- 著者
-
河合 康典
越野 亮
三好 孝典
- 出版者
- 石川工業高等専門学校
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2018-04-01
本研究は,筋肉疲労に対して安全な電気刺激による遠隔リハビリテーションシステムの開発を行うため,今年度は下記の2つの課題について考える。課題①の筋肉疲労の推定と患者側での安全機構の開発については,これまでに行った筋電計は疲労推定の精度が悪く,脳波計では疲労推定ができなかった。そこで,外乱オブザーバとガウス過程回帰を用いた2つの疲労推定手法を考える。はじめに,外乱オブザーバを用いた方法は,疲労がない時の膝関節の運動モデルを用いて,疲労時には入力外乱が発生すると仮定することで,入力外乱の推定を行う。推定する入力外乱の平均値は,運動開始直後は小さいが,被験者が疲労を感じるにつれて徐々に増加していることから疲労を推定できることが分かる。次に,ガウス過程回帰を用いた手法は,外乱オブザーバと同様に疲労がない時の膝関節の運動モデルを用いて,疲労時には入力外乱が発生すると仮定して疲労推定を行う。測定値と運動モデルの差を入力外乱として考え,学習における入力を膝関節角度,出力を入力外乱とすることで,入力外乱の平均と分散を求める。運動開始直後は外乱の平均値が0に近いのに対して,被験者が疲労を感じるにつれて徐々に平均値の振れ幅が広がっていることから,疲労を推定できることが分かる。課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,AWS IoT から変更してNode.js を用いたクラウドシステムを考える。これまでの遠隔リハビリテーションシステムは,MATLABのSimulinkをベースにシステムを構築しているので,Node.js との通信の結合を行っている。