著者
小林 侑 宮田 瞳 工藤 雅孝
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.1227-1235, 1992 (Released:2009-11-16)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

It is impossible to spend even a day without paper in recent cultural life. Papers are liable to be concerned in many kind of crimes, so that. For example, forgery of bills, duplicate of document, incendiarism and murder are as such. Nowadays demands that are expert discrimination of paper are on the increase. However, complete paper is hardly found in most of these criminal cases. Minute, degenerate and/or stained papers are apt to become evidential matter. Therefore, it is difficult to inspect these papers according as JIS or to inspect them in view of manufacturing technique. So characteristic method is necessary for forensic science.This report is a presentation with regard to some typical discrimination as follows which we have ever done and obtained good result on the field of forensic science.(1) Two examples for inspection of minute or degenerate paper fragment.(2) Two examples for analysis of coatings and filler in woodfree paper and mechanical paper.(3) Two examples for inspection of new domestic articles.
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.939-946, 1994-07-01 (Released:2009-11-19)
著者
石村 大輔
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.73-76, 2013 (Released:2014-01-01)

今日,CO2削減と省エネルギー,環境保全への関心が高まっている。このような中,レンゴーグループでは,地球環境の保全に配慮した経営を実践することが,企業の持続的発展に不可欠であるとの認識に立ち,グループをあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいる。レンゴー利根川事業所では,バイオマス焼却設備(ボイラ)を導入した。これまでの既設ロータリーキルン焼却設備では,産業廃棄物燃焼による廃熱回収は行っておらず,エネルギーが有効利用されていなかった。バイオマス焼却設備(ボイラ)では,蒸気でエネルギー回収できるようになった。これにより自家発電用ボイラのLNG燃料を削減でき,CO2の排出量を大きく削減できた。また,ロータリーキルンでは製紙汚泥ならびに排水汚泥を処理していたが,事業所内で発生する全量を処理しきれず,弊社八潮工場(埼玉県)や処理業者へ処理を委託していた。しかしバイオマス焼却設備(ボイラ)導入後は,事業所で発生する産業廃棄物(可燃物)の全量焼却処理をできるようになった。この結果,産業廃棄物量は,飛灰・焼却灰の排出量については増加したものの,廃棄物全体量は削減できた。バイオマス焼却設備(ボイラ)の導入から約半年程経過し,現在順調に稼働している。今後はさらに安定運転に励んでいく所存である。
著者
名越 亮
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.89-101, 1962-02-20 (Released:2010-02-10)
参考文献数
38
著者
森本 智
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.231-235, 1966-05-05 (Released:2009-11-11)
参考文献数
5
著者
関 義城
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.471-479, 1967-09-01 (Released:2009-11-11)
被引用文献数
1
著者
井上 親之
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10, pp.565-576, 1967 (Released:2009-11-11)
著者
鷲谷 公人 柴 裕一 西 哲哉
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.559-567, 2005 (Released:2006-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

近年, オフ輪印刷において特殊なゴースト現象の発生が増えている。この特殊なゴースト現象は通称デラミゴーストと呼ばれ, ブランケットシリンダーへ用紙が付着する形の走行不良がインキの転写不良を起こし, ゴーストとなって現れるものと推測されている。印刷機が高速化, 用紙が高品位化するほど発生しやすくなるため, 印刷作業性や印刷品質を損なわない防止法の開発が期待されている。しかし, 用紙が本現象に与える影響については系統だって調べられていなかった。本報では用紙要因の確認を目的として, 種々の物性を持たせた印刷用紙を用いてデラミゴーストとの相関関係を詳細に解析した。その結果, 平滑性, 特に圧力下での平滑性 (プリント・サーフ表面粗さ) がデラミゴースト発生度との相関が強く, 平滑な用紙はブランケットロールへの付着を促進するためと考えられる。またプリント・サーフ表面粗さが同程度の場合はインキセット性が相関が強く, これはインキセットが速いものはインキの転写不良を起こしにくいためと考えられる。これらの結果は, 従来言われていたデラミゴーストの発生機構の正しさを裏付けている。
著者
平野 大信 小林 孝男
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.787-793, 2014 (Released:2014-10-01)
参考文献数
3

近年,省資源,省コストなどの観点から,段ボール原紙の軽量化が進行することが予測されている。このような状況において懸念される段ボール原紙の品質トラブルの1つに,巻取の吸湿シワが挙げられる。吸湿シワとは,巻取が吸湿することによって,胴面にドラム缶状の膨れシワが発生する現象であり,その発生メカニズムから,吸湿伸びが大きいこと,座屈のしやすさ,の2点が主な要因として考えられる。しかし,これらに関連する物性と実際に発生する吸湿シワとの関係について,系統的に調査した例は見当たらない。そこで,段ボール原紙巻取における吸湿シワ発生要因を解析するために,異なる複数の工場にて抄造した巻取を同一条件下で保管し,各巻取の吸湿シワ発生状況および水分変化率の調査を実施した。その結果,巻取間で吸湿シワの発生状況,水分変化率に差異が見られ,吸湿シワ発生状況とその関連原紙物性との重回帰分析から,吸湿シワ発生要因として,剛度,吸湿伸び,地合の3要素が重要であることがわかった。吸湿伸びは水分伸縮係数と水分変化率の積の形で表され,水分変化率はワインダー巻取り時の初期水分と原紙の平衡水分に影響されるが,特に初期水分の寄与が大きいと見積もられた。また,有限要素解析シミュレーションから,地合改善は吸湿シワの発生を遅らせる効果はあるものの,一旦吸湿シワが発生してしまえば,成長を抑制するだけの効力は持ち合わせていないことが示唆された。
著者
リンドホルム イェラン
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1633-1638, 1996

