著者
三木 英 三浦 太郎
出版者
英知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究が目指したところは、阪神大震災によって大きな被害を受けた地域社会が復興するにあたり、宗教が何らかの寄与を為し得たのかどうかを検証することであった。これまで得られた知見を以下に述べるなら、リジッドな組織を伴う神道、仏教、キリスト教、新宗教が地域社会の復興に貢献することはかなり難しいということがまず挙げられよう。教団は基本的には、そこに所属する信者の方角を向いていたのであり、地域社会全体にその翼を広げることはしなかった(できなかった)のである。たとえば天理教では被災後、活動を地域社会において展開しようとして壁に突き当たったという事実を、本研究は突き止めている。教団へのアレルギーが確かに被災者の間には存在したのである。とはいえ、宗教そのものが完全に被災者によって拒絶されたというわけではない。犠牲者の慰霊を宗教的な儀礼によって行うことは、多くの被災者が求めたところであった。また本研究は、被災地において巡礼が創出されたことを指摘しているが、このことは被災者が自らの心のケアに供するべく宗教的な装置を利用したことを示すものである。さらに本研究では子供達の他界観にも注目をしているが、彼らは、自身にとっては遠い概念であった死に対処するため、他界に言及して心の平穏を取り戻そうとしたようなのである。被災者は、組織という外殻を纏う限りの宗教に対してはネガティブであったといわざるをえない。しかし、外殻を意識させない拡散したかたちの宗教に対してはポジティブな姿勢を見せたといえるだろう。危機的状況に在る社会で、そのダメージからの回復に寄与する可能性を宗教が有することは確かである。ただしそれは、組織的・制度的宗教ではなく、非教団的な宗教であることが本研究から判明したのである。
著者
三木 英三
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオレオロジー学会
雑誌
日本バイオレオロジー学会誌 (ISSN:09134778)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.32-39, 2006-06-25 (Released:2012-09-24)
参考文献数
19
被引用文献数
1

Udon (Japanese noodle) is one of the traditional foods in our country.The quality of the cooked noodle depends mainly on physical properties expressed koshi (hardness and springiness), articulation and smoothness.Therefore, the physical properties of Udons prepared under the various cooking conditions were determined by the breaking test, creep measurement and stress relaxation measurement using a rheometer and a handmade equipment. As a result of also doing the sensory evaluation, cooked Udon that was organoleptically judged to be the most delicious was soft one with a high breaking strength. By a scanning electron microscope, the gelatinization of starch near the surface of cooked Udon and the porous sponge-like structure were observed, whereas core part of the starch retained their original granular form with an adequate swelling. The cooked Udon surface seemed to form the network structure with the corrugation. This structure may be involved in the smoothness of the cooked Udon.
著者
山野 善正 仲原 貴生 三木 英三 合谷 祥一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.1033-1037, 1991-11-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

包丁と超音波カッターで切断した測定試料について,切断方法の違いによる試料への影響を,クリープメーターを用いて粘弾性を測定し,写真機及び電子顕微鏡により観察したところ,次の結果が得られた.(1) カステラ,チーズでは,超音波カッターと包丁の切断方法の違いにより,瞬間弾性,遅延弾性,遅延粘性,定常粘性に差が認められた.特にカステラでは,その差が大きく,スポンジ状食品では,超音波カッターは非常に有用であると考えられる.(2) かまぼこでは,超音波カッターと包丁での切断方法の違いによる,明確な差は認められなかった.(3) カステラ,キュウリの切断表面の電子顕微鏡観察では,超音波カッターと包丁の切断方法の違いにより表面の凹凸に差が認められた.しかし,チーズ及びかまぼこでは,切断方法の違いによる,表面の凹凸の差は認められなかった.
著者
佐藤 恵美子 三木 英三 合谷 祥一 山野 善正
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.737-747, 1995-10-15
参考文献数
29
被引用文献数
5 6

