- 著者
-
ボンジェ ペイター
- 出版者
- 日本作業科学研究会
- 雑誌
- 作業科学研究 (ISSN:18824234)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.1, pp.2-13, 2018-12-25 (Released:2019-05-10)
- 参考文献数
- 30
作業科学や作業療法の文献には,当事者にとって意味のある作業を可能にする目標に向かって,様々なストラテジーから構成されたアプローチが提案されている. そのような典型的アプローチの実施は,当事者にとって健康な生活やウェルビーイングのために,「作業の力」を十分に活用しているかという疑問を生じさせる. 本論文では,行動の中のナラテイィブ(Narrative-in-Action)方法論とトランザクション論(相互浸透論)を媒介(手がかり)にして,人々のおかれている日常の生活とセラピューティック場面から,機会がどのように生じるのかを探る. そのような計画されていない機会を活用することは,人々が病気や怪我の後,自分らしい生活への移行中であるとしても,そして,まだ達成されていない長期的な目標があるとしても,彼らが満足できる生活に近づくだけでなく,むしろ,彼らがそれによって健康やウェルビーイングを経験することになりうる.