工場内で使用されるプロセス水の水質に対する要求は製品の種類だけでなく, プロセスそれ自体の各段階や部門ごとにかなり異なる。そのため, 各種の水質項目に厳密に限度を設定することはほとんと不可能である。水の特性の測定法の多くも, 酸素要求量や浮遊固形物などの場合のように集合的, 相対的である。プロセスエンジニアは, 水をどの程度再利用できるかを決めるに当たって, 生産性や製品の質の双方を考慮する必要がある。各種の水処理法や, その可能性や限界にも精通していなければならない。それらの知識や原木の質の季節的変動について知識を組み合わせてはじめて, 工程全体の優れた水経済を実現できる。
著者
榊原 正行
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.1234-1238, 2012-11-01

当社は1989年よりドイツ,ビロマティック社と大判フルシンクロカッターでの技術提携をしている。またビロマティック社がヤーゲンベルグ社のカッター部門を買収し,ビロマティック―ヤーゲンベルグという新会社を立ち上げ,2005年5月に新たな技術提携を締結し,ビロマティック―ヤーゲンベルグ社デザインのシートカッターも国内に3基納入してきた。<BR>そのような状況の中,コストダウンが図られた小幅~幅広の大判カッターの要求が国内外より寄せられており,昨年4月,1945年創業の歴史あるカッターメーカーで,幅広く多数の納入実績があるイタリアのピザラト社の全商権を譲り受け,新たに"丸石―ピザラト高速フルシンクロ大判カッター"をラインアップに加えた。<BR>これまで高性能機を中心に展開してきた同事業において,設備の品質を維持しつつ汎用型の大判カッターを提供する体制も確立し,これにより紙パルプ産業はもちろん,断裁加工工場など幅広い客先のニーズに対応していく。<BR>今回はこのコストダウンが図られた小幅~幅広の大判カッター"丸石―ピザラト高速フルシンクロ大判カッター"の特徴を発表させていただく。
著者
瀬川 智哉
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.59-63, 2013-01-01

2011年9月3日,高知県東部に上陸した台風12号が紀伊半島において驚異的な雨量をもたらし,熊野川が上流にあるダムの放流の影響もありこれ迄にない水位を記録し,紀州工場から直線で約6km上流にある工業用水取水設備及び工場内KP,ボイラー周りの電気室及び機器が浸水した。これにより工場が16日間に渡って操業が不能となった。<BR>紀州工場における浸水被害は,工場内及び工業用水取水場共に電気設備の被害が大きく,また,工業用水取水口においては熊野川上流の崩落,土砂崩れによる岩及び土砂の流入でほぼ閉塞状態となり,浚渫による復旧に時間を要した。<BR>しかし,全社を挙げての支援体制を被害直後に整え,応援部隊派遣を直ぐに決定するという迅速な対応をとり,また,メーカー他の支援協力があり早期の操業再開を実現した。<BR>更に,今回と同規模の水害発生による工場操業への影響を最小限に抑える対策も復旧直後より検討し,第一期対策の実施を決定した。<BR>本稿では,今回の浸水被害の状況及びその復興作業,そして浸水対策の取り組みについて報告する。
著者
神﨑 護
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.11, pp.1224-1227, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
13

この小文では東南アジアの森林消失と再生について紹介したい。東南アジアの多くの国では,独立後の外貨獲得手段として,簡単にアクセスできる木材資源がまず経済成長の第一段階として利用された。森林の大規模な農地化がその後1960年から1990年にかけて進行し,森林消失を決定的にした。これに対して,地球規模での伐採反対キャンペーンや森林保全の動きがおこり,それは1998年のリオの地球サミットでの森林原則宣言につながり,さらに1997年の京都プロトコルで採用された植林再植林クリーン開発プログラムにおける炭素クレジット化にもつながった。熱帯各国での森林伐採の方法も変化した。現在多くの国々で,低インパクト伐採の適用が義務化され,国際的な森林認証の取得も加速しつつある。度重なる洪水や土石流被害は,東南アジアの人々の森林保全についての考え方を大きく改善してきた。小規模な森林保有者,農民や地域共同体は木材生産の重要なプレーヤーになりつつある。日本の森林状況は第二次世界大戦直後の悲惨な状況から,70年もかからずに大きく改善された。東南アジア各国の森林状況も今後30年の間に劇的に改善されることが期待できる。
著者
盤指 豪
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.1250-1253, 2012

2012 TAPPI International Conference on Nanotechnology for Renewable Materials が2012年6月4日~7日の4日間に渡ってカナダのモントリオールで開催された。カンファレンスの開催地であるカナダをはじめ,北米ではArboraNano(カナダ),CelluForce(カナダ),Agenda2020(アメリカ)といった産学官のプロジェクトがNano Crystalline Cellulose(以下NCC)を中心にナノセルロース研究を進めている。中でもCelluForceは1t/日の製造能力を有するNCCプラントを完成させ,世界的に注目を集めている。今回は初日にCelluForceのNCCプラントツアーが組まれ,希望者のみの参加であったが,当日はキャンセル待ちが出るほどの人気を博した。<BR>カンファレンスには北米,欧州を中心に20カ国から200名以上の参加があり,口頭発表,ポスター発表,パネルディスカッション,ワークショップなど計60件を超える発表が26セッションに分けて執り行われた。昨年同様,ナノセルロースの基礎研究,応用研究,標準化,安全性評価など多岐に渡る報告がなされ,各国の注目度の高さが伺えた。本稿では,CelluForceのNCCプラントツアーおよびカンファレンスの発表の中から数報を抽出し,その概要を報告する。