著者
平林 一広 岩田 進 松本 広淳 森 武雄 柴田 承二 馬場 昌範 伊藤 正彦 茂田 士郎 中島 秀喜 山本 直樹
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.112-115, 1991-01-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
15
被引用文献数
67 79

Chemically modified compounds of glycyrrhizin have been synthesized and evaluated for their inhibitory effect on the replication of human immunodeficiency virus type 1 (HIV-1) and herpes simplex virus type 1 (HSV-1). Among them, the 11-deoxo compound having a heteroannular diene structure at the C and D rings proved as active against HIV-1 as glycyrrhizin in MT-4 and MOLT-4 cells. It completely inhibited HIV-1-induced cytopathogenicity in both cell lines at a concentration of 0.16mM. The compound was also effective against HSV-1 with a 50% inhibitory concentration of 0.5μM.
著者
神原 賢治 藤井 信孝 中島 秀喜
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.237-244, 2000
被引用文献数
4

合成ペプチドT22は, カブトガニの血液細胞に存在する抗菌ペプチドであるpolyphelnusin IIをリード化合物として合成した, 18アミノ酸残基からなる塩基性ペプチドである. このT22は, T-tropic HIV-1感染のコレセプターであるCXCR4に作用して, HIVの標的細胞内への侵入を阻害する事が知られている. 我々は, T22の陽電荷を減少させた14アミノ酸残基から成る低分子類似体を合成し, その中でT134と命名したペプチドがさらに強い抗HIV活性を示し, 細胞毒性が減少することをみいだした. さらに, T134はPBMCへのCXCR4抗体の結合を阻止したが, CCR5抗体の結合にはなんら効果をおよぼさなかった. また, T134の抗HIV作用機序としては, これがMT-4細胞へのSDF-1の結合を阻害した事から, CXCR4と相互作用する事によって感染を阻止することが予想された. 他の研究グループから, バイサイクラムAMD3100やD-Arg9つから成るペプチドALX40~4Cなどの物質が, T22やT134と同様にCXCR4に作用してT-tropic HIV-1の侵入を阻害することが報告されている. さらに, カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス (HHV-8/KSHV) にコードされているケモカイン様物質, vMIP IIは, T-tropic HIV-1のみならずM-tropic HIV-1の感染も阻止し得る. 本研究では, AMD3100に対して耐性となったHIV-1を用いて, 野生型HIV-1株との抗HIV活性を比較する事により, T134, ALX40-4C, vMIP IIは, AMD3100耐性HIV-1株に対して交差耐性が見られず, CXCR4へ相互作用する部位がそれぞれ異なっている可能性を示した.
著者
神原 賢治 藤井 信孝 中島 秀喜
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.237-244, 2000-03-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
20
被引用文献数
4 4

合成ペプチドT22は, カブトガニの血液細胞に存在する抗菌ペプチドであるpolyphelnusin IIをリード化合物として合成した, 18アミノ酸残基からなる塩基性ペプチドである. このT22は, T-tropic HIV-1感染のコレセプターであるCXCR4に作用して, HIVの標的細胞内への侵入を阻害する事が知られている. 我々は, T22の陽電荷を減少させた14アミノ酸残基から成る低分子類似体を合成し, その中でT134と命名したペプチドがさらに強い抗HIV活性を示し, 細胞毒性が減少することをみいだした. さらに, T134はPBMCへのCXCR4抗体の結合を阻止したが, CCR5抗体の結合にはなんら効果をおよぼさなかった. また, T134の抗HIV作用機序としては, これがMT-4細胞へのSDF-1の結合を阻害した事から, CXCR4と相互作用する事によって感染を阻止することが予想された. 他の研究グループから, バイサイクラムAMD3100やD-Arg9つから成るペプチドALX40~4Cなどの物質が, T22やT134と同様にCXCR4に作用してT-tropic HIV-1の侵入を阻害することが報告されている. さらに, カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス (HHV-8/KSHV) にコードされているケモカイン様物質, vMIP IIは, T-tropic HIV-1のみならずM-tropic HIV-1の感染も阻止し得る. 本研究では, AMD3100に対して耐性となったHIV-1を用いて, 野生型HIV-1株との抗HIV活性を比較する事により, T134, ALX40-4C, vMIP IIは, AMD3100耐性HIV-1株に対して交差耐性が見られず, CXCR4へ相互作用する部位がそれぞれ異なっている可能性を示した.
著者
吉田 孝 中島 秀喜 瓜生 敏之
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

我々はこれまでに合成および天然多糖類を硫酸化した硫酸化多糖は高い抗HIV作用を持つことを見出し研究を続けている。特に天然多糖カードランを硫酸化したカードラン硫酸は、低毒性であり高い抗HIV作用を示すことを明らかにした。作用機構は、硫酸基に由来する(-)電荷が、HIVのエンベロープタンパク質gp120の(+)電荷集中部位に静電的に相互作用してエイズウイルスがT細胞などへ感染することを阻害すると考えた。インフルエンザウイルスもエンベロープタンパク質を持つ。本研究では、カードラン硫酸の抗ウイルスメカニズムによりインフルエンザウイルスにも適用させた材料化を検討した。
著者
島田 智哉子 植沢 芳広 Ishii-Nozawa Reiko 石原 真理子 Kagaya Hajime 金本 大成 寺久保 繁美 中島 秀喜 高尾 浩一 杉田 義昭 坂上 宏
出版者
International Institute of Anticancer Research
雑誌
Anticancer Research (ISSN:2507005)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.5405-5412, 2014-10

Background: Fifteen 3-styrylchromones were subjected to quantitative structure?activity relationship (QSAR) analysis based on their cytotoxicity, tumor selectivity and anti-HIV activity, in order to explore their biological activities. Materials and Methods: Cytotoxicity against four human oral squamous cell carcinoma (OSCC) cell lines and three human oral normal cells was determined by the 3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide (MTT) method. Tumor-selectivity was evaluated by the ratio of the mean CC50 (50% cytotoxic concentration) against normal human oral cells to that against OSCC cell lines. Anti-HIV activity was evaluated by the ratio of CC50 to EC50 (50% cytoprotective concentration from HIV infection). Physicochemical, structural and quantum-chemical parameters were calculated based on the conformations optimized by the LowModeMD method followed by the density functional theory (DFT) method. Results: All 3-styrylchromone derivatives showed moderate-to-high tumor selectivity. Especially, compounds that have a methoxy group at 6-position of the chromone ring and hydroxyl group at 4'-position of phenyl group in styryl moiety [11] showed the highest tumor-selectivity. On the other hand, their cytotoxicity against normal cells showed good correlation to the descriptors that reflect hydrophobic interaction and molecular shapes. Conclusion: Multivariate statistics with chemical descriptors for the location of substituted group, molecular shape and electrostatic interaction may be useful for designing the most favorable compound with higher tumor selectivity.
著者
寺久保 繁美 中島 秀喜 竹村 弘 金本 大成
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

百日咳、麻疹、風疹はワクチン接種により予防可能な感染症である。近年、我が国ではこれらの疾患の成人発症例が増加している。その原因として抗体低下が考えられる。今回、若年成人(医学生)の抗体価を測定した。百日咳抗体価は28.3%(194/686名)が感染防御レベル(10EU/ml以上)を満たしていなかった。麻疹抗体価は55.6%(322/579名)が感染予防の基準(16以上)を満たしていなかった。風疹抗体価は27.5%(159/579名)が感染予防の基準(8以上)を満たしていなかった。感染予防対策のためにも医学生に対するワクチン接種を積極的に推進する必要があると考える。