著者
養父 志乃夫 山田 宏之 中島 敦司 中尾 史郎 松本 勝正
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.595-600, 2001-03-30
被引用文献数
2 5

大阪府大坂市から東大阪市にかけての近鉄奈良線沿線部二おいて,バッタ類の生息密度の変化を調査した。調査区としては,近鉄奈良線の各駅を中心とした半径250m円の調査区を12カ所,半径1km半円の調査区を5カ所設定した。調査は2000年8月から9月にかけて行い,一般に人の立ち入ることのできる接道部の緑地と公園緑地を対象に,全バッタ類を捕虫網で捕獲する方法で行った。その結果,都心部からの距離が離れるに従って単位面積あたりの捕獲数は指数関数的に増加すること,緑地の規模や草地組成とバッタ類捕獲数は相関を持たないことなどが明らかとなった。また,都市環境への適応性の大きいバッタ種も特定された。
著者
中尾 史郎 姫野 平 松本 勝正 養父 志乃夫 中島 敦司 山田 宏之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.161-171, 2000-11-13 (Released:2011-06-27)
参考文献数
25

Dispersal tendency of the adults of the water strider, Metrocoris histro, was clarified along a stream by the mark-recapture method, over a two-month's period Phenetic differences among members of 6 local populations from 6 streams within 3 rivers was estimated using the apterous males by multivariate morphometrics. Although the adult water striders generally seemed to be sedentary within a pool, the migrants showed a downstream bias in dispersal distance and in numbers of insects moving. Discrimination analysis showed that 67%-100% of the local group members were correctly classified into the original groups, and misclassification only occured among members sampled within a radius of 8-km. Thus the present result indicated that morphological similarity among members sampled from neighbor streams was higher than that among members sampled from the distant streams in a same river. Based on these results, patterns of dispersal and phenetic differentation of M. histro were discussed.
著者
中嶋 智子 中尾 史郎
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.95-105, 2022-09-25 (Released:2022-09-29)
参考文献数
29

南アジア,東南アジア,東アジア,オセアニア地域に広く生息する放浪種のミナミオオズアリPheidole fervens Smith, 1858は,日本国内では,南西諸島から九州南部に連続分布している.京都市で2020年にミナミオオズアリを採取したので,本州初記録として報告するとともに,本種の現在の生息状況と2016年以降の発見場所周辺の調査資料から本種の侵入定着の時期を推定し,同時に在来アリへの影響を明らかにした.2016年から2019年に実施した調査では26種のアリ類が採取されミナミオオズアリの採取はなかったこと,ミナミオオズアリは2020年9月に97個体,2021年10月に457個体とわずか30分間の砂糖水ベイト誘引でメジャーワーカーを含む多数のワーカーが採取されたことから,侵入定着時期は2019年から2020年初頭と推定した.2021年11月下旬と12月中旬に実施した調査では,陸続きである南北方向に約100 m拡がっていたことから本種の分布拡大速度は2年間で約50 mと予想した.この調査で15種2150個体のアリを採取し,ミナミオオズアリ侵入区とその周囲の非侵入区に分けアリ相を比較し,ミナミオオズアリ侵入の影響をみた.侵入区でミナミオオズアリは,他のアリ種に比べ62 %と最も高い採取率を示し,採取個体数も総採取アリ数の66 %と,すでに優占種であった.侵入区では,在来の普通種のトビイロシワアリTetramorium tsushimae Emery, 1925の平均採取個体数は非侵入区の1 %と少なく,クロヤマアリFormica japonica Motschoulsky, 1866は採取されず,ぞれぞれの採取率はミナミオオズアリの存否で差異が認められたことから,これらとミナミオオズアリが置き換わる可能性も示唆された.一方,オオズアリP. nodus Smith, 1874は,その生息適地に重なるミナミオオズアリの分布域では,ミナミオオズアリと同所的に生息し,オオズアリの存否では平均採取個体数と採取率には差異はみられず,本種の侵入による影響は小さいと考えられた.また,ミナミオオズアリに先んじて侵入定着しているケブカアメイロアリNylanderia amia(Forel, 1913)では,その平均採取個体数と採取率が侵入区で2.7個体と29%,非侵入区で2.1個体と29%と同程度の値を示し,侵入区と非侵入区で採取率に差異がなく,本種の侵入影響は明確ではなかった.
著者
増田 倫士郎 中尾 史郎
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.147-158, 2013-07-05 (Released:2018-09-21)

エサキアメンボの腹面色彩には黒色型と白色型の季節型が知られる.本研究では和歌山県紀の川市個体群を様々な光周条件下で飼育し,腹面黒化と生殖休眠誘導の関係を把握した.さらに野外での季節消長を調査して黒色型と休眠個体の出現時期を解明した.短日条件下で発育した雌には休眠が誘導され,その臨界日長は約13.75時間だった.明期14時間以下の短日条件で発育したすべての個体は黒色型となったが,明期14.5時間以上の長日条件で発育した大部分の個体は白色型となった.黒色型の雌には休眠虫と非休眠虫が出現したが,休眠虫は白色型には出現しなかった.幼虫後期(4齢と5齢幼虫)の光周条件が休眠誘導と色彩型決定に重要であった.野外において本種は年3回発生し,黒色型の休眠雌は9月上旬から出現することが示唆された.第1世代成虫は5月中下旬に出現し,それらはすべて白色型で,休眠せず産卵を開始するだろう.本研究結果は,黒色型の発現が休眠誘導と厳密に同調しないものの,越冬と密接に関連することを示唆した.
著者
根本 淳 中島 敦司 中尾 史郎 山田 宏之 養父 志乃夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.559-562, 2004-03-31
被引用文献数
1 2

In order to evaluate the effect of site protection for restoration of uncovered stand floor vegetation due to trampling, we carried out the restoration experiment at three secondary stands of Quercus serrata from June 1998 to October 2002. The restoration experiment was carried out with the cultivating surface soil both in the protection site and in the opened site, at each stand. As results, only in the largest stand with nine hectors width, the coverage and the numbers of species of herb layer were increased more in the protected site than in the opened site. Also, the percentage of the species, which are characteristic in the secondary stands of Quercus serrata, was increased at the protected site only in the largest stand. Thus, the site protection is concluded as effective for applying larger stands than nine hectors width to restore stand floor vegetation due to trampling.
著者
養父 志乃夫 山田 宏之 中島 敦司 中尾 史郎 松本 勝正
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.447-450, 2000-03-30
参考文献数
7
被引用文献数
1 6

従来から行われてきている草本種子を用いた法面緑化工法ではない,自然の表土と,それに含まれる埋土種子を利用する緑化工法に関する研究のため,香川県内において試験施工を行った。樹林内の表土を尾根部,中腹部,谷部の3箇所から1997年3月と6月に採取し,土嚢袋に詰めたて勾配32度の南西斜面に設置し,追跡調査を実施した。施工後2年目の段階で,土壌採取場所の違いにより異なる植生が成立した。いずれの区においてもアカメガシワ,ヌルデ等の先駆性の植物が優先的に成立したが,尾根部から採取した土壌区では特にススキが密生し,最大の被覆量を占めた。ススキも含め,植物被覆量の多い区ほど土壌流亡が少ないことも明らかになった。