著者
酒井 直樹
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.11-22, 2016-06

アジア太平洋戦争後の東アジアで、日本はアジアの近代化の寵児とみなされ、アジアで唯一の先進国と呼ばれてきた。冷戦秩序下のパックス・アメリカーナ(アメリカの支配下の平和の意味)で日本は、東アジアにおけるアメリカ合州国の反共政策の中枢の役割を担い、「下請けの帝国」の地位を与えられ、経済的・政治的な特別待遇を享受してきた。日本研究は、この状況下で、欧米研究者による地域研究と日本人研究者の日本文学・日本史の間の共犯構造の下で、育成されてきたと言ってよい。「失われた二十年」の後、地域研究としての日本研究も日本文化論としての日本研究も根本的な変身を迫られている。それは、東アジアの研究者の眼差しを無視した日本研究が最早成り立つことができないからで、これまでの日本文化論に典型的にみられる欧米と日本の間の文明論的な転移構造にもとづく日本研究を維持することができなくなってきたからである。これからの日本研究には、合州国と日本の植民地意識を同時に俎上にあげるような理論的な視点が重要になってきている。
著者
酒井 直樹
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
失われた20年と日本研究のこれから・失われた20年と日本社会の変容
巻号頁・発行日
pp.87-97, 2017-03-31

失われた20年と日本研究のこれから(京都 : 2015年6月30日-7月2日)・失われた20年と日本社会の変容(ハーバード : 2015年11月13日)
著者
酒井 直樹
出版者
新潟国際情報大学国際学部
雑誌
新潟国際情報大学国際学部紀要 (ISSN:21895864)
巻号頁・発行日
pp.1-28, 2015-07-01

新潟国際情報大学開学20周年記念情報文化学部情報文化学科学術シンポジウム特集
著者
酒井 直樹 田口 仁 六川 修一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.L1, pp.9-18, 2023 (Released:2023-03-01)
参考文献数
6

災害時の最大のニーズは「どこで何が起きたのか」の把握である.その情報がすぐに災害対応者の意思決定に必要な情報として提供されるべきである.そのためには各種衛星に関して「いつ・どこのエリアをどの衛星で観測するか」をマネジメントする必要がある.特に,広範囲にわたる災害では必要不可欠な技術である.そのためには,各衛星の特性を知った上で,複数機体制の実現とその運用管理の一元化が求められる.緊急観測依頼から衛星データ入手までの時間を短縮する必要もある.観測の精度や手順を標準化することも求められる.SAR衛星や小型衛星を使い,AI解析技術の確立することが重要である.今後ユーザーのニーズに応じて衛星データの選択が可能となり,必要な時に入手できるようになることを踏まえ,平時はインフラのモニタリングをして情報を蓄積し,災害時にはその延長で対応できるようなフェーズフリーな利用が進むと考えられる.
著者
酒井 直樹
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.11-22, 2016-06-30

アジア太平洋戦争後の東アジアで、日本はアジアの近代化の寵児とみなされ、アジアで唯一の先進国と呼ばれてきた。冷戦秩序下のパックス・アメリカーナ(アメリカの支配下の平和の意味)で日本は、東アジアにおけるアメリカ合州国の反共政策の中枢の役割を担い、「下請けの帝国」の地位を与えられ、経済的・政治的な特別待遇を享受してきた。日本研究は、この状況下で、欧米研究者による地域研究と日本人研究者の日本文学・日本史の間の共犯構造の下で、育成されてきたと言ってよい。「失われた二十年」の後、地域研究としての日本研究も日本文化論としての日本研究も根本的な変身を迫られている。それは、東アジアの研究者の眼差しを無視した日本研究が最早成り立つことができないからで、これまでの日本文化論に典型的にみられる欧米と日本の間の文明論的な転移構造にもとづく日本研究を維持することができなくなってきたからである。これからの日本研究には、合州国と日本の植民地意識を同時に俎上にあげるような理論的な視点が重要になってきている。
著者
菊本 統 中島 伸一郎 小山 倫史 酒井 直樹
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,吸排水に伴うヒステリシスや体積変化による飽和度変化の影響も考慮した発展型の水分特性曲線モデルと、それを組み込んで締固め過程から変形・破壊までシミュレートできる不飽和土の構成則を開発した。これらのモデルの適用性は,排気非排水圧縮や浸水,せん断シミュレーションを通して検証し,同モデルを用いれば最適含水比と最大乾燥密度を持つ締固め曲線を解析的に表現できることを明らかにした。さらに,有限変形理論に基づいて、2年目までに開発、検証を行った構成モデルと水分特性曲線モデルを組み込んだ有限要素解析コードを開発するとともに、大変形問題のシミュレーションを通して検証を行った。