著者
川合 伸幸
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.103-109, 2011 (Released:2017-04-12)

ヒトにとって、「目につきやすいモノ」がある。あるモノは、背景の色や形態との違いによって目立つが、通常の視覚情報処理経路とは異なる、上丘を介した経路(網膜→上丘→視床枕→扁桃体)で伝えられるために見つけやすい対象がある。怒り顔やヘビである。これら脅威の対象をすばやく見つけられることで、危険な状況での反応(闘争や逃走)の準備が効率化し、生存に有利になると考えられる。私たちの研究で、3 歳児の子どもであってもヘビをすばやく見つけることがわかった。そのことは、脅威の対象がバイパスして扁桃体に伝わるのは生得的であることを示唆しているが、学習によってもバイパスされるようになる。そこでヘビが生得的な脅威の対象であるかを調べるために、実験室で生まれヘビを見たことの無いサルで視覚探索実験を行った。その結果、サルもヘビの写真をすばやく見つけた。すなわち、サルやヒトは進化の過程でヘビを生得的に脅威を感じる対象としたと考えられる。ただし、サルを直接ヘビと対面させたところ、ヘビを怖れる個体と、まったく怖れない個体がいた。ヒトでは、怒り顔など恐怖の対象に対する感受性が、セロトニントランスポーターの多型性と関連しているとされる。近年マカクザルでも同じ多型性があることが報告されている。そこで、遺伝子の多型性を分析し、ヘビへの恐怖との関連を検討した。これらの恐怖反応の個人差と遺伝子の多型性の関連についても考察する。

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@Igasan_Himasan ヒトを含む霊長類は生まれる前から、ヘビに対して恐怖心を持つように脳が進化してきたそうです。 いうなればヘビが怖いというのは、遺伝子に刻まれてきたことなので僕のように怖くないというのは異常なのかも? https://t.co/S9zhzzH3OV https://t.co/N6h8py0sP5
@shioramen8446I この論文だった気がします。 https://t.co/FVuMz0NNpc
@kanahebi_10piki 紐状生物の一種については、一応こんなものがありましたです。https://t.co/WoqblPCEBM
@cnn_co_jp 僕のトレードマークにしている、アオダイショウは自宅の庭の木にいた。体長は2mほどあり、ビックリ。棒で追い払ったが、その後、裏側に植えてある、楓の木に潜んでいた。隣の畑に追い払った。蛇は苦手だ。  人は生得的に蛇に恐怖を感ずる。恐怖は扁桃体が関与している。 https://t.co/Lb6Slon0I3
視覚情報が意識に上るためには大脳皮質の視覚野を経由する必要があるけれど、上丘を経由する進化的に古い経路を通り偏桃体が刺激され恐怖の感情が生じる。この経路により霊長類はヘビ、クモ、怒った顔などの自らに脅威となる対象を素早く見つけることができると考えられている https://t.co/TUsqJH1vxM
memo https://t.co/TMbNydQXpm
ヘビが怖いのは人間がおサルさんだった頃の記憶なのかあ https://t.co/M6KsKTk9gV 視覚情報の伝達経路から違うとはね ダイレクトに恐怖につながるのか
@yomounipaku 本能的な恐怖や嫌悪と称されるモノのうち、幾つかは本当に生れながら備わっているものが有るようですね。例えば飼育されて「蛇」の存在を知らない筈の熊や猿でも蛇のオモチャに怯える話は有名ですね。しかも個体ごとに恐れる・恐れないが異なるという。 https://t.co/W6gDhldhst

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