著者
原田 寿郎 上杉 三郎
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.262-271, 1996-09-25 (Released:2009-05-22)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

コーンカロリーメーターを用い,難燃薬剤で処理された1類合板及びラワン材の発熱速度及び発煙量を明らかにするとともに,現行の防火試験方法のひとつである表面試験結果との比較を行った。難燃処理に使用した薬剤はリン酸一アンモニウム,リン酸ニアンモニウム,臭化アンモニウム,ホウ砂・ホウ酸,スルファミン酸アンモニウム,スルファミン酸グアニジン,塩化ナトリウムであった。コーンカロリーメーター試験により,処理薬剤の種類と注入量から燃焼性状を予測することが可能であることがわかった。また,表面試験の指標のうち発煙係数を除く指標についてはコーンカロリーメーター試験の結果と相関があることが明らかとなった。
著者
今村 祐嗣 藤井 義久
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.61-69, 1995-03-25 (Released:2009-12-08)
参考文献数
9
被引用文献数
4 3

木材加害昆虫の摂食活動がアコースティック・エミッション(AE)の発生とリアルタイムに対応していることが明確になったので,この原理を用いてイエシロアリの食餌活動に伴う行動様式を追跡し,解析した。容器内に一定頭数のイエシロアリと木材を設置すると,試験開始後,数時間~数十時間でAE事象数は急増し,その後一定値まで低下するが,数日経過後再び上昇した。その後,この増減のリズムを繰り返した。兵蟻を全く移入しない場合,移入区より明らかにAE事象数は少なく,これに対応して木材の摂食量も少なかった。また,兵蟻の割合が標準より多い場合においても,AE事象数は少なくなったが,経過日数につれて増加し,この傾向は野外で採取したシロアリで著しかった。周囲の温度によって事象数は変化し,27℃付近より低下するにつれて減少し,12℃ではAEの発生は停止した。再び温度を上昇させるにしたがいAEの発生は増大し,さらに,試験を開始した27℃より上昇させると38℃付近までは増加する場合も認められるが,その後は一般的に減少し40℃を越えるとAEの発生は停止した。その後は,温度を下げてもAEは再び発生しなかった。また,イエシロアリの食害活動は明らかに光の照射によって影響を受け,AEの発生も一旦停止ないし低下した。しかし,その後時間の経過とともに光の照射下であっても食害活動は再び回復した。
著者
鈴木 憲太郎 園部 宝積
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.154-160, 1993
被引用文献数
4

CCA廃材の埋設処分の可能性を調べるため,用途廃止はされたが腐朽の認められないCCA処理電柱廃材を土中に埋設し,近傍の土壌中のCCA構成成分である,クロム,ヒ素,銅の含有量を埋設後それぞれ6ケ月,6年経過後に測定した。埋設前のCCA処理丸太廃材の流脱性については,砒素の流脱量は4本のうち2本の丸太で他より高い値を示していた。しかし,これらの値は総理府令で定める溶出量の埋立基準の1.5mg/lよりも低い値であった。6価クロムについては丸太間の差は認められず,全て総理府令で定める溶出量の埋立基準の1.5mg/lより低い値でまた,埋設後においても,6ケ月経過,6年経過のいずれも,CCA処理丸太及びチップ周辺の土壌中の6価クロム量は,検出限界である0.05mg/lを下回った。丸太と接触させた土壌試料の場合,クロム含有量については,木口横の分析値は丸太下5-10cmの値よりもやや高い値を示したが,対照土壌の値を大きく上回らなかった。砒素含有量については,木口横の分析値は,特にNn.2とNo.4の丸太で,丸太下5-10cmの値よりも2,3倍高い値を示したが,丸太下5-10cmの値は対照土壌試料の値と同等と見なせた。銅含有量については,木口横の分析値は丸太下5-10cmの値よりもやや高い値を示したが,対照土壌試料の値を大きく上回ることはなかった。6年間の野外土壌接触試験結果では,丸太及びチップ直下の土壌中の銅,クロム,砒素の含有量は,対照土壌と考えられる同じエリア内にある非接触土壌の分析値を越える値にはないことが認められた。以上から,少なくも今回の試験規模である,CCA処理廃材を1m2の土壌にCCA処理丸太を0.15m3,同チップを0.085m3程度埋設した場合を大幅に越えない範囲でCCA廃材を土壌中に埋設した場合,土壌埋設を長期間続けたとしても,CCA廃材に起因する環境中の金属量の増加は無視し得る程度と考えられ,構成金属の流脱による土壌汚染のおそれは少ないと考えられた。
著者
石野 信之
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 = Wood preservation (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.159-162, 1996-05-25

