- 著者
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木藤 伸宏
井原 秀俊
三輪 恵
神谷 秀樹
島沢 真一
馬場 八千代
田口 直彦
- 出版者
- 公益社団法人日本理学療法士協会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.7, pp.313-319, 2001-12-20
- 被引用文献数
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35
この研究では足指機能を定量的に測定する評価機器(足指把握力測定機器・足指運動機能測定機器)を開発し, 測定機器の再現性を検討した。また, 高齢者168名を対象として足指機能と身体運動能力(握力, 膝伸展筋力, 10m歩行時間, 静止立位時の足圧中心動揺, 動的バランス)との関連性を検討した。さらに転倒予防としての足指トレーニングの有用性を検討した。評価機器の再現性は同一被験者(n=27名)に日時を変えて測定を2回行い, 検討した。168名を過去の転倒既往より転倒群と非転倒群に分け足指把握力・足指運動機能の比較検討を行った。さらに転倒予防としての足指トレーニングの妥当性を検討するためにトレーニング群(n=23名)とコントロール群(n=15名)に分け効果の比較検討を行った。トレーニング群は足指機能訓練機器【くりりん君】を用い, 8週間のトレーニングを実施した。結果は以下の通りであった。1)我々が作製した足指把握力測定機器・足指運動機能測定機器は再現性が高く足指機能を客観的に評価する信頼性のある測定機器である。2)転倒群では非転倒群と比較して足指把握力が有意に劣っていた。3)足指把握力は, 握力, 足指運動機能, 膝伸展筋力, 動的バランス, 10m歩行時間との相関が認められた。足指運動機能では握力, 足指把握力, 動的バランス, 膝伸展筋力, 10m歩行時間との相関が認められた。4)訓練群では動的バランス, 膝伸展筋力の向上が認められたが, コントロール群では認められなかった。足指機能は身体運動機能や転倒との関連性から重要な機能である。また, 足指機能訓練は自主訓練として簡単に取り組め, 転倒予防として有効なトレーニンクであることが示峻された。