著者
多田村 克己 中前 栄八郎
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.385-391, 1995-08-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
16
被引用文献数
1

We describe a method for rendering the surface of water, focusing on the problem of realistic color rendering. This method takes into account scattered and absorbed light, interreflection between objects located above the water surface and between those in the water, the shape of the bottom surface of the water and shadows cast on/under the water surface. It can be applied to point light sources with various characteristics of luminous intensity distributions and spectra. Two examples show the effect of the depth and quality of water on this color, comparing simulations with photograph of a pool. They suggest that this method is useful for designing lighting for scenery surrounding water
著者
中前栄八郎 多田村 克己 西田友是
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.1077-1085, 1986-11-15
被引用文献数
1

本論文は 光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を表示するための手法として 処理の速いスキャンラィン法を基本とし 局所的にレイトレーシング法を適用する手法を提案するものである.レイトレーシング法は 光の鏡面反射・屈折を考慮することが可能なことや 各種形状の物体を取り扱えるメリットがある一方 一般に探索する光線と物体との交点を求めるために膨大な計算時間を必要とする欠点がある.そこで 外接箱(bounding box)を用いてこの計算量を節減する手法が開発されている.しかし この手法は 光源数が増すにつれ 影の計算時間が大きな割合を占める欠点がある.これらの問題を解決し 光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を高速に表示するために 次のような特徴を持つ手法を提案する.1)レイトレーシング法は鏡面反射や屈折を考慮する物体のみに適用する.この際 可視面(視点からの光線と最初に交わる面)は スキャンライン法によって容易に求められるから レイトレーシング法を適用する領域を容易に局所化することができる.2)レイトレーシング法を適用する際の視点からの光線の探索および形の処理に 外接箱と影空間(shadow volume)を用いる.これにより 計算点に他の物体が影を落とすか否かの判定を高速化できる.
著者
永井 康雄 藤原 雅俊 多田村 克己 秦 学英 中前 栄八郎
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.45-56, 2006-06-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
37

本論文は, 自然光環境下で使用する屋外移動体, 例えば車等の比較的小さい工業製品のデザイナーへの支援システムとして, 臨機応変に現場撮影可能な可搬性に富んだ2種類のパンビデオシーケンス撮影技法と, この背景パンビデオシーケンスを活用し, 設計段階でデザイナーが気軽にCGモデルを試行錯誤できる幾何学的・光学的に均整のとれた2種類の合成法を提案する. (1) 背景パンビデオシーケンスに移動体を同期させる方法であり, デザイナーは合成のためのスキルを必要としない. (2) 移動物体に背景パンビデオシーケンスを同期させる方法であり, デザイナーは移動体の軌道・速度を自由に設定できる.先ず開発の本題の背景を記述し, 背景パンビデオシーケンスの撮影手法, カラーデザインのための天空輝度分布取得法, 移動体に背景パンビデオシーケンスを同期させるための再編集法, CGモデルと背景パンビデオシーケンスの合成法を提案し, 適用例を挙げてその有用性を示す.
著者
金田 和文 友田 由之 中前 栄八郎 野口 高男 大橋 敏明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.902-903, 1989-10-16

大型建造物建設後の景観事前評価に、コンピューターグラフィックスを用いた景観シミュレーションが盛んに用いられるようになってきた。一般に物体入力法は大別すると、プリミティブによるものと、自由曲面によるものがある。しかし、等高線地図上に描かれた道路や擁壁に対しては、どちらの方法を用いても容易に入力することができない。例えば、図1の地図上の道路などを入力する場合、それらを多数の微小平面の集まりに分割し、各平面の頂点座標を求める必要があり、手間がかかり、また入力ミスも起こりやすい。これらの形状を誤りなく容易に入力するためには、上述の欠点を補った専用の入力システムをもつことが有利である。本稿では道路や、擁壁などをマイコンとタブレットを用いて入力し、それらに含まれる曲面を三角形パッチに自動分割するシステムを開発した。
著者
山下 英生 上甲 達也 中前栄八郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.570-580, 1991-05-15
被引用文献数
5

数値解析シミュレーションの対象はより複雑化 多次元化し 解析結果の可視化の必要性はますます増大している.3次元交流定常場における磁束密度と渦電流のように 相互に作用する物理量は時間の経過とともに複雑な振舞いをする.このような二つの物理量の相互作用の理解のためには 両者の時空間における現象を 同時に観察することが望ましい本論文では 交流定常場における1サイクル間の瞬時密度分布の観察に グラフィックスワークステーションを利用した可視化法について提案する.すなわち 密度分布の瞬時値の高速算出法を用いて 相互に作用する物理畳を観察する三つのステレオ表示法を提案し 相互作用の観察を容易にする操作性に優れた会話処理機能について提案している.本可視化法の特徴は以下のとおりである.(1)相互に作用する複数の物理量に関して 時間的変化を観察するためのアニメーション表示 異なる時刻の相違を観察する並列同時表示 および指定された2時刻における密度分布の微妙な差を観察する切り替え表示法が準備されており 観察者は必要に応じて適宜速やかに辺択できるので 相互作用の詳細な観察が可能である.(2)時間的に変化する3次元空間の相互作用を 観察者のその時々の意志のおもむくままに 自在に かつ即応的に 望む方向および距離から 望む断面の分布状況を観察できる操作機能を持っている.
著者
中前 栄八郎 西田 友是 金田 和文 多田村 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.1515-1527, 1993-08-25
被引用文献数
5

コンピュータグラフィックスは,その誕生から30年を過ぎ,その適用範囲は極めて多岐にわたり,90年代,完全に応用の時代に入った.ここでは,ホトリアリズムの中でも大気や水など,3次元空間に分布した気体や液体およびその中の漂遊微粒子(ちり,煙,霞,混濁微粒子等)の光学現象のモデル化によるホトリアリスティックな画像生成手法について議論する.すなわち,光源として,強い方向性を与えることのできる点光源,太陽直射光,大気の散乱による2次光源としての天空光を対象とし,被照体としては,一般の固体のほかに,上述の空気分子,エーロゾル,水分子,混濁粒子による光の散乱,吸収および水面における反射,屈折を考慮した光学モデルを考える.このモデルによって,スポットライト下の煙や,ヘッドライトによる光束,晴天,曇天下の風景,霧の効果,水質による水の色の変化,水中照明,宇宙から見た地球など,ホトリアリスティックな画像生成が可能になることを示す.