著者
宮本 顕二 宮本 礼子
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.186-190, 2014-08-31 (Released:2015-11-13)
参考文献数
8

わが国では終末期の高齢者が経口摂取困難になると経管栄養(胃ろう)や経静脈栄養などの人工栄養を行うことが多い.しかし,筆者らが現地調査したスウェーデン,オランダ,オーストラリアではそれらは行われず,アメリカ,オーストリア,スペインでもまれにしか行われていなかった.これらの国では高齢者が終末期に食べられなくなることは自然なことであり,人工栄養で延命を図ることは倫理的でないと考えられている.
著者
北村 新 宮本 礼子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.45-53, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
参考文献数
29

本研究では,脳卒中片麻痺者12名を対象に,彼らが生活のなかで麻痺手の使用・不使用にいたる主観的体験をインタビュー調査により明らかにした.分析は,戈木版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた.結果,脳卒中片麻痺者は【麻痺を呈した身体での生活場面】のなかで,【麻痺手を使う必要性の実感】,【健側手で生活ができることの実感】,【意識的な麻痺手使用の試み】,【意識する他者の視線】という経験を通して,【麻痺手を使用する手段・場面の選択】と【麻痺手を使用しない手段・場面の選択】に帰結することがわかった.麻痺手使用を支援するうえで,対象者が行う作業の特性や,個人的意味づけを考慮した関わりが重要であると考える.
著者
宮本 礼子
出版者
首都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

自己に関する内的葛藤状況下の健常成人男女の脳活動の違いについて明らかにするために、fMRIで実験を実施した.その結果、男性では左中前頭回、右背内側前頭前野、左内側前頭前野、左後部帯状回、左後部上側頭回、左海馬傍回等の活動が認められ、女性では左腹内側前頭前野、右前部帯状回、右上頭頂小葉、左下頭頂小葉、左楔前部、および後頭葉視覚領域が活動していた.男女別の脳活動とパーソナリティスコア間に有意差は認められなかったが、顕在的自尊心尺度のスコアと脳活動には男女で異なる相関が認められた.
著者
丸山 祥 宮本 礼子 ボンジェ ペイター
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.188-196, 2022-04-15 (Released:2022-04-15)
参考文献数
20

本研究は新人作業療法士のクリニカルリーズニング学習と教育の経験を分析し,作業療法のクリニカルリーズニング評価尺度(以下,A-CROT)の有用性を検討することを目的とした.新人作業療法士と経験のある作業療法士8組16名を対象に,個別的面接と再帰的テーマ分析を実施した.結果,A-CROT使用が言語・非言語のコミュニケーションによる共同の学習と,4つの思考プロセスの学習の継続に役立ったことから,A-CROT使用の教育効果と触媒効果を確認した.一方,A-CROT使用の実用的課題として,評価方法と評価結果を活用する難しさが挙げられた.今後,A-CROTの手引書や効果的な学習・教育方法の検討が必要である.
著者
丸山 祥 宮本 礼子 ボンジェ ペイター
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.197-205, 2022-04-15 (Released:2022-04-15)
参考文献数
23

今回,作業療法のクリニカルリーズニングの自己評価尺度(Self Assessment scale of Clinical Reasoning in Occupational Therapy;以下,SA-CROT)の妥当性と信頼性を検討した.作業療法学生135名と作業療法士138名を対象にRaschモデル分析,確認的因子分析,仮説検証,信頼性を検討した.結果,SA-CROTの14項目と5つの評定段階がRaschモデルに適合し,確認的因子分析で4因子モデルが適合した.また,仮説検証で予測した結果が得られ,尺度の妥当性が確認された.再検査信頼性と内的一貫性で基準値を満たし,尺度の信頼性が確認された.
著者
山口 亮祐 宮本 礼子
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.567-577, 2018

<p>共感は, 認知的共感と情動的共感に分類され, それぞれが補足し合って共感機能を担っている。本研究では, 同一刺激だが異なる教示条件を用いて, 認知的共感と情動的共感の神経基盤の相違点を明らかにすることを目的とした。右利きの健常成人女性16名を対象に快感情が喚起される顔写真を見る条件 (情動的共感) と, 提示された人の感情を想像する条件 (認知的共感) を施行中の脳活動を, 機能的磁気共鳴画像法を用いて検討した。その結果, 情動的共感に特有の活動として両側下頭頂小葉が賦活し, 感覚情報を基にした感情面のミラーリングの関与が示唆された。一方, 認知的共感に特有の活動として左下前頭回が賦活し, 表情の意図を推測する活動の関与が示唆された。下頭頂小葉, 下前頭回ともにミラーニューロンシステムの一部であり, それぞれの共感には同システム上の異なる部位が関与し, 共感機能を担っている可能性が示唆された。</p>
著者
山口 亮祐 宮本 礼子
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.567-577, 2018-12-01 (Released:2018-12-06)
参考文献数
36

共感は, 認知的共感と情動的共感に分類され, それぞれが補足し合って共感機能を担っている。本研究では, 同一刺激だが異なる教示条件を用いて, 認知的共感と情動的共感の神経基盤の相違点を明らかにすることを目的とした。右利きの健常成人女性16名を対象に快感情が喚起される顔写真を見る条件 (情動的共感) と, 提示された人の感情を想像する条件 (認知的共感) を施行中の脳活動を, 機能的磁気共鳴画像法を用いて検討した。その結果, 情動的共感に特有の活動として両側下頭頂小葉が賦活し, 感覚情報を基にした感情面のミラーリングの関与が示唆された。一方, 認知的共感に特有の活動として左下前頭回が賦活し, 表情の意図を推測する活動の関与が示唆された。下頭頂小葉, 下前頭回ともにミラーニューロンシステムの一部であり, それぞれの共感には同システム上の異なる部位が関与し, 共感機能を担っている可能性が示唆された。
著者
北村 新 宮本 礼子
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.392-402, 2018-08-15

要旨:日本の作業療法領域におけるグラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下,GTA)による研究の現状と課題を文献検索で検討した.使用されているGTAの種類の調査,内容分析による研究目的の分類,Consolidated Criteria for Reporting Qualitative Research(COREQ)を使用した報告内容の分析を行った.2001年から2016年にかけて33文献が検索され,GTAの種類は,修正版が21件と最も多かった.研究目的は8カテゴリーに分類され,クライエントやその周囲の人の思い・経験に焦点を当てたものや,家族や他職種との社会的相互作用が挙げられた.報告内容の分析から,研究結果の信憑性や正確性に関わる複数の記載不足が,研究の質を高めるうえでの課題であった.