第46回日本木材学会が平成8年4月3日~5日の3日間熊本大学教養部を会場に開催されました。大会期間中は寒の戻りで少々肌寒さを覚えましたが何とか天候に恵まれ,キャンパスの満開に咲く桜のもと,約600件の研究発表・討議がなされました。
著者
長野 行紘 白石 徹治 村上 正人 小寺 学 DRYSDALE Jeanette
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 = Wood preservation (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.82-95, 1996-03-25
被引用文献数
3

The purposes of this report were to impove the efficacy agaist a brown rot fungus, Tyromyces palstris, by mixing various cobiocides to the inorganic preservative reported in prior paper. The efficacy of the preservatives was estimated by the method of JIS A 9201. From the experimental results, some cobiocides were selected and were subjected to further simulated field and field tests. Tebuconazole had the highest synergic effect as a cobiocide. Boric acid which was important component of ACB and CCB approved in Europe was also a superior cobiocide.<BR>In the field test, the preservative prepared by the mixing the inorganic copper solution 20, boric acid 56 and tebuconazole 1 had the comparable effect to CCA-type 1 at the same copper retention.<BR>The synergic effects became higher in order tebuconazole, DDAC, boric acid in the field test. In the simulated field test, tebuconazole had also the highest effect, however, DDAC and boric acid had considerably lower effects.<BR>The difference between these results was due to the participation of copper-tolerant fungi. The simulated field test included the copper-tolerant fungi and gave the severer test condition to the treated wood than the field test gave.<BR>From these results, it was considered that the simulated field test could be used instead of the field test with reducing greatly test period.
著者
安藤 實 石栗 太 横田 信三 吉澤 伸夫
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 = Wood preservation (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.208-215, 2001-09-25

本研究では,スギ丸太を材温80℃,40時間で燻煙熱処理を行い,壁孔壁の破壊率を測定した。また熱処理後,市販の難燃剤で減圧注入処理し,重量増加率を求め,薬剤の浸透性を評価した。さらに,作製した難燃材の難燃性及び材質特性を評価した。燻煙熱処理により,破壊された壁孔壁の割合は,心,辺材ともに増加した。減圧注入処理による重量増加率は,燻煙熱処理心材において大幅に増加する傾向が認められた。燃焼試験後の重量残存率は,減圧注入時の減圧度の増加と共に増加した。また,曲げ強さについては,薬剤注入による大幅な変化は認められなかったが,曲げヤング率は,重量増加率の増加にともなって増加する傾向が認められた。
著者
酒井 温子 岩本 頼子 中村 嘉明
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 = Wood preservation (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.165-169, 2001-07-25
被引用文献数
4 2

