著者
松本 美鈴
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

伝承料理"あらい"の特徴は、きわめて活きのよい魚介類を用いることである。しかし、このような調理の特殊性が、"あらい"の利用範囲を限定している。あらい調理の可能性を広げるために、本研究では、鮮度の異なる魚肉から"あらい"を調製し、調製条件が魚肉の収縮に及ぼす影響を検討した。活スズキの筋肉を試料として用いた。試料は5℃で2日間貯蔵し、経時的にサンプリングし、"あらい"を調製した。"あらい"調製条件は、次の5つである。(1)18℃の脱イオン水中で3分間撹拌。(2)49℃の脱イオン水中で20秒間撹拌。(3)18℃の1mM塩化カルシウム水溶液中で3分間撹拌。(4)18℃の10mM塩化カルシウム水溶液中で3分間撹拌。(5)18℃の100mM塩化カルシウム水溶液中で3分間撹拌。調製した"あらい"物理的性質は、明度、硬直度、レオナーによる破断試験により評価した。また、各種"あらい"からエキスを調整し、筋肉中のアデノシン5'トリリン酸(ATP)と乳酸を測定した。即殺直後および6時間貯蔵した筋肉からは、いずれの条件でも"あらい"が調製できた。しかし、カルシウムを添加した水で処理した"あらい"は、筋肉の硬直度や破断荷重の値が大きく、筋収縮が著しかった。また、即殺後1日冷蔵した肉を脱イオン水中で処理しても筋肉は収縮せず、"あらい"にならなかった。しかし、10mMあるいは100mM塩化カルシウム水溶液で"あらい"を調製すると、即殺してから24時間貯蔵した魚肉においても、解糖系からの収縮エネルギーであるATPが補給され、筋肉が収縮することが認められた。つまり、"あらい"処理用の水にカルシウムが存在すれば、きわめていきのよい魚を用いなくても、"あらい"を調製することが可能であることが明らかとなった。
著者
石引 正志 イシビキ マサシ
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
青山學院女子短期大學紀要 (ISSN:03856801)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.91_a-79_a, 2001-12

Un historian francais, Jean Delumeau, presente l'hypothese de travaille a laquelle il a ete conduit par l'etude des attitudes des reformateurs protestants et cathoriques vis a vis des superstitions de leur epoque. Les deux reformes, celle de Luther et celle de Rome, n'auraient ete que deux processus apparemment concurrantiels, mais finalement convergents, de christianisation des masses. Delumeau pense que les masses populaires du moyan age n'etaient pas vraiment christianises. Nous presentons a ce propos quelleques reserves comme font Le Roy Ladurie et d'autres, en montrant un example du christianisme rurale, celui de Jeanne d'Arc.