著者
福島 邦彦 三宅 誠 伊藤 崇之 河野 隆志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.627-635, 1987-06-15

従来のパターン認識は入力パターンの変形や位置ずれの影響を避けるために まず入力パターンの位置や大きさの正規化を行った後に特徴抽出や識別を行う方式が多かった.これに対して 筆者らは先に 生物の視覚神経系を参考にして 高度のパターン認識能力と学習能力を持つ神経回路モデル"ネオコグニトロン"を提案した.ネオコグニトロンは 入力パターンの変形が位置ずれ ノイズなどに強いパターン認識能力を示す.生物の神経系をヒントにしているため その反応特性は人間に似ており 人間が似ていると感じるものはネオコグニトロンも似ていると判断する.しかも学習能力を持っているので あらかじめ学習させておけば どのようなパターンでも認識させることができる.すでにわれわれは ネオコグニトロンによる手書き数字認識システムをミニコンピュータで実現しているが 今回は ネオコグニトロンの演算量がどの程度かを一般の技術者に直感的にわかってもらうため 広く普及しているマイクロコンピュータを用いてシステムを構成した.プログラムは できるだけ高速に動作させるために種々の工夫をこらして作成した.このシステムがマイクロコンピュータでも実現可能であるということは その演算量がそれほど膨大なものではなく 専用のハードウェアを用いれば 実用になる速度で働くシステムを製作できることを示している.
著者
河野 隆志 清水 聖志人 島本 好平 久木留 毅 土屋 裕睦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.242_1-242_1, 2016

<p> 日本レスリング協会では、「インテリジェントレスラーの育成」を理念にアスリートとしてのキャリアと人としてのキャリアの両立(Dual Career)の支援を目指した新たな発掘・育成システムの構築を推進している。本事業の一環にて、カデット世代(U-18)の国内育成プログラムに参加している最も優秀なタレントを選考し、海外育成プログラムへ派遣した。同プログラムにおいては、ライフスキル(以下、LS)の獲得を促すためGROWモデル(Goal・Reality・Options・Will)による個別ミーティングを複数回実施した。2015年度においては、男子フリースタイルのタレント3名をロシア(クラスノヤルスク)、男子グレコローマンスタイルのタレント3名を韓国(釜山)、女子のタレント4名をアメリカ(コロラドスプリングス)へそれぞれ派遣した。本研究ではLS評価尺度を用いて、海外育成プログラムの出発時点と帰国時点のLS獲得レベルを比較することで、GROWモデルを用いた海外育成プログラムがLS獲得に与える影響を検討した。分析の結果、特に「コミュニケーション」(t(9)=1.87、p<.10)と「礼儀・マナー」(t(9)=1.65、p=.13)において、他のLSに比べ平均値の大幅な上昇が見られた。</p>
著者
河野 隆志 小林 敦郎 八木下 克博 漢人 潤一 廣野 文隆 甲賀 英敏 岡部 敏幸
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.27, pp.49, 2011

