著者
武石 彰 椙山 泰生 三品 和広
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.34-48, 2010-09-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
2

『組織科学』は,誰が,何を,どのように論じてきたのか.これまで掲載された論文の著者プロフィール,テーマ,スタイルの時系列・国際比較分析を通じて『組織科学』の特徴や傾向を明らかにする.『組織科学』が多様なテーマについて相互に分散的に議論を進めてきたことを示し,その意味するところを論じる.
著者
三品 和広
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.59-67, 2009-03-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
14

理論は一般にAならばBという構造を持つ.戦略論も例外でなく,この手の定石を見つけようと努める研究者は少なくない.しかし,戦略論に限って言えば,問題は特定のコンテクストでAが成立するか否かを見極めるところにある.これが,定石を開発する以上に難しい.たとえば2009 年3月時点でテレビはライフサイクルのどのステージにあるのか.このような見立ての研究,または時機の読解に関して戦略論は絶望的に立ち後れている.
著者
三品 和広
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.27-42, 2006-06-20 (Released:2022-08-05)
参考文献数
15

電機・精密機器業界の一部上場企業を,長期にわたる売上高営業利益率の降順に並べてみると,上位を占めるのは創業第一世代期にある企業で,下位を占めるのは創業第一世代が姿を消した後の企業であることがわかる.経営体制の属性は時の流れとともに必然的に変わりゆくが,それに応じて業績水準も変位する可能性がここに示唆される.本稿は,その可能性をデータで実証し,変化の早い企業と変化の緩やかな企業の間に横たわる差異を探索的に検証した.
著者
金井 壽宏 三品 和広 上林 憲雄 原 拓志 平野 光俊 高橋 潔
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

長らく停滞した後、再復興期に入った日本の産業社会の活力の向上のため、企業の持続する競争優位性の元となる組織能力を再構築する必要がある。従来この議論は、たとえばリソースベースの経営戦略論として論じられてきたが、本研究では、組織能力構築に真に貢献できる、企業のコア人材、とりわけ経営人材と高度専門職人材に焦点を合わせて、人材の体系的な育成に関する理論的・実証的研究をおこなった。国家レベルの競争力を高めるうえで人材育成が果たす役割について米国を主たる比較研究も実施した。その結果、第1に、戦略の成功の問題は、人材育成の問題と切り離しては考えられないことが確認された。戦略的人的資源管理という名のもとに、戦略とリンクしてひとの問題を扱う重要性が示唆されてきたが、その育成内容は、次期経営幹部候補の体系的な育成、またその育成プロセスの加速化に焦点をあわせる研究が有望であることが判明した。また、どのように経営人材になるかという問題だけでなく、より早く最高経営責任者になり、より長く采配を振るう機会を与えることの重要性も確認された。第2に、経営人材、高度専門職人材を問わず、コア人材の育成は、フォーマルな座学の育成とのかかわりをけっして軽視することはできないが、産業のなかで、また個別の企業のなかで、いったいどのような仕事をどのような時期にだれのもとで経験するかという点がいっそう重要である。したがって、リーダーシップ開発の問題も、高度専門職の育成の問題も、なんらかの「経験の理論」にも裏付けられる必要があることがわかった。第3に、大きな展望としては、経営学におけるシステムに目を向ける視点と、ひとの問題を照射する視点とが今後は、意味ある形で統合されると、真に国家レベルの復興に経営学も貢献しうることが示唆された。経営学における人材育成を天下国家レベルの国の活力に結びつける研究への橋頭堡となった。
著者
三品 和広
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.8-19, 2002-06-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
18

日本型企業モデルの特長は,下部階層における技能形成のあり方と,それに基づく高い組織的実務能力にある.その裏返しとして,現状では事業経営責任者のキャリア形成と職務環境が戦略の形成と遂行に適した形になっておらず,日本企業は戦略不全に陥りやすい構図がある.ただしこの構図には論理的必然性はなく,日本型企業モデルを発展させて問題を解決することは可能である.
著者
三品 和広
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.193, no.5, pp.43-56, 2006-05