「煮つめ法」,「滴下法」を用いて調製した胡麻豆腐の調製時における攪拌速度と加熱時間の影響について,テクスチャー測定,クリープ測定,走査型電子顕微鏡による構造観察を行って検討したところ,次のような結果が得られた.<BR>(1) 「煮つめ法」により調製した胡麻豆腐のクリープ曲線は四要素モデル(E<SUB>0</SUB>, E<SUB>1</SUB>, η<SUB>N</SUB>, η<SUB>1</SUB>)として解析可能であった.硬さおよび瞬間弾性率,フォークト体弾性率(E<SUB>0</SUB>, E<SUB>1</SUB>)は,どの攪拌速度においても加熱25分(谷の部分)で最も軟らかくなり,その後加熱時間の増加とともに硬くなった.また,その加熱25分の調製条件が構造的にも均一な蜂の巣状構造を形成した.<BR>「滴下法」によるテクスチャーと加熱時間における一次式の傾きは,加熱45分までの時間依存性を示すもので,攪拌速度が高くなる程,大きくなり,付着性には攪拌速度による依存性が認められた.ニュートン体粘性率,フォークト体粘性率(η<SUB>N</SUB>, η<SUB>1</SUB>)は加熱時間にともなう変化がテクスチャーの付着性と類似していた.<BR>(2) 走査型顕微鏡観察の結果,加熱15分では不均一な部分があり,加熱25分で均一な空胞が形成され蜂の巣状を示した.さらに加熱攪拌を続けると蜂の巣状構造は崩壊し始めた,250rpm 25minの試料が空胞の形成がよく,最も均一な蜂の巣状の空胞の集合体が観察された.<BR>(3) 胡麻豆腐は葛澱粉を主体とするゲルであり,胡麻の蛋白質と脂質が関与している相分離モデルであると推察される.
著者
三木 英
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.879-904, 2012

現代日本では外国籍の住民が増え、それに伴って日本人に馴染み薄い宗教の施設も増加することになっている。ブラジル福音王義キリスト教やイスラームがその宗教の代表であるが、それらの現状は日系人やムスリムだけが集う、孤立した信仰共同体にとどまっている。それら共同体に日本人信者は僅かしかおらず、教会やモスクの所在する地域の住民が、それらに出入りすることはない。とはいえ宗教的なニューカマーもホスト社会に無関心であるかといえば、そうではない。彼らは日本人・日本社会に向け活動し、メッセージを発信しているのである。その働き掛けは現時では一方的なもので、多くの日本人はその現実に気づいてはいない。しかし現代日本が多文化共生をその課題とする限り、日本人がニューカマーによる活動・メッセージを認識することは必要であろう。宗教的なニューカマーは国内に増加している。彼らと日本人との間の協働関係構築の可能性は、探究するに値しよう。
著者
三木 英
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.879-904, 2012-03-30 (Released:2017-07-14)

現代日本では外国籍の住民が増え、それに伴って日本人に馴染み薄い宗教の施設も増加することになっている。ブラジル福音王義キリスト教やイスラームがその宗教の代表であるが、それらの現状は日系人やムスリムだけが集う、孤立した信仰共同体にとどまっている。それら共同体に日本人信者は僅かしかおらず、教会やモスクの所在する地域の住民が、それらに出入りすることはない。とはいえ宗教的なニューカマーもホスト社会に無関心であるかといえば、そうではない。彼らは日本人・日本社会に向け活動し、メッセージを発信しているのである。その働き掛けは現時では一方的なもので、多くの日本人はその現実に気づいてはいない。しかし現代日本が多文化共生をその課題とする限り、日本人がニューカマーによる活動・メッセージを認識することは必要であろう。宗教的なニューカマーは国内に増加している。彼らと日本人との間の協働関係構築の可能性は、探究するに値しよう。
著者
佐藤 恵美子 三木 英三 合谷 祥一 山野 善正
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.737-747, 1995-10-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
28
被引用文献数
8 6

