著者
眞野 裕也 青山 俊弘
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.43-46, 2010-08-30

Twitterなどのミニブログサービスにおいて,ユーザは嗜好の類似によって自然にクラスタを形成する.本論文では,"お気に入り"情報を用いてユーザをクラスタリングする手法を提案する."お気に入り"とはミニブログ上でユーザが気に入った記事に対して印を付けることができる機能であり,"お気に入り"を付けた記事群は後に一覧することができる.提案する方法では,ユーザ間の「類似度」を,「異なる2ユーザが同じ記事に"お気に入り"を付けた回数」と定義する.それに基づいて,ユーザを点,類似度を辺の重みとして持つ「類似度グラフ」を作り,そのグラフに対してグラフクラスタリングアルゴリズムの一つであるFORCEを適用することで,同じ趣味を持つことによるクラスタ,同じ社会的属性を持つことによるクラスタ,他のコミュニティに同じく属するユーザによるクラスタなどを抽出することができた.さらに,拡張したtf-idf法で"お気に入り"の付けられた記事群を解析することで,クラスタごとに異なる,クラスタの特徴を現す特徴語を抽出することができた.
著者
丸山 貴司 中川 匡弘
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.97-104, 2011-07-31
被引用文献数
2

近年,ヒトの生体信号を解析することで感性の定量的評価を試みる研究が取り組まれている.中でも,ヒトの感情は脳の活動と密接に関係していると考えられ,脳波を解析することで感情の定量化を試みる手法として,感性スペクトル解析手法(ESAM),感性フラクタル次元解析手法(EFAM)が提案されている.本研究では,脳波のフラクタル次元を特徴量として感性の定量化を行うEFAMの拡張として,脳波のマルチフラクタル次元を用いた感性解析を試み,既存技術であるESAM,EFAMとの比較を行った.具体的には,被験者16名に対し,「喜怒哀楽」の基本4感性について想起の持続性・再現性の実験を実施した.その結果,提案手法はEFAMに比べ,学習誤差等は増加し,一つひとつの感性の認識率は低減するが,4つ全ての感性が偏り少なく認識できることが確認できた.マルチフラクタル次元を特徴量として用いることにより,感性に寄与している特徴を適切に抽出でき,認識可能な感性の偏りが低減されたものと考えられる.また,学習に用いる時系列データのばらつきを抑えることで,認識率が向上する可能性が示唆された.
著者
都並 結依 大成 博文 大成 博音 山本 孝子
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.3-8, 2008-05-20
被引用文献数
2

超高速旋回式で発生したマイクロバブルのほとんどが収縮してマイクロナノバブルへと変化する.この区別は,その収縮速度差の相違でなされる.マイクロバブルの収縮の原因は,発生時の負圧形成が引き金となり,発生後の周囲水の加圧とその収縮過程における内部気体の噴出および溶解することにある.マイクロバブルの収縮パターンには3つがあり,その形成にも収縮時の内部気体の噴出が関係している.マイクロバブルは,ダム貯水池下層の無酸素水域に注入することで有酸素化による水質浄化に有効である.
著者
一條 博
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.121-126, 2008-05-20

人間は記憶/記録という手段で己を伝承し永遠化しようとしている.その行為は,己の存在を主張し,種族の保存のために生命活動を集約しデータベースを構成している.その実体は「メディアによる人間の記録/記憶=文化・文明」と考えられ、伝承を行う媒体として己の肉体が持つ機能を利用してきた.人間が扱う記憶/記録の基本的な構造を考え,肉体の拡張による記憶の伝承とメディアのかかわりから生命体である人間自身の変遷に関する考察を行った.
著者
河合 清治
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.38-41, 1996-10-31

学寮の性格や機能は寮生気質と同じように時代と共に変わってきている.高専の学生そのものが少子化や高学歴化社会,豊かな文化生活の傾向を受けて質的に問題を多くし,気質もその安易さから日常生活の無秩序,無関心の影を長く落としている.従って,寮生の生活指導も学寮の特質としての教育寮,全寮制という一枚岩から漸次多様化を示し始め,自治寮的,任意寮的になってきていることをふまえ,時代にあった方法をとらなければならない.また,女子寮生や留学生の増加によって雰囲気を軟化しながら,別に新たな人間関係の問題を引き起こしている.この中にあって,寮監の指導の視点をできるだけ集団から個へ(個室の設置等),全学年から学年別へ(高学年の扱いの弾力化等),耐乏生活から豊かな電化生活(テレビ,電話の取りつけなど)を引き出しながら,聞かれた明るい環境づくりにあると考えたい.
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.44-45, 2006-11-20

本学会会長である徳山工業高等専門学校土木建築科教授大成博文氏が、日本流体力学会流体力学技術賞を受賞されました。昨年の日本混相流学会技術賞受賞に続く快挙です。また氏が実行委員長を務めた第1回マイクロ・ナノバブル技術シンポジウムが、本年八月神戸にて開催され大盛況でした。今、注目を集めているマイクロバブル技術の今後について、大成氏にお話を伺います。インタビュアーは徳山高専環境建設工学専攻2年都並結依さんです。都並さんは大成氏の環境水理研究室でマイクロバブル技術を研究しています。
著者
技術者教育研究所「光と影」取材班
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.21-22, 2005-10-20

2005年夏、うれしい知らせが舞い込んできた.しばらく幸せから遠ざかっていた一人の母親へ、息子から電話がかかってきた.「お母さん、東工大の大学院に合格したよ!」、かつて亡き夫が歩んだ同じ道を息子が歩み始めた.涙なしには語れない「誰も歩まなかった道」に、今度は新たな「うれし涙」がこぼれた.