奈良県森林技術センター明日香実験林において実施している野外杭試験の中で,重金属を含まない木材保存薬剤を加圧注入した杭の被害経過について報告する。杭試験体は,30×30×600mmのスギ辺材とした。無処理杭の耐用年数は地際部で1.5年,頂部で3.5年であった。<BR>これに対して,IPBCの吸収量が約1.5kg/m3以上の杭では,地際部,頂部とも9年以上の耐用年数が期待できた。また,IF-1000やフッ素系薬剤で処理した杭については,今回検討した濃度範囲では,耐用年数は地際部で4~7年,頂部で6~10年で短かった。<BR>169<BR>3.4アルキルアンモニウム化合物(AAC)処理杭との比較<BR>針葉樹の構造用製材の日本農林規格(1994年改正)で認定されている木材保存薬剤の中で,重金属を含まない薬剤には,アルキルアンモニウム化合物(AAC)がある。そこで,以下にAAC処理杭とIPBC処理杭の耐用年数や被害経過を比較する。<BR>すでに報告したように3),AAC処理杭では,地際部の耐用年数は,吸収量が4.5~9kg/m3で6~9年,9kg/m3以上で9~10年であった。また,頂部は試験期間が10年あるいは13年では耐用年数に達しなかった。8年経過時で吸収量が4.5~9kg/m3で被害度は1~1.5,9kg/m3以上で0.5~1であった。<BR>一方,IPBC処理杭については,3.1で述べたように,IPBCの吸収量が1.5kg/m3以上ならば地際部の耐用年数は9年以上が期待できる。IPBC処理杭は,AAC処理杭と同等もしくは今後の被害経過によってはそれ以上の耐用年数を有するといえる。<BR>しかし,頂部についてはIPBCの吸収量が1.5kg/m3以上であっても,8年経過時ですでに被害度は1.5~2.5で,AAC処理【引用文献】<BR>1) 酒井温子, 岩本頼子, 中村嘉明:木材保存,27(3), 114-120 (2001)<BR>2) 中村嘉明:材料, 359,929-934 (1983)<BR>3) 酒井温子, 岩本頼子, 中村嘉明:木材工業,56(1), 17-22 (2001)<BR>4) 酒井温子 : 奈良県森林技術センター研究報告, 30, 27-38 (2000)<BR>5) 雨宮昭二 : 林業試験場研究報告, 150, 143-156 (1963)<BR>6) 雨宮昭二, 松岡昭四郎,庄司要作, 井上衛,阿部寛, 内藤三夫 : 林業試験場研究報告, 230,105-142 (1970)
著者
野村 安宏
出版者
JAPAN WOOD PRESERVING ASSOCIATION
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.236-244, 1990
被引用文献数
4

新規木材用防かび剤の性能を明確にするため,研究室レベルの試験から野外試験等の中規模試験を経て最後に現場での実用試験(モニター)を行った。<BR>数種の単独及び混合の化合物を,種々の剤型に製剤化し,日本木材保存協会規格第2号に従って防かび性能を評価した.その結果,化合物単体を製剤化した場合には,TPICN及びTCMTBはそれぞれ乳化製剤で高い効力を示し,IPBCは可溶化製剤で高い効力を示した。また化合物を混合して製剤化した場合では,TCMTB+MBTCが乳化製剤で高い効力を示し,TCMTB+IPBCは可溶化製剤で高い効力を示した。<BR>また各種剤型について,その実用可能性を検討した結果,浸漬処理法での作業液安定性を初め,総合的な性能を満足する製剤は乳化タイプであり,本実験ではTCMTBとMBTCとの混合物を主成分とする下記の乳化タイプが実用上優れた性能を発揮した。<BR>(1)水不溶性の有機溶剤単独またはそれと水溶性の有機溶剤を組み合わせたものが,溶剤として良好なもので,界面活性剤はHLBが適合する非カチオン系のものが良い。この組み合わせで製剤化したものが,浸漬処理使用での作業液の長期繰り返し使用にも耐えうる最も優れた乳化安定性を示した。<BR>(2)上記の水不溶性溶剤を配合する乳化タイプ製剤は,水希釈(作業液)時の液性が弱酸性(pH5~7)を示すものでも極度の鉄腐食性を示さず,処理材にも変色が見られなかった。<BR>(3)乳化タイプの製剤品では,水で希釈して初めて乳化性を示す溶媒系製剤が,水系乳剤製剤より気温の変化(-20~40℃)に安定であった。またその性状は低粘度のものが,現場での水希釈時に敏速かつ均一な乳化性を示した。