「煮つめ法」,「滴下法」を用いて調製した胡麻豆腐の調製時における攪拌速度と加熱時間の影響について,テクスチャー測定,クリープ測定,走査型電子顕微鏡による構造観察を行って検討したところ,次のような結果が得られた.(1) 「煮つめ法」により調製した胡麻豆腐のクリープ曲線は四要素モデル(E0, E1, ηN, η1)として解析可能であった.硬さおよび瞬間弾性率,フォークト体弾性率(E0, E1)は,どの攪拌速度においても加熱25分(谷の部分)で最も軟らかくなり,その後加熱時間の増加とともに硬くなった.また,その加熱25分の調製条件が構造的にも均一な蜂の巣状構造を形成した.「滴下法」によるテクスチャーと加熱時間における一次式の傾きは,加熱45分までの時間依存性を示すもので,攪拌速度が高くなる程,大きくなり,付着性には攪拌速度による依存性が認められた.ニュートン体粘性率,フォークト体粘性率(ηN, η1)は加熱時間にともなう変化がテクスチャーの付着性と類似していた.(2) 走査型顕微鏡観察の結果,加熱15分では不均一な部分があり,加熱25分で均一な空胞が形成され蜂の巣状を示した.さらに加熱攪拌を続けると蜂の巣状構造は崩壊し始めた,250rpm 25minの試料が空胞の形成がよく,最も均一な蜂の巣状の空胞の集合体が観察された.(3) 胡麻豆腐は葛澱粉を主体とするゲルであり,胡麻の蛋白質と脂質が関与している相分離モデルであると推察される.
著者
川染 節江 三木 英三 合谷 祥一 山野 善正
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.245-252, 1992-03-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
15
被引用文献数
1

スポンジケーキの生地の粘弾性と構造に及ぼすバター含量の影響を検討するため,バターを小麦粉に対し, 0~120%添加した試料について,レオメーターによる粘弾性の測定および走査型電子顕微鏡による観察により,次のような結果を得た.(1) みかけの粘度を反映する生地の流動量は,生地調製直後(放置前)では,バター含量の増大に伴い直線的に増加したが,放置10~30分後のものは, 120%では若干低下した.(2) 生地調製後, 25℃の恒温槽中で10~30分放置した生地の動的粘弾性(G',G")は,バター含量80%までは減少するが, 80%以上のバター含量では増大し,粘弾性の値とみかけの粘度を反映する生地の流動量との間に有意な負の相関性が得られた.また,バター含量による動的粘弾性の変化は,既報2)のケーキの圧縮試験による硬さ,ガム性およびそしゃく性の変化とほぼ同じ様相であった.(3) バター含量が増大するほど,損失正接(tanδ)は小さくなり,より弾性的な生地になった. tanδと生地の密度との間には有意な負の相関性が,また, tanδとケーキの比容積との間には有意な正の相関性が得られた.さらに,バター含量による損失正接の変化は,圧縮試験により得られているケーキのレオロジー特性を表すモデル式8)y=AnCeBnのパラメータ,C(変形のしやすさに対する抵抗力)の変化と類似していた.したがって,スポンジケーキ生地の動的粘弾性は,焙焼後のケーキの物性をよく表すといえる.(4) クライオ-SEMの写真から,調製直後の生地の気泡はバターを含まないものでは,主にやや大きな回転楕円体が多いが, 80%では小さいものが多く, 120%では大小の気泡が混在しており,いずれも,気泡は直径約100μm以下になると球形を呈することがわかった.(5) 生地の気泡の消失は,バター含量が多く放置時間が長くなるほど著しくなり,バターの添加により密度の増大をきたすことが,組織観察から明確になった.(6) 脂肪球は直径約20~60μmの球形をなし,表面に多くのひだが観察された.以上のように,ケーキ生地のみかけの粘度および動的粘弾性と生地の物性に大きな役割を示す組織のどちらにもバター含量が影響し,小麦粉に対し80%添加した試料が特徴的な様相を示し,既報のケーキのテクスチャー形成と官能評価が良好であったことを裏づけられた.
著者
千田 二郎 山田 耕司 藤本 元 三木 英雄
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.53, no.485, pp.176-182, 1987-01-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

The purpose of this paper is to obtain fundamental information concerning the heat transfer process and breakup behavior characteristics of individual small droplets impinging upon a hot surface. A uniform sized water droplet array at room temperature under atmospheric pressure was produced by the vibratory method to impinge upon a heated flat copper surface. And then, heat transfer from a surface to the droplets is assessed by a transient technique. Further, the deformation and the breakup behavior owing to the impingement of the droplet is observed by means of a drum camera recording high-speed microscopic photographs. Heat transfer effectiveness in a low temperature range of less than 125°C decreases as droplet impingement frequency increases because of interference between the impinging droplet and the remaining liquid film on a surface. It is possible that heat transfer per droplet is transfermed into a heat transfer coefficient by use of droplet residence time and film contact area on a surface. And Variations in the heat transfor coefficient for a droplet array with surface temperature are measured by difference calculus of the one dimensional unsteady heat conduction equation.