【目的】静岡県メディカルサポート(以下MS)は、静岡県高校野球連盟(以下静岡県高野連)の要請を受け平成14年より活動を実施している。主たる活動内容として、全国高校野球選手権静岡大会(以下静岡大会)での試合前・中・後における選手へのテーピング等の応急処置、試合後の投手へのクーリングダウン、選手や審判員に対しての熱中症予防を目的としたドリンク作製や啓発活動等を実施している。また、一昨年度より、投手の障害予防を目的とした投手検診をクーリングダウンと併用し実施している。そこで本研究の目的は、投手検診より、静岡県における投手の現状を把握し、今後意義のあるクーリングダウンの質的向上へとつなげていくことである。特に今回は、障害発生に関与するとされている投球数や投球後における肩関節内旋角度(2nd)、問診による既往歴の有無等を調査し、投手における現状を検討したので報告する。【方法】対象は、静岡大会において初登板し、終了後または途中交代の投手で投手検診を行なった97名(3年生74名、2年生20名、1年生3名)とした。投手検診実施にあたり、静岡県高野連に加盟している全118校に対し、第92回静岡大会責任教師・監督会議においてMS代表より投手検診の趣旨を説明、その後静岡大会での各試合前のトスの際にも再度MSスタッフより趣旨を説明し、同意が得られたチームの投手に限り投手検診を実施した。投手検診の内容は、肩関節内外旋角度(2nd)の測定、問診にて一日の平均投球数(以下平均投球数)や一週間での投球日数(以下投球日数)、クーリングダウン実施の有無、疼痛や故障による既往歴や医療機関への受診歴等の調査を実施した。投球数に関しては、公式記録を参照し記録した。肩関節内外旋角度の測定方法は、15分程度の投球側肘・肩関節へのアイシング終了後、仰臥位にて投球側、非投球側の順に実施した。測定機器はレベルゴニオメーターを使用し、各可動域とも90°を最大値と設定し、5°毎での測定を行なうよう統一した。検討項目として、各項目での測定結果や問診結果の集計、投球後における投球側と非投球側との角度差(以下角度差)を抽出し、各々と既往歴の有無での関係性を検討した。統計学的処理として、投球数と肩関節内旋角度、角度差にはt検定、平均投球数(50球未満、50~80球未満、80~100球未満、100~150球未満、150球以上の5群に分類)と投球日数(3日未満、3~4日、5~6日、7日の4群に分類)、クーリングダウンの有無には、マン・ホイットニの検定を実施し、それぞれの有意水準は危険率5%未満とした。【結果】投球数は98±34球であり、肩関節内旋角度は52.3±14.2°、角度差は8.5±12.1°であった。既往歴に関しては有りが60名(61.9%)無しが37名(38.1%)であった。既往歴有りの投手の部位別では、肩関節(46.7%)、肘関節(43.3%)、腰部(20%)の順に多かった。投球数、肩関節内旋角度、角度差、投球日数、クーリングダウンの有無と既往歴の有無に関しては有意差が認められなかった。しかし、既往歴と平均投球数において、既往歴有りと無しの投手間で有意差が認められた。【考察】静岡大会における投手の現状として、61.9%の投手に既往歴や最近の故障等が認められた。そのなかでの投手の特徴として、一日における投球数が既往歴無しの投手と比べ有意に多いことが判明した。その反面、障害発生に関与するとされている肩関節内旋角度や角度差等において有意差は認められなかった。このような結果となった要因として、学童、少年野球時より受傷し、障害や疼痛が残存したまま現在に至る投手が多いことが予測される。また、部位別では肩、肘関節に次いで腰部の既往の訴えもみられており、投球動作における一連の流れや障害部位による代償等の影響も一要因として考えられる。肩関節内旋角度や角度差に関しては、MS活動における投手へのクーリングダウン時の肩甲骨周囲筋への必須ストレッチとしての実施やセルフエクササイズでの肩関節内外旋筋に対する個別指導による投手への認識が関与しているのではないかと考えられる。本研究より、静岡県における高校野球投手の現状として、肩・肘関節に留まるのではなく体幹や股関節等全身に着目しての実施が必要となるとともに、幼少期からのメディカルチェックも重要となることが示唆される。【まとめ】MSの主たる活動目的として、選手の障害予防や自己管理能力の向上を図ること、教育場面の一環等が挙げられる。今年度より、県内3校を対象とした巡回事業も実施しており、投手検診等のメディカルチェックを実践し、その結果を分析し問題点に対し対策を講じることで、選手が怪我や故障なく高校野球を継続できる環境づくりや障害予防に対する認識の啓発活動を行なっていきたい。
著者
山下 大地 荒川 裕志 有光 琢磨 河野 隆志 和田 貴広 清水 聖志人
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.202_1-202_1, 2016

<p> 日本レスリング協会と国立スポーツ科学センターはこれまで日本代表選手の体力測定およびフィードバックを実施し、国際競技力の向上を図ってきた。近年では育成世代にも一貫した発掘・育成システムの構築を推進しており、同様の測定方法にて形態・体力測定を実施している。本研究では、育成世代の男子エリートレスリング選手の体力水準を明らかにすることを目的とした。2013年度から2015年度にかけて、各世代の育成キャンプに招集された延べ219選手を対象に、形態・体力測定を実施した。測定項目は身長、体重、体脂肪率、背筋力、握力、腹筋テスト、ロープ登りテスト、300mインターミッテントテストであった。出場階級をもとに軽量級、中量級、重量級に分け、各階級(軽・中・重)および世代(U-20・U-17・U-15)を要因とする二元配置分散分析をおこなった。U-20世代の軽量級は他世代の軽量級と比較して筋力、疾走能力が高かった。一方、U-20世代の重量級は、他世代の重量級より筋力は高値を示すものの、体脂肪率が高く、腹筋、疾走能力が低値を示した。これらの結果は、選手の発掘や育成システム構築に必要な指針となりうるものである。</p>
著者
河野 隆志 鈴木 由里子 山本 憲男 志和 新一 石橋 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.184, pp.1-8, 1999-07-16
被引用文献数
6

ネットワーク上にコミュニケーションの環境を作る試みはインターネット上を中心に盛んに行われている。本論文では遠隔地にいる人々が会話や行動を共にできる通信環境を目指して、等身大の映像を投影し、没入できる多面ディスプレイを表示装置とするクライアントと手軽に携帯ができるPCベースのクライアントを共有空間で結ぶことによる新しいサービスを提案し、そのためのプラットフォームとして試作したシステムについて述べる。本システムにより多数の人が仮想空間を共有し、ユーザのお辞儀、挙手、手を振るという基本的なジェスチャを認識し、ユーザの分身の動作という形で相手に伝達し、音声・映像を使ったコミュニケーションが可能になった。