体(4号),3歳程度の幼児1体(5号)の計5体について,形態人類学的および理化学的分析を実施した。人骨の年代は放射性炭素年代測定により3150~3000年前(cal BP)と推定された。形態学的検討およびDNA分析の双方から,野々前貝塚人骨が縄文時代人に一般的な形質を有することが明らかとなった。ミトコンドリアDNAのハプログループが判明した3体(1号N9b1,4号N9b*,5号M7a2)に母系の血縁関係は認められなかった。特筆すべき古病理学的所見として,出土成人3体全ての外耳道に明瞭な外耳道骨腫が確認された。これは,野々前貝塚の人々が水中(潜水)ないし水面域での漁撈活動に従事していた可能性を示唆するものである。炭素・窒素同位体比の分析では海産物を多く摂取していた食性が提示されており,外耳道骨腫の多発との関連がうかがわれた。また,出土成人3体全ての頸椎に重度の椎間関節炎が生じており,野々前貝塚の人々が頸椎に強い負荷のかかる生活環境にあったことが想起された。
著者
鳥居 龍藏
出版者
日本人類学会
雑誌
東京人類學會雜誌 (ISSN:18847641)
巻号頁・発行日
vol.10, no.109, pp.255-259, 1895-04-28 (Released:2010-06-28)
著者
篠田 謙一
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological science. Japanese series : journal of the Anthropological Society of Nippon : 人類學雜誌 (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.116, no.2, pp.154-160, 2008-12-01
参考文献数
30
被引用文献数
1

歴史時代と現代の台湾原住民の関係について考察する目的で,国立台湾大学が所蔵する台湾原住民ブヌン族の古人骨試料からDNAを抽出し,ミトコンドリアDNAの分析を行った。合計で34体分の肋骨サンプルを実験に用い,最終的に25体で塩基配列データを得た。全体で15のハプロタイプを区別したが,特定のハプロタイプが多数を占めると言うことはなく,多様性が保たれていることが判明した。次にハプログループ頻度を用いて現代の原住民8集団との系統関係を解析した。その結果,今回のサンプルは現代のブヌン集団に最も近縁であることが示され,少なくともブヌン族では歴史時代からの遺伝的な特徴が,そのまま保存されていることが証明された。また各集団の遺伝的な関係は,基本的には地理的な近縁関係を反映していることも明らかとなった。今回の研究は,これらのサンプルに解析できる量のDNAが保存されていることを明らかにし,博物館・大学に収蔵されている人骨試料が,現在では収集が困難になりつつある原住民のDNAサンプルの供給源としても大きな価値があることを証明した。<br>
著者
澤藤 りかい 蔦谷 匠
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.128, no.1, pp.1-19, 2020

<p>従来の免疫的な手法によるタンパク質の検出と異なり,質量分析を利用したタンパク質の分析は,微量のタンパク質も検出でき,誤同定の恐れが小さく,処理能力が高く,未知のタンパク質を網羅的に解析できるという利点をもつ。2010年代以降,考古・人類学的な資料として学術的意味をもつ生物遺物体に存在する過去のタンパク質を,質量分析計を用いてハイスループットまたは網羅的に分析する古代プロテオミクスの研究が盛んになってきた。こうした古代プロテオミクスの手法は,特定のタンパク質のスペクトルパターンから分類群を判別するペプチドマスフィンガープリンティング(ZooMSなど)と,試料中に存在するタンパク質を網羅的に同定するショットガンプロテオミクスに分類できる。現在行なわれている古代プロテオミクスの研究は,生物試料の分類群の判別と系統推定,遺伝情報の推定,有機物の同定,生理状態をあらわすタンパク質の検出,食性の推定,という5つのカテゴリーに大別できる。質量分析によるプロテオミクスに一般的な問題や,過去の試料を分析する際に特有の問題があるものの,古代プロテオミクス分析の利点を活かした研究は今後さらに増加し多様化していくものと予想される。</p>
著者
柳田 國男
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.51-53, 1911-04-30 (Released:2010-06-28)
著者
佐藤 重紀
出版者
日本人類学会
雑誌
東京人類學會雜誌 (ISSN:18847641)
巻号頁・発行日
vol.5, no.45, pp.43-50, 1889-11-28 (Released:2010-06-28)
著者
坪井 正五郎
出版者
日本人類学会
雑誌
東京人類學會雜誌 (ISSN:18847641)
巻号頁・発行日
vol.4, no.36, pp.209-219, 1889-02-28 (Released:2011-12-05)
著者
西村 眞次
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.330-340, 1916
著者
西村 眞次
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.47-48, 1917

1 0 0 0 舟の事ども

著者
西村 眞次
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.143-144, 1917
著者
西村 眞次
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.31, no.9, pp.287-295, 1916

1 0 0 0 無目籠考

著者
西村 眞次
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.109-119, 1916
著者
出口 米吉
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.191-201, 1912-04-10 (Released:2010-06-28)