著者
中嶋 博 金子 紘士 土田 稔
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.35-47, 2010 (Released:2012-02-01)
参考文献数
8
被引用文献数
4 9 1

東京都では、大正の初め頃から地盤沈下が起きており、戦後の復興とともに地盤沈下が進行した。特に、昭和30年代から40年代にかけて、地盤沈下は激しくなってきた。このような状況に対し、都は、法律や条例に基づき、地下水揚水規制や地下水位の観測、雨水浸透の推進などの地下水対策に積極的に取り組んできた。その結果、現在東京都における地盤沈下は沈静化傾向にあるが、完全には終息しておらず、地下水位も微増から横ばいで頭打ちの状況にあり、現行の揚水規制を緩和すれば地盤沈下が再発する可能性がある。そのため、地盤沈下を未然に防止する観点から、揚水規制を引き続き維持するとともに、地下水のかん養量を増加させるための施策の推進を一層図る必要がある。本稿では、都における地盤沈下の状況やその対策を振り返りつつ、今後の課題等について概説する。
著者
中嶋博行著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
2004
著者
菅 守隆 西川 博 安藤 正幸 田中 不二穂 赤池 孝章 坂田 哲宣 河野 修 伊藤 清隆 中嶋 博徳 荒木 淑郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.461-466, 1989-04-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
16

マイコプラズマ肺炎の診断は, 発症初期には困難なことが多く, 決め手となる補助診断法はない. 我々は, マイコプラズマ肺炎が細菌性肺炎と異なった免疫応答をすることに注目し, 血清中 Adenosine deaminase 活性値 (ADA) が発症初期の細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別に有用か否かについて検討した. その結果, マイコプラズマに対する抗体価が上昇する以前の早期 (発症3~10日目) に, マイコプラズマ肺炎患者11名の血清中ADAは, 32.1±12.0U/l (63.9~18.7U/l) であり, 正常対照者の平均値±2SDである20.8U/l以上の活性値を示す患者は11例中10例であった. 一方, 細菌性肺炎患者20名では12.5±3.3U/l (4.6~18.6U/l) であり, 全例20.8U/l以下であった. マイコプラズマ肺炎患者のADAは, 細菌性肺炎患者および正常対照者に比べて有意に高く (p<0.001), 発症初期の細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別に極めて有用であると考えられた.