著者
一家 綱邦 山口 斉昭 高山 智子 勝俣 範之 秋元 奈穂子 八田 太一 下井 辰徳 渡辺 千原 藤田 みさお 高嶌 英弘 佐藤 雄一郎 手嶋 豊
出版者
国立研究開発法人国立がん研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

科学的エビデンスの不明な医療(がん治療に関するものが主たる対象)がもたらす社会的問題への対応策の検討を目的に4分野に跨る学際的研究を行う。(ⅰ)科学的エビデンスの不明な医療の内容を理解するための医学的観点からの研究(ⅱ)科学的エビデンスの不明な医療への法規制を検討する医事法学研究:医療行為そのものと医療行為に基づくビジネス活動を対象とする。(ⅲ)生命倫理・医療倫理のあり方を対象とする生命倫理学研究(ⅳ)法・倫理の規制の前提となる科学的エビデンスの不明な医療の実態把握のための調査研究。さらに、社会的課題としての重要性を鑑みて、研究成果を社会に発信することも研究活動の中で重要な位置を占める。
著者
八代 嘉美 標葉 隆馬 井上 悠輔 一家 綱邦 岸本 充生 東島 仁
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.137-146, 2020-04-30 (Released:2021-04-30)
参考文献数
16
被引用文献数
1

再生医療は社会から高い注目を集めており,その成果は社会のあり方自体に大きなインパクトを与える可能性がある.そのため本格的な普及が始まる以前の段階から,研究者や医療従事者と社会の広い層がその有用性とリスクの理解を共有し,患者が研究や治療への参画を判断する基盤を整えることが重要である.研究機関や企業の広報では,研究成果を発信する際にある程度の宣伝の色彩はやむを得ない部分があるが,学会という非営利セクターが主体となる場合は,客観的かつ冷静な情報発信による知識基盤の整備へとつなげられる可能性がある.本稿では日本再生医療学会が実施してきた事業を紹介し,エマージングテクノロジーに関するコミュニケーション,あるいはそうした活動に関する患者・市民参画のモデルを構築する一助としたい.