著者
安原 英明 木下 尚樹 操上 広志 中島 伸一郎 岸田 潔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.1091-1100, 2007
被引用文献数
3

高レベル放射性廃棄物処分坑道近傍では,廃棄体からの発熱により化学作用が活発化し,岩盤の力学 · 水理学特性に大きな影響を及ぼすことが考えられる.本論文では,圧力溶解現象を考慮した概念モデルを用いて,熱 · 水 · 応力下における化学作用を定量化し,珪質岩石の透水性評価を行った.特に,珪質岩石の構成主鉱物である石英,クリストバライト,アモルファスシリカの溶解 · 沈殿特性に着目し,深地層下における圧力,廃棄体からの発熱作用を考慮し,透水特性の変化を定量的に評価した.その結果,90 °Cの温度条件下で時間と共に透水性が低下する傾向が得られた.また,クリストバライト,アモルファスシリカを多く有する珪質岩石は,石英系岩石よりも透水性の変化がより顕著となることが確認された.
著者
菊本 統 中島 伸一郎 小山 倫史 酒井 直樹
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,吸排水に伴うヒステリシスや体積変化による飽和度変化の影響も考慮した発展型の水分特性曲線モデルと、それを組み込んで締固め過程から変形・破壊までシミュレートできる不飽和土の構成則を開発した。これらのモデルの適用性は,排気非排水圧縮や浸水,せん断シミュレーションを通して検証し,同モデルを用いれば最適含水比と最大乾燥密度を持つ締固め曲線を解析的に表現できることを明らかにした。さらに,有限変形理論に基づいて、2年目までに開発、検証を行った構成モデルと水分特性曲線モデルを組み込んだ有限要素解析コードを開発するとともに、大変形問題のシミュレーションを通して検証を行った。
著者
矢野 隆夫 西山 哲 中島 伸一郎 森石 一志 大西 有三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.120-130, 2011 (Released:2011-12-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

透水性舗装の貯留・浸透特性を飽和―不飽和浸透解析や気液二相流解析等で評価する場合,舗装を構成する各材料の不飽和浸透特性を精緻に把握しておくことが必要である.そこで透水性舗装の材料としてポーラスアスファルト混合物,路盤材および数種の路床材に対して,水分保持特性試験および飽和―不飽和透水試験を実施し,解析における不飽和パラメータの取得を行った.ポーラスアスファルト混合物に対する試験結果については既に報告しており,本論文では路盤材および路床材の結果について報告する.試験結果を既存のモデル式でフィッティングしたところ,水分保持特性は Van Genuchten 式の適用性が良い事を,路盤材の不飽和透水特性は主に Irmay 型の式で,路床材は Van Genuchten 式でよく表現できることを明らかにした.
著者
中島 伸一郎
出版者
山口大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

都市水害を抑制する新しい舗装構造として側面流入型の貯留浸透舗装を提案した.本舗装構造の基本的水理特性および力学特性を把握するため,路盤材に対する大型透水試験と舗装模型に対する繰返し平板載荷試験を実施した.透水試験の結果,路盤材の透水係数は粒度分布によらずおおむね10-1cm/secであることを明らかにした.舗装模型に対する繰返し平板載荷試験の結果,浸水時には路面のたわみが大きくなるとともに路床面に作用する応力が上昇するが,これは浸水により路盤の剛性が低下することが原因である可能性が高いことが明らかとなった.