著者
岩本 直子 領家 美奈 中森 義輝
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.279-286, 1997
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

東京都の環境に関係する物理的・客観的データから住民による環境の主観的評価を予測するモデルを構築する。モデルは2つの階層からなり, 第1層は, 物理的・客観的データから住民の環境に対する衛生, 快適などの個別主観評価値を予測する線形回帰モデルである。第2層は, 予測した個別評価値を統合するショケ積分モデルである。ただし, 線形回帰モデルでは個別評価値のモードを予測する。また, 主観評価データの地域性を考慮して, 数本のショケ積分モデルを構築し, それらをif-then型ファジィモデルとして統合する。各ショケ積分モデルを構築するための部分データセットは, 物理的・客観的データに基づく地域のクラスタリングにより決定する。ファジィ測度の同定は凸2次計画法による。また, ファジィモデルの前件部を多次元メンバシップ関数を用いて表現し, メンバシップ関数のチューニングにより予測モデルの精度を高める。一方, 得られたファジィ測度により地域の個性を分析し, 同定されたファジィ測度の妥当性を検討する。すなわち, 本研究のねらいは, 総合評価の予測精度を高めるとともに, 納得できるモデル構造・ファジィ測度を得ることである。
著者
中森 義輝
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第4回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.42, 2011 (Released:2012-03-14)

知識科学は問題解決型の学際的学問分野であって、知識創造プロセスのモデリングとその応用を中心として、知識マネジメント、技術マネジメント、知識発見、知識の総合と創造、イノベーション理論などの研究教育によって、より良い知識基盤社会の構築を目指している。本発表では、知識科学におけるいくつかの重要な概念(知識テクノロジー、知識マネジメント、知識発見、知識総合化、知識正当化、知識構成など)を振り返り、システム科学の視点から知識科学の再考を試み、開発中の知識構成システム論について紹介する。
著者
堀 H. 信三 中森 義輝
出版者
JAIST Press
巻号頁・発行日
pp.1-350, 2010-06-10

updated:17-Aug-2010
著者
領家 美奈 中森 義輝
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.136-146, 1996-02-15
被引用文献数
17

分類と回帰を同時に分析するファジィクラスタリングについて考察する。与えられたデータ集合から高木・菅野のファジィモデルを同定する際, 前件部同定のためのデータのファジィ分割と後件部同定のための回帰分析を調和的に実行する問題である。Hathaway and BezdekのFuzzy c-Regression Modelsは, 与えられたデータ集合に対していくつかの回帰モデルをあてはめ, クラスタリングと回帰係数の同定を同時に行うアプローチである。本稿では, そのアプローチをファジィモデリングに利用するために, 規範の改良と適応型アルゴリズムを提案する。また, 数値実験により提案した手法の有効性を示すとともに, 世界の人口問題に関連するファジィモデルの構築という実際問題へ応用する。
著者
中森 義輝 KROLZ bigniew KROL Zbigniew
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、新しい知識基盤社会の始まりに際して、知識科学という新しい認識法をどのように確立するかということを深く探究することである。さらには、数学と科学における直観的基盤をどのように説明するかということについて同時に考察し、知識創造における直観の役割を合理的に説明することである。本研究では、数学や科学の知識創造における直観の役割について歴史的な考察を行っている。科学理論は相対主義に固執しているように見えるが、技術や科学実践ではいまだに古典的真理に基礎を置いている。この矛盾を回避する方法を発見することにより、知識創造の新しいメカニズムの発見に結びつける。具体的には、数学の直観的基盤を探求するとともに、日常の数学訓練を説明するシステムの形成を行い、現代数学に対する説明方法の再構築を目指している。さらに、それを集合論へと展開するとともに、現代科学における絶対空間概念の創発についてのケーススタディを行う。平成20年度は特に、ウリツビッキーと中森が提唱している新しい学際的な知識正当化理論である「進化的構成的客観主義」の中のマルチメディア原理において重要であり、さらには知識科学の応用において重要となる言語の抽象的構造に関して考察を行った。また、古典数学に対する直観的解釈(クロールが提唱している知識正当化の方法)の再構築を試みた。これらの成果は、いくつかの論文(印刷中のもの2件を含む)、国際会議等において発表した。
著者
領家 美奈 中森 義輝 ヒュン ナム ヤン
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

嗜好性が高い製品については,その製品がもつスペック等に代表される機能の側面だけでなく,その製品が人に与える‘感性’も合わせて,製品評価に用いられる.さらに,その製品を購入する際の文脈も重要な製品評価の側面,すなわち,製品購入にいたる顧客の要望と考えられる.本研究ではそれらのあいまいで多様な顧客要望をファジィ情報として扱い,統合し,顧客の製品選択の意思決定を支援するとともに製品デザインに役立てようというものである.全体を均一に重要とするオペレータの開発,および,どの評価の側面をより重要視するのかに対する指針を得るためのモデルを構築した.