- 著者
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斎藤 秀俊
- 出版者
- 日本高専学会
- 雑誌
- 日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
- 巻号頁・発行日
- vol.16, no.4, pp.57-60, 2011-10-31
最近,わが国のほとんどがニンジンになっています.ニンジンが自分で自分を美味しいと叫んでいるのですが,皆が皆ニンジンだから叫んでも誰も聞いてくれません.それは当然で,普通は自分で自分をどう味わったらよいかわからないし,食べてないから美味しさなどわかっていないことをお互いが知っているのです.こういうときには,八百屋が「このニンジンは甘みがあるよ」とか,シェフが「こう煮ると口の中でとろけるよ」とか,調教師が「目の前につるせば,馬が走る」などのように,宣伝してくれる人がいなければだめなのです.筆者は昭和58年東京工業高等専門学校電気工学科卒で長岡技術科学大学に進学しました.平成22年度から国立高等専門学校機構の監事を拝命し,全国の高専を回っています.高専とともに人生を歩んでいるようなものです.本稿にて,監事として味わった美味しさの一端を八百屋的に紹介しますので,高専のどのような所を伸ばしていけばよいのかといった,将来戦略を立案する際の参考に利用されることがあれば幸いです.