著者
篠原 郁子
出版者
白梅学園短期大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、乳児の母親を対象に「乳児の心に目を向ける傾向」を多角的に測定し、乳児の内的状態に対する目の向けやすさという認知的特徴と、乳児の内的状態に調和した関わり方という行動特徴の関連を検討した。乳児の心の状態を読み取りやすいという母親の認知的特徴は、母子自由遊び場面において、子どもと一緒にやりとりを作り上げていく養育行動と関連することが見出された。
著者
荻野 七重 齊藤 勇
出版者
白梅学園短期大学
雑誌
白梅学園短期大学紀要 (ISSN:0286830X)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.63-77, 2000

大学入試の成功と失敗の原因帰属と欲求との関連をみることを目的とし、同一の大学生を対象に、欲求および帰属の調査を行なった。分析は10の帰属要因について、帰属の高い学生と低い学生を選び出し、54種類の欲求について2群間の比較を行なった。その結果、それぞれの要因について、以下のような欲求との関連をみることができた。a.「素性、生れの良し悲し」への帰属について 成功の場合、帰属の高い学生は他者に対して受容的であるのに対し、失敗の場合は他者に対して否定的である。b.「才能、能力、素質の有無」への帰属について 成功の場合、帰属の高い学生は安心を求める傾向が高く、受動的である。この傾向は、失敗の場合にも共通する。失敗の場合は、さらに、自己を前面にだそうとする傾向が低いという特徴がある。c.「性格、性質の良し悪し」への帰属について 成功の場合、帰属の高い学生は能動性が高く、欲求と行動のギャップが小さい。失敗の場合は、社会性、協調性を志向してはいるが、行動が伴なわない傾向がある。d.「出身校の良し悪し」への帰属について 成功の場合については欲求との関連が少ない。失敗の場合、帰属の高い学生は保身的、協調的傾向が高い。達成欲求があっても、行動が伴なわない傾向が特に顕著である。e.「長期的努力」への帰属について 成功の場合、帰属の高い学生は低い学生よりも努力する傾向がみられる。失敗の場合、帰属の低い学生の特徴として、対人関係における関心の低さがみられる。f.「その時の対応の良し悲し」への帰属について 成功と失敗の間に類似性があり、いずれも、帰属の高い学生の能動性が高い。g.「課題や相手の難易」への帰属について 成功と失敗のどちらの場合も、帰属の高い学生は能動的欲求が高い。成功の場合は、なかでも優越支配欲求が高い。h.「環境の良し悲しや援助の有無」への帰属について 成功の場合、帰属の高い学生は低い学生よりも能動的、協調的、保身的である。失敗の場合は逆に、低い学生の方が能動的である。i.「運の有無」への帰属について 成功の場合、帰属の高い学生は保身的傾向が低い。失敗の場合は、競争や危険を避ける傾向がみられる。j.「運命、縁の有無」への帰属について 成功の場合、権勢的な面でも、非権勢的な面でも欲求が低い。失敗の場合は、挑戦をせず安心を求める傾向がみられる。また、物事を科学的、合理的に考えようとする欲求が低い。
著者
土川 洋子 関谷 栄子 森山 千賀子 杉本 豊和 西方 規恵
出版者
白梅学園短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

介護は、わが国に定着している家庭生活技術ではあるものの、学問としての介護教育は、未だ明確に確立しているとは言いがたい。その中で、精神障害者は、長期入院と社会的入院という処遇の長い歴史を経て、平成18(2006)年4月に、障害者自立支援法が施行され地域での自立生活支援がすすめられ始めている。本研究では、精神障害者に対する介護を学問として構築していくために必要な根拠を当事者、家族会、介護従事者、海外の現状、病院、教育機関に求め、幅広い現状を把握し、必要な介護技術を抽出しようと試みた。
著者
佐久間 路子
出版者
白梅学園短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は幼稚園5歳児,小学校1年生,2年生の3学年を対象に,2年間にわたり縦断追跡的に自己理解インタビューを行い,小学校への移行期における自己概念に関して(1)子どもの自己描出の量的・質的分析に基づき横断的に把捉された平均的な発達パターンと,縦断追跡的に捉えられた個人内の連続性と変化のパターンの差異を明らかにすること,(2)年齢要因と小学校へ移行という環境要因が自己発達の連続性に及ぼす影響を検討することが目的である。2005年度の第1回目調査(2006年1月〜3月実施)に引き続き,第2回調査を2006年8〜9月に都内の公立小学校2校で行った。対象児は,小学校1年生60(22)名,2年生56(54)名,3年生65(42)名,計181(118)名である(括弧内は縦断調査人数)。質問内容は,(1)現在の自分(いいところ等),(2)1学年前の自分(どんなところが変化したか等),(3)1学年後の自分(どんなところが変化するか等)についてである。さらに前回調査を行った子どもには,前回の調査を振り返る質問(前回次の学年になって変化すると思ったところは変化したか等)を行った。その結果,(1)横断的に把捉された平均的な発達パターンは,これまでの自己概念に関する知見とほぼ同様であり,縦断追跡的に捉えられた個人内の連続性は,3年生でより明確に見られた。(2)第1回目調査と比較した結果,5歳児から1年生への変化では,小学校への移行という大きな環境面での変化があったため,幼・保との違いや,勉強面に関する回答が多く見られたが,1年生から2年生の変化では,環境面の変化に関する回答は減り,性格・態度や能力の変化に関する回答が多く見られたこと,3年生では勉強に関する具体的能力と性格に関する回答が多く見られ,学校生活において勉強での能力の重要性が増加していることがうかがわれた。以上より,子どもの自己概念は,環境変化の多大な影響を受け,学校生活と密接な関連があることが明らかになった。