著者
篠崎 亮人 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.598, pp.31-36, 1997-03-18
被引用文献数
1

情報社会の進展に伴い,セキュリティ向上の観点から個人の自動照合技術の重要性が高まっている.これまでに行われている個人照合の研究としては,顔や声など様々な特徴を用いた研究があるが,筆跡により個人の同定を行う筆者照合もその一つである.本論文では,枠内に一文字ずつ日本語で書かれた氏名を用いて,その筆者をオフライン照合する新たな手法について述べる.本手法では,個人性を表わす特徴量として,文字の概形を反映するPeripheral Histogramと文字の線成分の傾き及び長さを反映するSinogramを定義し,これを用いて筆者の照合を行う.本手法の有効性を検証するために被験者50人に対して照合実験を行ったところ,平均誤り率約4%という結果が得られた.
著者
岡村 真貴子 中島 真一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1784-1785, 1989-03-15

流体の流れ解析を行う手段には.大きく分けて差分法と有限要素法がある。このうち差分法は,計算時間が短い,使用メモリが少ない,収束性の良い手法が開発されているなどの理由から.広く利用されている。しかし,十分な図形出力機能を備えているものが少なく,ポスト処理の充実が望まれている。一方,有限要素法は,従来より構造解析の分野で活用されてきたことから,高度な図形処理機能が整備されているソフトが多く,また汎用のポスト・プロセッサも,いろいろなものが用意されている。このことから,有限要素法系ソフトの豊富なポスト処理機能が利用できるよう,差分法のモデルと解析結果を有限要素法のデータ構造に変換し,汎用性のあるデータとして出力する,差分法のポスト処理プログラムを開発したので,以下に報告する。
著者
竹村 安弘 多田羅 勝義 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.2152-2162, 2005-10-01
被引用文献数
6

筋ジストロフィー患者らの人工呼吸中の神経筋疾患患者における人工呼吸回路不全の早期発見を目的として, 呼吸運動モニタ装置を用いた異常検出方法を提案し, その有効性を検証した. 使用した呼吸運動モニタ装置は非接触の三次元視覚センサを応用したもので, 長期間のモニタリングが必要な患者の使用に適している. 異常状態のデータ取得は被検者に大きな負担をかけるため, 正常状態と異常状態の識別領域を形成するための十分なデータが取得できないことから, 判定時点直前の一定期間の状態の生起確率をそれ以前の確率分布から推測し, それが設定された誤報率を下回ったときに異常と判定する方法を考案し, 更に過去の状態に関係なく呼吸停止を判定する機能を組み合わせて検出漏れを防ぐ仕組みとした. 被検者7名による延べ12回の終夜呼吸運動波形測定データにおいて, 本方法による検出テストを行ったところ, 患者の呼吸状態に合わせて60秒から600秒で異常検出を行うとともに, 誤報は3回に抑えられた. これらの結果から, 本方法は人工呼吸回路不全の発見に有効であることが確認された.