著者
北村 杏子
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
青山學院女子短期大學紀要 (ISSN:03856801)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.29-46, 1985-11-10
著者
斉藤 修三
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
青山学院女子短期大学総合文化研究所年報 (ISSN:09195939)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.155-175, 2001-12-25

「人はなぜ差別するのか?」振り返ると,ここ数年わたしはこの問いばかりを追いかけてきたようだ。聖書に「あなたは寄留(きりゅう)の他国人をしえたげてはならない。あなた方はエジプトの国で寄留の他国人であったので,寄留の他国人の心を知っているからだ」(出エジプト記)とあるが,問題はこの言葉に集約されると思う。自他を分ける壁を絶対視し,自己のなかに他者を,他者のなかに自己を見る想像力をなくしたとき,差別はしのびよる。元来人はみな「寄留の他国人/よそ者」だった。なぜなら一回限りの<出来事(いのち)>である以上,反復可能なカテゴリーでしかない「何者か」という言葉が再現できない余剰,語りえずしたがって不可知の<よそもの性>こそが「固有のわたし」の正体だからだ。取り替えのきく「何者か」ではなく,唯一無二の「よそ者=究極の少数派(マイノリティ)」だからこそ<個>は壊れやすく希少なはずなのに,孤独を怖れるあまり自己の異質性を認められないわたしたちが「同じ何者か」という表象の虚妄にしがみつき,固定された主体や帰属意識(アイデンティティ)でしか人を見れなくなったとき,人種民族・国籍・性別などをめぐり序列化された見えない国境線が実体化され,よそ者は被差別者となる。そのかき消された声をふたたびわたしたちに届け,内なるよそ者のつぶやきを呼び覚まし共振させる<声の運び屋>が,チカーナの詩人作家シスネロスの派遣する少女エスペランザである。
著者
辻 吉祥
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究は、〈近代〉日本における最も包括的なイデオロギーである「社会進化論」「優生思想」と、その文学に与えた影響、相互浸透関係を明るみに出すことを眼目とする。国際的視野でその実証資料を収集する一方、明治・大正期の解放思想・文学が、今日の発想からは死角となる形で自然史的思考の侵蝕を受けており、文学的〈近代〉における「社会」性が今日からする定義とは異なること、その経緯の重要な諸点を明確にすることができた。
著者
鹿倉 秀典 豊澤 弘伸
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本年度、鹿倉(代表者)はまず「音曲と戯作-潮来節と江戸戯作」(『國文学-特集:近世のネットワーク』13年6月・学燈社)において「江戸長唄」にも取り込まれた俗謡「潮来節」と当時の文藝である「江戸戯作」との関連性について論じたほか幾つかの成果をあげた。一方、豊澤は「情報活用能力と評論・論説の読み」(『月間国語教育』通巻251号)などにおいて「読み」の能力の変容についての考察を深めてきた。本年度の研究代表者(鹿倉)・分担者(豊澤)の主要な業績は、次ページに記した。但し、この期間、研究代表者は関東短期大学(旧本務校)から青山学院女子短期大学(現本務校)に転任、同僚であった研究分担者との連絡が困難になってしまった。それ故、電子メールを活用し、今回の「研究成果報告書」を完成させることとした。「最終成果」は、明和年間『常盤友』を国立音楽大学所蔵「竹内道敬寄託文庫」を底本に、これまでの翻刻の誤りを是正し、章句索引を作成した。『めりやす豊年蔵』(東京都立中央図書館)『おぎ江節正本集』(国立国会図書館蔵)『哥撰集』(東京都立中央図書館蔵)などに収められたテキストも入っている。それ故、本年度「最終研究成果報告書」は、『常盤友』のテキスト分析に主眼をおいた。但し、これは終わりではなく、「近世歌謡詞章研究」の始まりなのである。なお、本研究に用いた「本文テキスト」は、本年5月以降「http://www5b.biglobe.ne.jp/〜sakou/」において、公開する予定である。
著者
中野 博雄
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:03856801)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.32-38, 1958-03-31