著者
柳原 良江
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.79-92, 2019-04-20 (Released:2020-04-20)
参考文献数
21

代理出産は1976 年に米国で発明された商業的な契約である.当時の批判的な世論に影響された結果,商業的要素の低い人助けとしての位置づけがなされた.その後ベビーM事件により下火となるも,1990 年代に体外受精を用いる形で普及し,2000 年代からは生殖アウトソーシングと呼ばれる越境代理出産が流行し,世界的な一大市場を形成してきた. このような代理出産には,乳児売買,かつ女性の赤ちゃん工場化であるとの批判がなされてきたが,後者は女性の〈妊娠・出産というサービス〉と解釈されることで,身体の商品化を免れるレトリックが構築されてきた.しかし代理出産の現状は,それが女性の生命機能全体の商品化であることを示している. これら代理出産を支える論理は,生命科学知により分節化されつつ発展する「生-資本」が機能する社会の中で構築されている.そして代理出産市場は,このような社会で人の潜在的な〈生殖可能性〉を喚起しながら拡大を続けている.

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◆ 米国 の代理出産費用は一般的に 15 万~ 20 万米ドル(1700 ~ 2240 万円 )程度 https://t.co/ArR7idrk6J ◆ ウクライナの代理出産プログラムでは、1件当たり4万~5万ユーロ(約500万~600万円) https://t.co/EJrYm6Ar0Z
代理出産というビジネス 経緯・現状とそれを支える文化構造 柳原 良江 https://t.co/WMS02mRoEj
https://t.co/pg2mhuhlu1 https://t.co/cACOE5ddWZ
@Session_1530 どうもありがとうございます ネトウヨ男女差別喫煙者若者差別に負けないで 本論とずれてしまってすみません 正月のテレビで上野千鶴子先生がウクライナの代理母産業とおっしゃっていらっしゃったのは、こちらですね 一般の方々にもわかりやすく書いてくださっています https://t.co/OyJPXeDRHh
@ueno_wan どうもありがとうございます 頑張ってください おっしゃっていらっしゃったウクライナの代理母産業は こちらですね 一般の方々にも分かりやすく書いてくださっていますね ネトウヨ・ニアリーイコール・男女差別・喫煙者・若者差別に勝って頑張ってください https://t.co/OyJPXeDRHh
ウクライナは代理母産業に使われている JTの輸出先も https://t.co/OyJPXeDRHh
代理母市場のハイエンドがアメリカ、アッパーミドルがロシアやジョージア、ロワーミドルがタイやインド、ローエンドがウクライナやラオスですと。(ちょっと古いけど) https://t.co/bZRWD8T50G
科学技術社会論研究 第 17 号(2019) 「代理出産というビジネス」柳原良江 https://t.co/pU5oZzBkB0 FFさんが紹介されていたこちらの論考を読んで改めて。 #代理出産合法化に反対します #代理出産合法化反対 #臓器移植法改悪に抗議します
#代理出産合法化反対 https://t.co/uXGKe0sjlR https://t.co/41LWDZbUfX
これも一緒に読むことを勧める。 https://t.co/ZphmysQCkn
恐ろしく人権侵害要素の高い行為だと分かる論文、ロシアでも禁止になるようだが各国で禁止不可避と思う。代理を依頼しながら出生児に気に入らない要素があれば引き取り拒否になるケースもある。宙に浮く。 代理出産というビジネス 経緯・現状とそれを支える文化構造 柳原 良江 https://t.co/fXPHal33fC
たまたま見つけた文書(下記URL)によると、国家間の経済格差が利用され、様々な問題が起きている模様。 赤子の人身売買、または代理母の人身売買という枠組みで見直す動きがあるかもしれない模様。 https://t.co/IelaE2nOou
なかなか厳しい現状だった。 ”結果的に,無償の代理出産のみを可能としながらも,商業的な代理出産が,なし崩し的に実施されているのが現状” 「代理出産というビジネス-経緯・現状とそれを支える文化構造」 https://t.co/fXPHal33fC
『代理出産というビジネス』 https://t.co/0rOTNWOoab
既に人権無視のグローバルマーケットが確立していて震えた… 「代理出産というビジネスー経緯•現状とそれを支える文化構造」(2019.柳原.科学技術社会論研究) https://t.co/oiUMjvzpQT
ウクライナの代理母出産ビジネスの存在は知ってたし、結構な市場になってること(も、負の側面の話)も聞いたことはあったけど、やっぱ日本人にも””利用者””はいるんだね https://t.co/XL3OamJ1bK
代理出産というビジネス 経緯・現状とそれを支える文化構造 https://t.co/r8MRx8ca52
https://t.co/4f7a1bt3LM あとで読むメモ
そもそもの始まりから、システムとして回すには無償では成立せず、さらに南アジアや東南アジアの低所得層にアウトソーシングする流れがあっという間に整備され、というのはつらい。 #今日の論文 『代理出産というビジネス 経緯・現状とそれを支える文化構造』 https://t.co/hVWMICpj3x
代理出産というビジネス 経緯・現状とそれを支える文化構造 / 柳原 良江 https://t.co/hUtsTa7YOr
生殖アウトソーシングというパワーワード まあとっくにビジネスになってるだろうし今更という気もする https://t.co/dUtusyGLSc
こちらから:代理出産というビジネス 経緯・現状とそれを支える文化構造https://t.co/vSv11buEPe
柳原 良江 (2019) _科学技術社会論研究_ 17:79-92 / “代理出産というビジネス” https://t.co/alYkoQMZns #fukukyozai

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